大ヒットを記録したマーサ&ザ・ヴァンデラス第3弾シングル「Quicksand」

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1963年は、マーサ&ザ・ヴァンデラスが一躍大スターになった年だ。この年の春には、デビュー曲「Come And Get These Memories」がいきなりR&Bチャートのトップ10に入る大ヒット。続く第2弾シングルとなった名曲「Heat Wave」はさらに上を行き、R&Bチャート1位、ポップ・チャート4位という好成績を挙げる。そして11月30日、ホーランド/ドジャー/ホーランドというソングライター・チームはまたもや魔法の技を披露した。第3弾シングル「Quicksand」も、やはり大ヒットとなったのである。

 

ブライアン・ホーランドとラモン・ドジャーがプロデュースを担当この曲は「Heat Wave」とよく似ていた。とはいえ、マーサ&ザ・ヴァンデラスの初期作品には実に魅惑的な雰囲気があったので、世の中の音楽ファンは前作と似た曲であっても飛びついた。「こういう風にあなたを愛するのは危うい/でもあなたの腕から離れられない」とマーサが歌うこの曲では、ヴァンデラスとアンダンテスの両方がバック・コーラスを担当している。この曲は11月初頭にモータウンのゴーディ・レーベルから発売された。

しかしこのレーベルのボス、ベリー・ゴーディは例によって細部まで注意を払う人間だった。初回プレスは発売数日で回収になり、よりシャープなミックスのセカンド・プレスが店頭に並んだのだ。

モータウンのスタジオ・バンド、ファンク・ブラザーズ(ベースのジェームズ・ジェマーソン、ドラムスのベニー・ベンジャミン、ギターのロバート・ホワイト、パーカッション/ヴィブラフォンのジャック・アシュフォード)は例によって確かな演奏で土台を固め、このゴスペル・ソウルの曲は見事な出来映えになった。こうしてマーサ&ザ・ヴァンデラスは、モータウンを代表する人気グループへと猛スピードで成長しつつあった。

「Quicksand」はポップ・チャートに11月23日に初登場した。しかしその翌週から、ビルボード誌はR&Bチャートの掲載を14カ月に渡って中止してしまう。とはいえ、ライバル誌のキャッシュボックスの「R&Bチャート・トップ50」には「Quicksand」がランク入りしている。そちらでは最高7位を記録。またポップ・チャートでは最高8位という成績を残している。

Written By Paul Sexton


マーサ&ザ・ヴァンデラス『The Definitive Collection』


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