ディズニー・チャンネル出身のポップ・シンガーたちベスト10

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Photos: Disney (Miley Cyrus), Hollywood Records (Demi Lovato, Zendaya, Hilary Duff)

1955年の番組スタート以来、『ミッキーマウス・クラブ』はほぼ全世代において、子役スターからティーン・アイドルへの転身を後押ししてきた。だが、実際に現代音楽シーンに影響を与えるメディアになったのは、ディズニー・チャンネルが人気を集め、『オール・ニュー・ミッキーマウス・クラブ』がTV放映され始めてからのことだった。

マウスケティアーズ(Mouseketeers=『ミッキーマウス・クラブ』のレギュラー出演者。ミッキーマウスの“Mouse”と、「愉快な仲間たち」を意味する“Musketeers”を掛け合わせたもの)の初代から2000年代のスターたちまで、ディズニー・チャンネル出身のシンガーたちは、これまでに何千万枚ものアルバムを売り上げ、30代になってからも尚、圧倒的人気に支えられポップ・スターダムに君臨し続けてきた。

かつてのマウスケティアーズの多くが、そのキャリアにおいてカムバックを果たしている現在、ディズニー・チャンネル出身スターからポップ・シンガーへと華麗なる転身を遂げた歴代のベスト10アーティストをご紹介しよう。

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10. ヴァネッサ・ハジェンズ

現在も女優兼シンガーとして活動する彼女は、おそらくこの先もずっとディズニー・チャンネルの『ハイスクール・ミュージカル』でブレイクした役名で呼ばれることになるだろうが、それでもヴァネッサ・ハジェンズは番組卒業後もキャリアを継続できることを証明してみせた。

ディズニー・ファミリーに加わる以前、インディーズ映画界で女優としてのキャリアを模索していた彼女は、『ハイスクール・ミュージカル』への出演により大きく軌道変更し、レコード契約と多数のディズニー番組への出演、そして『ハイスクール・ミュージカル2』での主演も手にすることになる。2006年、彼女はアルバム『V』でレコード・デビューを果たし、ゴールド・ディスクを獲得した同アルバムからは「Say OK」というヒット・シングルも生まれている。

ヴァネッサ・ハジェンズはその後も2008年に、ソウルフルでポップなアルバム『Identified』をリリースし、同年『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』にも出演した。その後5年間、彼女は女優業に専念し、Foxで放映されたTV映画『グリース・ライブ!』ではリゾ役で批評家たちから高い評価を得た。近年では、カナダ人シンガーソングライターのショーン・フックとのデュエット「Reminding Me」やロサンゼルスを拠点に活動するエレクトロ・デュオのファントムズとのコラボ曲「Lay With Me」で再びチャートを賑わせている。

 

9. ゼンデイヤ

14歳でTVシリーズ『シェキラ!』でデビューを飾って以来、ゼンデイヤはディズニー・チャンネルのスターが“イット・ガール / it girl”へと転身を遂げるためのシナリオをすっかり書き換えてしまった。

『ティーン・スパイ K.C.』でティーンの天才数学少女兼空手の達人というスパイの役を演じた彼女は、全米の女の子たちのロール・モデルとなり、さらに巧みな契約交渉が実を結び、16歳にしてプロデューサーの地位を手にする。『ティーン・スパイ K.C.』への出演と並行して、ゼンデイヤはミュージカルでもデビューを果たし、2011年にはその舞台で自身が歌った「Watch Me」や「Swag It Out」他、数曲をシングルとしてリリースした。2013年、彼女は高校に通いながら、自らの名前を冠したデビュー・アルバムを発表し、今作からのシングル「Replay」をロングヒットさせた他、ダンスコンペティションTVシリーズ“ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ”に最年少で出演を果たした。

ハリウッド映画『スパイダーマン』と『グレイテスト・ショーマン』の両方で主役級の役どころを演じている彼女は、ディズニー・チャンネルにもレギュラー出演しながら活躍を続けた数少ないスターのひとりである。最近ではHBO製作の思春期を迎えた若者の危うさや儚さを描いたドラマ・シリーズ『ユーフォリア』でも新境地を切り開いた。

 

8. ジョナス・ブラザーズ

ディズニーへの出演がきっかけとなり、ジョー、ケヴィン、ニックのジョナス・ブラザーズは地元ニュージャージーで活動していたファミリー・バンドから、一躍ティーン・アイドルへと転身を遂げた。お茶の間でお馴染みの存在となる以前の2006年、彼らはポップ・パンク・アンセムを詰め込んだデビュー・アルバム『It’s About Time』をリリースしていた。

それから程なくして、『キャンプ・ロック』への出演と自身のオリジナルTVシリーズ『ジョナス(J.O.N.A.S)』、そして様々なコンサート・フィルムのリリースにより、彼らはTVを通じて瞬く間に熱狂的なファン層を獲得する。2007年のアルバム『Jonas Brothers』のリリースを機にサポートアクトからヘッドライナーへと駆け上がり、全米チャートで初登場5位を記録した今作によって、彼らは2000年代中期における最も人気のボーイ・バンドとして、その地位を確固たるものにした。

ジョナス・ブラザーズとして4作のスタジオ・アルバムを発表後、ジョーとニック・ジョナスは新境地へと踏み出すこととなる。ニックは2010年に新バンド、ニック・ジョナス&ザ・アドミニストレーションを結成し、ジョーは2011年にソロ・アルバム『Fastlife』をリリース。ニックは続くソロ・アルバム『Nick Jonas』(2014年) と『Last Year Was Complicated』(2016年)でゴールド・ディスクを獲得し、ミュージカルドラマ『SMASH』や『スクリーム・クイーンズ』等で俳優としても高い評価を獲得する。一方ジョーは、ファンク・ポップ・グループ、DNCE(ディー・エヌ・シー・イー)でフロントマンを務めた。

2019年、ジョナス・ブラザーズは5作目のスタジオ・アルバム『Happiness Begins』で堂々たる再結成を果たし、彼らにとって3作目の全米No.1アルバムとなった今作は、2009年にリリースした前作から10年というブランクを感じさせないほどの、彼らの人気の健在ぶりを証明した。

 

7. ヒラリー・ダフ

人気ドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』以前にも、全米のティーンのハートを釘付けにしたもうひとりの愛すべき女の子がいた。リジー・マグワイアこと、本名ヒラリー・ダフである。彼女の役名をそのままタイトルにしたディズニーのTVドラマで主演を務めたヒラリー・ダフは同番組の顔となり、ランチボックスから寝具まで、ありとあらゆるグッズに彼女の姿が刷り込まれた。

デビューから一年後、彼女は映画『リジー・マグワイア・ムービー』で演じたポップ・スター役で、歌手としての才能を発揮するチャンスを獲得する。同映画でフィーチャーされたデビュー・シングル「Why Not」を契機に、歌手としての活動をスタートさせた。

デビュー作となったのはクリスマス・アルバム『Santa Claus Lane』だったが、続く2003年の『Metamorphosis』が大ヒットしたことで、ヒラリー・ダフは完全にディズニーのペルソナを脱ぎ捨てた。同アルバムは全米アルバム・チャートで最高2位を記録し、「So Yesterday」、「Come Clean」、「Sixteen」等、彼女にとって生涯の代表作に挙げられるであろうヒット・シングルを連発。デビュー以降、この女優兼シンガーは5作のスタジオ・アルバムをリリースし、お馴染みのスウィートなポップ・ロックから、『Dignity』(2007年)や『Sparks』(2015年)での、ダンスフロアを埋め尽くすエレクトロ・ポップまで、様々な音楽性を網羅してきた。

2020年初頭、ヒラリー・ダフはプロデューサーのRACと彼女の夫であるマシュー・コーマと組んで、サード・アイ・ブラインドの「Never Let You Go」のカヴァーを新曲としてリリースした。これは彼女たち夫婦による初のコラボレーション作品で、ヒラリー・ダフにとっては約4年ぶりの新曲となる。

 

6. セレーナ・ゴメス

元スター子役のセレーナ・ゴメスは、15歳でディズニー・チャンネルの次世代スターたちの仲間入りを果たす以前に、既にその演技で数多くの実績と評価を積み上げていた。様々なティーン向けTV番組へのゲスト出演を重ねるうちに、彼女はコメディ・シリーズ『ウェイバリー通りのウィザードたち』のメイン・キャスト役を獲得する。

同ドラマのテーマ曲をレコーディングした後、ディズニーは彼女の歌手デビューを後押しし、2009年にはデビュー・アルバム『Kiss & Tell』をリリース。ディズニーのソロ・スターの常識を打ち破り、よりロックン・ロールな路線を選んだ彼女は、セレーナ・ゴメス&ザ・シーンという自らのバンドを結成し、ポップ・ロック・アルバムをヒットさせる。その後、数作のゴールド・ディスクと映画出演などを経て、セレーナ・ゴメスは満を持して2013年にR&BやEDM、ダブステップを融合したアルバム『Stars Dance』でソロ・アーティストとしての道を切り開いた。

カイゴ(「It Ain’t Me」)やマシュメロ(「Wolves」)らとのコラボレーションでクラブ・チャートの常連となった彼女だったが、真の意味で本領を発揮するようになった作品は、自らソングライターやプロデューサーも務め、彼女の持ち味である脆さや傷つきやすさがそのまま曲に反映された2015年のアルバム『Revival』だろう。その後も「Bad Liar」や「Back To You」といったシングルを次々とヒットさせ、彼女が真摯に音楽と向き合った最新アルバム『Rare』は全米No.1を獲得し、批評家からも絶賛された。

 

5. デミ・ロヴァート

子役スターが必ずしも皆パワフルな声帯に恵まれているわけではないが、デミ・ロヴァートはいとも容易くその力強い歌声を響かせる。TV映画『キャンプ・ロック』でのブレイク以降、彼女は現在もディズニーきっての稼ぎ頭のひとりであり続け、絶えずポップの方式の試行錯誤を繰り返しながら、まるで武器のような精確さでそのヴォーカルを解き放ってみせるのだ。

デミ・ロヴァートが若きポップ・センセーションから大人のポップ・アイコンへと変身を遂げる間に、決して苦労がなかったわけではないが、その苦闘や努力を包み隠さずストレートに伝える徹底した率直さゆえに、彼女は若いファンたちからロール・モデルとして愛され続け、「Skyscraper」のような聴き手を勇気づける楽曲ではその葛藤をもはやアートの域まで昇華することに成功していると言える。

これまでの6作のスタジオ・アルバムを制作する過程で、彼女の音楽性はバブルガム・ポップからR&Bアンセムへと成長を遂げ、「Sorry Not Sorry」では全米シングル・チャート6位と、上位に食い込めるだけの訴求力を持つようになった。

2017年にリリースされたアルバム『Tell Me You Love Me』は、女性が主導権を握るポップ・ミュージックはもはや死に絶えたと評した批評家たちに対する彼女なりの反論とも言える新たな名作だ。そして2020年、彼女はグラミー賞授賞式で披露した新曲「Anyone」の感動的なパフォーマンスによって見事復活を果たし、続く「I Love Me」でも確実に支持を広げつつある。

 

4. クリスティーナ・アギレラ

2000年代のティーン・ポップ・エクスプロージョンの産物であるクリスティーナ・アギレラは、ブリトニー・スピアーズやジャスティン・ティンバーレイクと共に、人気TV番組『ミッキーマウス・クラブ』でデビューを飾り、1999年には「Genie In A Bottle」、「What A Girl Wants」、そして「Come On Over」といった勢いに乗ったポップ・ヒットでチャートを席巻した。

デビュー・シングル「Reflection」は、1998年のディズニーのアニメーション映画『ムーラン』でフィーチャーされ、当時17歳とは思えない驚異の歌唱力を世界に知らしめることとなった。クリスティーナ・アギレラは、デビュー作や2作目の『Stripped』において、「Dirrty」などのヒット曲でより官能的な一面を披露し、ヴォーカリストとして、その圧倒的なパワーと音域の広さで他の追随を許さない存在となった。昔から一貫して野心的な彼女は、絶えず変化を好むカメレオンのようだ。数オクターヴを軽々とまたぐアンセムから、男尊女卑に対する音楽を介した痛快な反撃まで、何をするにも彼女なりのスタイルで、歌の世界では向かうところ敵なしである。

 

3. ジャスティン・ティンバーレイク

ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラと並んで、ジャスティン・ティンバーレイクもまた2000年世代におけるポップ・ミュージシャンの代表格だ。『ミッキーマウス・クラブ』出身メンバーである彼は、ボーイズ・グループのイン・シンクでティーンの憧れの的だったところから、人々が「Cry Me A River」と言い終わるより早く、ソロ・アーティストとしてシーンをリードするトップスターへと駆け上がった。

実のところイン・シンク在籍時から、ジャスティン・ティンバーレイクとその代名詞のようなファルセットは、グループをR&B界へと進出させた原動力であり、シングル「SexyBack」時代と、立て続けにスマッシュ・ヒットを記録したデビューから2作目のアルバムのための舞台は整っていたのである。

ザ・ネプチューンズやティンバランドの助けを借りて生まれた、ジャスティン・ティンバーレイクによる洗練されたR&Bとポップなフックの融合は、その後10年以上にわたって数々の全米No.1シングルとプラチナ・ディスクに輝くアルバムを輩出し、彼の価値をますます高めていった。

多くのディズニー・チャンネル出身のスターたち同様に、彼もまた先頃リリースしたアルバム『Man Of The Woods』で自身のルーツに立ち戻っているが、数え切れないほどのサウンドトラックで彼のキラキラポップな楽曲にいまも出会うことができる。

 

2. マイリー・サイラス

思春期の大半を親しみやすい清純派のロック・スター、ハンナ・モンタナとして過ごしたマイリー・サイラスは、2013年になると自身のかつての分身を、建物解体用の鉄球(wrecking ball)で文字通り徹底的に破壊し、その名も『Bangerz』という画期的アルバムで破天荒なソロ・アーティストとしての姿を全世界に向けてお披露目した。

歴代ディズニー番組の中でも屈指の成功を収めた『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』で、2006年に初々しい主人公ハンナ・モンタナ役を演じてキャリアを築いたマイリー・サイラスだったが、MTVビデオ・ミュージック・アウォードの授賞式で挑発的なトゥワーク(腰を落として足を広げるセクシーなダンス)のパフォーマンスに打って出ると、最新アルバム『Younger Now』では本来の真摯なシンガーソングライターへと回帰している。

人気商売の世界においてはキャラクターの再構築自体は珍しいことではないが、マイリー・サイラスは既に自分の年齢の倍程度上のベテラン・ミュージシャンたちをも凌ぐチャートでの成功とサウンドの変遷を経験済みなのだ。何度でもその成功を繰り返すに足る確かなヴォーカル技術と人々を魅了してやまない天性のパーソナリティの持ち主である彼女は、単なるまぐれで人気者になったわけではないことを自らの力で証明している。

 

1. ブリトニー・スピアーズ

ブリトニー・スピアーズは単なるポップ・スターではなく、カルチャーにおけるひとつの現象である。『ミッキーマウス・クラブ』のメンバーから、人気のティーン・アイドルへ、そしてアメリカ随一の売り上げを誇る世界的アーティストへと劇的な変貌を遂げていった。

わずか16歳でリリースし、世界制覇を果たしたNo.1シングル「… Baby One More Time」は、ティーンとアダルトを隔てるポップの境界線を曖昧にし、翌年リリースした同名のデビュー・アルバムはたった1年で1000万枚を売り上げた。このマックス・マーティンが手掛けたシングルを足掛かりに、彼女は史上最も成功したポップ・ディーヴァのひとりとなり、彼女の歌・ダンス・挑発的なステージ・パフォーマンスというパッケージは、後に続く若い後輩アーティストたちが目指すべき金字塔となった。

彼女のローリング・ストーン誌の表紙号は、永遠に人々の記憶に焼き付けられ、過去9作のスタジオ・アルバムから次々に放ったヒット曲も同様である。私生活では荒波に揉まれつつも、彼女は現在までアーティストとして感服に値する息の長い活動を続けており、ラスベガスのレジデンシー公演で掲げられている苗字抜きの、名前のみの出演者の看板こそが究極の成功の証だ。

Written By Laura Stavropoulos


2022年期待のディズニー・チャンネル出身シンガー

©Hollywood Records, Inc.

ソフィア・カーソン『Sofia Carson』
2022年3月25日発売
国内盤CD2022年4月6日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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