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“指示カード”によって方針づけられたブライアン・イーノ『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』

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ソロ・デビュー・アルバム『Here Come The Warm Jets』のわずか10ケ月後、ブライアン・イーノは革新的なセカンド・アルバム『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』を発表し、ロック界で最も型破りな人物の一人としてのポジションを固めた。1974年11月にアイランド・レコーズから発表された『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』のタイトルは、1966年から1976年にかけて起こった文化大革命の間に上演を許された8つの“模範劇”の一つである京劇を描いた絵葉書セットから取られた。実際、このアルバムの歌詞には何度も中国の参照が出てくるため、多くの人達が、本作をコンセプト・アルバムであると推測している。事実かどうかは定かではないが。

Brian Eno – Half Speed Masters

Brian Eno - Half Speed Masters

 

このアルバム制作の中心にあったのは、イーノと彼の友人で、『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』のアートワークを担当したアーティストのピーター・シュミットが描いた“指示カード”の“オブリーク・ストラテジーズ(斜め戦略)”という方針だ。このカードは、その後何年も、イーノがまるで占い師に頼るように定期的に人生の指針としていたもので、レコーディングとプロダクションの慣例を覆して、ミュージシャンやプロデューサー、エンジニアの新しい思考の道をインスパイアするという意図があった。

この指示カードの中には、「より良い判断に逆らって仕事をするよう頼め」、「楽器のルールを変えろ」、「お前の最低の衝動に従ってみろ」など、非常に挑戦的なものもあったが、その他の指示カードはふざけているかのように、他の指示カードと矛盾している(「クリシェを怖がるな」、「沈黙を破るな」、「全てのビートを何かで埋めろ」など)。そして「首のマッサージをしてもらえ」、「片付けろ」、「もっと深呼吸しろ」など、明らかに東洋医学的なことを指示するカードもあった。

振り返って考えると、このカードが与えてくれる新鮮な方法論の成果が、流暢で遊び心のある『Here Come The Warm Jets』と、その後に続く、より哀愁を感じる作品群の架け橋を表すアルバムだったのだ。ロキシー・ミュージックでバンドメイトだったギタリストのフィル・マンザネラ、そして元ソフト・マシーンのヴォーカル/ドラマーのロバート・ワイアットが、堅実なスタジオ・セッションでのインプットを基に作られたアルバムの主要コラボレーターであったが、印象深いゲストも他に何人か参加している。

不吉な子守歌「Put A Straw Under Baby」には、ザ・ポーツマス・シンフォニアによる不穏なストリングスが入っており、「Mother Whale Eyeless」ではフィル・コリンズがドラムを叩き、「The Fat Lady Of Limbourg」のスタッカートのサックスは、イーノのもう一人の元バンドメイト、アンディ・マッケイが演奏している。

Some say ‘Taking Tiger Mountain’ was inspired by a Peking opera, though this photo suggests otherwise… Photo: Ian Dickson (www.late20thcenturyboy.com)

『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』はランダムな展開を増やした作品だが、歌詞の面では意味よりサウンドを重視したというイーノの主張は、少々不正確である。このアルバムの曲は明らかに暗示的だが、物語の筋道は背後に静かに映し出されている。虚ろで不気味な「The Great Pretender」は、皮肉にもロボット的で卑屈な主婦がマシーンにレイプされる悩みに触れている(「冗談はさておき、機械的な嫁は偉大なプリテンダーの餌食になった」という歌詞がある)。一方、慎重かつ意図的な「The Fat Lady Of Limbourg」は、周囲の住民よりも多くの人々が収容されているベルギーの精神病院にインスピレーションを得ている。そして「Burning Airlines Give You So Much More」は、不明瞭な中国語と日本語の空想のように、1974年3月に起こったトルコ航空981便の墜落事故を想起させる(「遠くのキャセイ・パシフィック航空に乗って、彼女はどう生き延びるつもりなんだ? なぜか僕は、彼女が一日中、稲を植えている姿を想像できない」)。

タイプライターのリズムをベースにした「China My China」がアンビバレントな讃歌を表現している一方で、「Mother Whale Eyeless」は十分直接的な曲で、シングルの候補にはなったかもしれないが、特徴として難解な歌詞が入っていたためシングルにはならなかった(「空にパイ屋が浮かんでいる」)。

『Taking Tigher Mountain』の魅力を端的にまとめると、このアルバムはエキセントリックさを自由に満喫しているものの、イーノのポップソングを理解する生来の優れた耳と、新奇だが騒々しいフック、自然な曲構成は、完全なバランスを保っているのだ。

Written By Oregano Rathbone


ブライアン・イーノ『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』

   


ブライアン・イーノ最新作『Music For Installations』

  


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