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オーティス・レディングの2作目『The Great Otis Redding Sings Soul Ballads』

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1960年代中頃で最も強気な男であったが、同時にオーティス・レディングは涙もろく懇願する男としても知られていた。スタックスの判断の基、オーティス・レディングのセカンド・アルバムはバラード作品にすることが決められた。そして、気付かないわけはないが、念のため“ソウル”という言葉をタイトル『The Great Otis Redding Sings Soul Ballads』に付け加えた。すでにスターの地位を手に入れていたオーティス・レディングのファンたちは、彼なら保険証券についてでさえをもソウルを込めながら歌えることを知っていた。そして1965年、彼は裏切らなかった。

アルバムに収録されている12曲は殆どスローなバラードであるが、それだけではない。その殆どをオーティス・レディング自身が書いている。「A Woman, A Lover, A Friend」とデルバート・マクリントンの「Your Arms Around Me」の2曲は少しだけ陳腐であったが、オーティス・レディングはまるで彼が初めて歌うかのように歌うので、そんな気持ちも吹っ飛んでしまう。

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彼のパフォーマンスはいつでも完璧である。歌っている時の彼にとって何よりも大切なのは歌であり、それはリスナーたちにも当てはまる、オーティス・レディングはその声で聴いた者を夢中にさせるのだ。『The Great Otis Redding Sings Soul Ballads』のファースト・トラック「That’s How Strong My Love Is」から最終トラック「Mr. Pitiful」まで、彼の不屈のソウルを感じることができる。ヒット曲「Mr. Pitiful」は、その切り刻むようなファンキー・グルーヴよりも、そのリリックでバラードとして扱われている。

アルバム半ばに収録されているインプレッションズの「For Your Precious Love」をオーティスレディングは自分のものにしている。感傷的なサム・クックの「Nothing Can Change This Love」は余儀なく離れることについて歌った曲で、1960年代にベトナム戦争により離れ離れになった多くのカップルの心と共鳴した。そして恋人を失った後悔を歌う「It’s Too Late」も収録されている。このチック・ウィリスのカヴァーでは、最初に息を呑む様子が聞こえる。まるでその苦悩が彼の心から直接伝わってくるようだ。

『The Great Otis Redding Sings Soul Ballads』は名作である。だからこそ6ヶ月後の1965年9月にどういうわけか『Otis Blue』と共にトップにランクインされ、アルバムに影を投げかけられてしまったことは少しだけ不運だ。そのようにアルバム が6ヶ月の間に2枚発売されるなんてどういうことだ?  今だったら決してレーベルがそんなことを許さない。当時のオーティス・レディングの勢いは誰にも止められなかった。オーティス・レディングのセカンド・アルバムを“素晴らしい傑作”と呼ぶには早過ぎると言う人がもしいるとしたら『The Great Otis Redding Sings Soul Ballads』を聴けば納得するだろう。確かに素晴らしい作品なのだ。

Written By Ian McCann


<ソウルの伝説オーティス・レディング・フォーエヴァー>

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