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2000年代のブラック・ミュージックを定義したディアンジェロ 『Voodoo』

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ディアンジェロのネオ・ソウルの傑作は、R&Bに揺るぎない強い影響を与えただけではなく、その作品が実現されるまでの物語も印象的である。新世紀を迎え1ヶ月が経った2000年1月25日にリリースされた『Voodoo』は、それからの10年間を定義する作品となり、創造力と先進性のハードルがあまりにも高くなったために、『Voodoo』と同じクオリティを持つアルバム『Black Messiah』でディアンジェロが復帰するまでに14年もかかってしまった。

当時“ポスト・モダン”や“急進的”と言われた『Voodoo』は、ひとつの時代には収めることはできない。60年代、70年代、そして80年代のファンクとソウルからサウンドとアイディアを収集し、90年代に制作されたこの作品は、過去に生きたすべての黒人革新者(ジミ・ヘンドリックス、カーティス・メイフィールド、ジョージ・クリントン、スライ・ストーン、スティーヴィー・ワンダー、アル・グリーン、そしてプリンス)を象徴しており、その素晴らしさは決して薄れることはない。

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一時はネクスト・マーヴィン・ゲイと称賛されたディアンジェロは、1995年にファースト・アルバム『Brown Sugar』を発売しヒップホップ・ソウルの先駆者となった。21歳の若さでジャンル全体を見直す責任を負い、マクスウェルの『Urban Hang Suite』(1996年)、エリカ・バドゥの『Baduizm』(1997年)、『The Miseducation of Lauryn Hill』(1998年)を含むネオ・ソウル・ムーヴメントの道を切り開いた。しかし新世紀の始まりには、コンテンポラリーR&Bはカッコいいクラブで流れるサウンドへと変化していた。その反応として生まれた『Voodoo』は70年代初期のサウンドをヒップホップの影響を受けた実験的なリズムで強化させ、そのサウンドを復活させた。

発売後2週間で『Voodoo』は全米アルバム・チャートのトップを飾りプラチナム・ディスクを獲得、グラミーを2部門受賞、そしてディアンジェロの足跡を何年にも亘って留めるヒット作となった。アルバムは、音楽的にだけではなくビジュアル的にも印象的な声明であった。アルバム・ジャケットと「Untitled (How Does it Feel)」の刺激的なビデオでディアンジェロはその魂以外にもすべてをさらけ出した。脆い声明だった筈なのに、ファンを誘惑する禁断の招待状となった。

1995年のファースト・アルバム『Brown Sugar』発売後、R&B全体の運命を背負わされた完璧主義者の彼は2作目のジンクスを恐れるあまり気持ちが弱ってしまい、『Brown Sugar』のような作品はもう作らないと決めた。2作品となる『Voodoo』の発表までの5年間、彼はマネージャーとレーベルを替えて、カヴァーやサウンドトラックなどの控え目な活動をしながら何年もスタジオにこもった。1998年にサンプルを使用した「Devil’s Pie」と1年後にレッドマンメソッド・マンをフィーチャリングした「Left and Right」の2枚のプロモーション・シングルを発売したので、ファンたちは希望を持ち続けた。

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アルバムを発売することになり、ディアンジェロは音楽界の先輩たちを真似て、ジャズのような自発的なアプローチをレコーディングに取り入れた。最高のR&Bミュージシャンたちを集め、自由にジャムしてもらい、実験的なサウンドと魔法のような瞬間をとらえた。それはナップスターが流行る前の時代にファンク・アルバムが作られていた方法だった。ディアンジェロは当時エボニー誌に「迫力のある芸術的なブラック・ミュージックを作りたかった」と語っている。

ジミ・ヘンドリックスやその他にもそこでレコーディングしたアーティストたちの魂を呼び出すかのように、グリニッジ・ヴィレッジのエレクトリック・レディ・スタジオにこもってレコーディングを行い、ソウルとロック作品を吸収しながら、過去に生まれた魔法を再現しようと仲間のミュージシャンたちを集めた。そこでのセッションは何年も続いたが、得た結果はオーガニックで、優れたミュージシャンにしか奏でられないスタジオらしいサウンドが生まれた。参加したミュージシャンは、ドラムにクエストラブ(ザ・ルーツ)、ベースにピノ・パラディーノ(ジョン・メイヤー・トリオ、RHファクター)、ベテラン・ギタリストのスパンキー・アルフォードとマイク・キャンベル、キーボードにザ・ルーツのメンバーであるジェイムス・ポイザー、そしてホルンはジャズの奇才ロイ・ハーグローヴがいた。

ソウルを復活させたいというディアンジェロの想いはスタジオだけには留まらなかった。彼はただ昔のソウルの雰囲気を再現するのではなく、しっかりとした同じサウンドを作ることを目指した。そのアナログ的な情熱がレコード盤が再注目される前のことだったのは残念だが、お陰で私たちは今その報いを得ることができる。ヴィンテージ機材の使用と楽器をライヴでレコーディングするなど、そのこだわりはMP3時代には無駄となってしまった。

R&Bアルバムではあるが『Voodoo』は一般的な曲構造を控えており、その代わりとして終わらない会話のようにアルバムが作り上げられている。それはディアンジェロの意識の流れを垣間見ているようだ。自由でダウン・テンポな美学は人を遠ざけてしまう部分もあるかも知れないが、その酔わせるようなジャズ調の雰囲気は何度聴いても驚かされる。どのトラックも6分間以上の長さがあるため、決してラジオ・フレンドリーではなかった。そしてバック・フレーズを多数使用しているので、聴いた者はドラッグで陶酔感を経験しているかのようになる。アルバムのタイトルは文字通りの意味を持っており、異言を述べながら神聖なるヒーリング効果とミステリーに満ちている。

DAngelo-Profile

イントロ、アウトロ、そして曲の途中での語りは当時よく使われており(当時の他のラップ・アルバムやネオ・ソウル作品、例えばローリン・ヒルなどを聴けばわかる)、最近ではソランジュの『A Seat At the Table』などでそれがカムバックを果たしている。「Playa Playa」などがそうであるように、重ねられたヴォーカルの中ではギターとホルンが強調され、特に「Chicken Grease」ではファンクが前面と中心に置かれている。

それと同時に「The Line」のリリックでは、「長いこと姿を消していた。僕はただ歌いたいだけ、自分の歌を歌いたいだけ。噂を色々と耳にしているのはわかっているけど」と息まじりのファルセットで評論家たちに答えている。

過去10年間に磨きをかけられたテクニックではあるが、アルバム全体ではサンプリングが重要な役割を果たしており、ディアンジェロが丁寧にこなしている。「Send It On」で使用したクール&ザ・ギャングの「Sea of Tranquility」や、「Africa」でのプリンスの「I Wonder U」が良い例である。どのトラックもその目的を果たしており、それだけで完成する。ロバータ・フラックのカヴァー「Feel Like Makin’ Love」では爽やかに誘惑し、ラテン・ジャズ調の「Spanish Joint」はその後に続く情熱を予告している。

D'Angelo – Send It On

しかしどの曲も、ゆっくりと燃え上がる究極のバラード「Untitled (How Does it Feel)」の衝撃とは比べものにならない。ラファエル・サディークと共作したこのトラックは、恋人とのセクシーな時間にかけたい曲を代表する1曲となっており、曲の途中で終わるのが効果的で聴いた者にもっと求めさせる。意識的にせよ無意識にせよプリンスからインスピレーションを得ているが、数年後に「Call My Name」をリリースしたプリンスも彼からインスピレーションを受けていたように思えるのは皮肉なことだ。

D'Angelo – Untitled (How Does It Feel)

魅力的なトラックは同様に刺激的なビデオを必要とした。当時のR&Bビデオにはブリンブリン(*訳注:キラキラしているものの擬態語。派手なネックレスや装飾品もそうよばれる)が当たり前で、ディアンジェロのギリシャ彫刻のような上半身は、エロティックなパフォーマンスというよりも、何もかも脱ぎ捨て裸になった印象を受ける。このビデオは成功と共に災いをもたらした。ビデオのお陰で一夜にしてセックスシンボルとなったが、同時にそれから何年も世捨て人になってしまったのだ。『Voodoo』は今でも革新的で先進的、そして挑戦的な作品として存在する。ディアンジェロがそれを超えるのに14年かかるなんて誰が想像しただろうか? クエストラブが適切に説明している。「作品がないのに誰かの才能について騒ぐことはできないよね? だけどその一方で、最後に彼が作ったアルバムがあまりにもすごくて、それが10年も持続したとも言える」



DAngelo-Voodoo

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