最高のハードコア・パンク・バンド10選【動画付】

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Photo: Erica Echenberg/Redferns

パンクは「既存体制を破壊する」という使命を成し遂げることこそ出来なかったが、80年代初期から中期にかけての北アメリカでは、パンクの過激さとスピードと政治色をさらに増したハードコアと呼ばれるサブジャンルが生まれた。

本記事では、そのサウンドや怒りの感情、そしてDIY精神にてスラッシュ・メタルやオルタナティヴ・ロック、エモなどの新たなジャンルに影響を与えたハードコア・パンク・バンドの10選を紹介しよう。

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1. Misfits /ミスフィッツ

ニュージャージー出身のミスフィッツは、スラッシュ・メタルの先駆けといえる高速なテンポと、ホラー映画の要素を取り入れた歌詞や装いが特徴のグループだ。1982年のデビュー・アルバム『Walk Among Us』は、図らずも後にホラー・コアというまた別のサブジャンルを生み出した。

 

2. Germs / ジャームス

ジャームスは故ジャン・ポール・ビーハム (ダービー・クラッシュの名で知られる) と、後にニルヴァーナとフー・ファイターズでギタリストを務めるパット・スメアが率いたバンドだ。1977年7月にこのグループがリリースした「Forming」は、ロサンゼルスで初めて自主制作されたパンク・シングルだった。

 

3. Bad Religion / バッド・レリジョン

パンクの原則に背くように、バッド・レリジョンはその音楽にコーラス・ワークとギター・ソロ (的なパート) を取り入れた。だが、カリフォルニア出身の同グループによる1982年のデビュー・アルバム『How Could Hell Be Any Worse?』は、今聴いても雷鳴が轟くような衝撃的な作品だ

 

4.  The Minutemen / ミニットメン

カリフォルニア出身のトリオであるミニットメンの音楽は、様々な要素を取り入れた奇抜なパンク・ポップといえるものだ。そのサウンドは今で言うところの”オルタナティヴ・ロック”に多大な影響を及ぼした。彼らの3rdアルバム『Double Nickels On The Dime』は、今なお色褪せることのない必聴の名盤だ。

 

5. Hüsker Dü / ハスカー・ドゥ

ミネアポリス出身の3人組、ハスカー・ドゥは、ボブ・モールドとグラント・ハートという一流のシンガー・ソングライターをふたりも擁していた。彼らは後年にワーナー・ブラザースと契約を結ぶことになるが、荒々しいサウンドのデビュー・アルバム『Land Speed Record』 (1981年発売) は、現在でもハードコアの代表作としてその評価を維持し続けている。

 

6. Circle Jerks / サークル・ジャークス

ロサンゼルスを代表する4人組ハードコア・パンク・バンド、サークル・ジャークスは、ブラック・フラッグのボーカリストだったキース・モリスにより結成されたバンドだ。彼らが1980年にリリースしたデビュー・アルバム『Group Sex』には、全14曲が収録されているものの、アルバム全体の尺は16分ほどでしかない。いかに凄まじい勢いの作品かわかろうというものだ。

 

7. Bad Brains / バッド・ブレインズ

リード・ヴォーカルのH.R. (エイチ・アール) 率いるバッド・ブレインズは、ワシントンD.C.を拠点に活動したグループだ。4人のメンバー全員がアフリカ系アメリカ人で、精神的なルーツであるレゲエとスピーディーなパンク・ロックを融合させたサウンドを特徴とする。彼らのデビュー・シングル「Pay To Cum」は今聴いてもとてつもなく扇動的だ。

 

8. Minor Threat / マイナー・スレット

同じくワシントンD.C.出身のマイナー・スレットを率いたのは、後にフガジを結成し、ディスコード・レコードのオーナーにもなったイアン・マッケイだ。アンチ・アルコール、アンチ・タバコ、アンチ・ドラッグを訴えるアンセム「Straight Edge」は、それ自体が全く新しい哲学だった。

 

9. Black Flag / ブラック・フラッグ

主要メンバーにギタリストのグレッグ・ギンとボーカルのヘンリー・ロリンズを擁する南カリフォルニアの草分け的ハードコア・バンド、ブラック・フラッグ。1981年の『Damaged』を筆頭に、ニヒルな名作の数々を生み出した。

 

10. Dead Kennedys / デッド・ケネディーズ

デッド・ケネディーズは70年代後半にサンフランシスコで結成され、様々な物議を醸したグループだ。彼らのカタログは唯一無二といえるもので、シングル「Holiday In Cambodia」も、『Plastic Surgery Disasters』に代表される一連のアルバムとも、いずれも色褪せることのない作品ばかりだ。

 

今回のリストに入りきらなかった重要なハードコア・パンク・バンドもいくつも存在するはずだ。ニューヨークのハードコア・シーンを牽引したアグノスティック・フロントやクロ・マグスはその一例。またDビートのパイオニアであるディスチャージやネガティブ・アプローチ、ユース・ブリゲイドなど、挙げはじめればきりがない。是非あなたの考える最高のハード・コア・パンク・バンド10組を、下のコメント欄を通じて知らせてほしい。

Written By uDiscover Team



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