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2021年最大の新人、オリヴィア・ロドリゴがApple Musicで語った影響を受けた音楽や親との関係

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Photo Credit: Stefan Kohli

2021年1月に発売したデビュー・シングル「drivers license」が記録的ヒットとなり、5月21日にはデビュー・アルバム『SOUR』が発売となるオリヴィア・ロドリゴ(Olivia Rodrigo)。そんな彼女が先日、人気DJであるゼイン・ロウが司会のApple Musicの番組「The Zane Lowe Show」に出演しました。

Apple Musicで公開された彼女自身が選曲したプレイリストの楽曲や、彼女が影響をうけたアーティスト、両親との関係などを語ったインタビューの模様を抜粋してお届けします。

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影響を受けた音楽

ゼインまずあなたがどのようにして(今の音楽性を)を見出したのかについてお伺いしましょうか。エラスティカからスマッシング・パンプキンズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを経て、タニヤ・タッカーやキャロル・キングに至るまで、あなたの音楽の好みは本当に幅広いけど、あなたの人生や、いち音楽ファンとして、最初に音楽を知ったのはいつなのか、また最初のインスピレーションは何だったのかなどについて教えてください。

オリヴィア私が11歳か12歳の頃、祖母がアーバン・アウトフィッターズでおもちゃみたいなレコード・プレーヤーを買ってきてくれたんです。それから母と私はグッドウィル(リサイクルショップ)に行って、気に入ったレコードを買ってきて、そのレコード・プレーヤーで聴くようになりました。そんな風にしてリサイクルショップで手に入れたタニヤ・タッカーのベスト盤とキャロル・キングの『Tapestry(つづれおり)』の2枚のアルバムを四六時中聴いてました。二つとも凄い名盤ですよね。その二つとも、母が私が気に入るだろうと思って、リサイクルショップで買ってきてくれたアルバムでした。

ゼインそれこそが全ての始まり、出発点だったんですね。

オリヴィアその通りです。この2人は女性ソングライターの2大頂点ですよね。私はタニヤ・タッカーに夢中で、彼女のリリシズム(叙情詩調)やメロディが大好きなんです。彼女たちのレコードを聴く中で、ソングライティングについて学んだんだと思います。それに彼女たちに初めて出会ったのがアナログ・レコードだったというのも、すごいクールで特別なことだったなぁって思ってます。私は(デジタルではなく)フィジカルで聴く音楽が大好きで、できる限りそうしたいですし、iPhoneの画面でただ見ているだけよりも、なんだが音楽をずっと特別なものにしてくれるように感じるんです。

ゼイン僕にとってもそうです。最近はまた、ソーシャル・ディスタンスを守った安全な方法で、友人の家に遊びに行くようなったんだけど、毎週やっていることのひとつがレコードを聴くことなんです。アナログ・レコード限定ナイト、本当に最高なんだ。

オリヴィア最高ですね!

ゼインそうなんだよ!…あなたは今でも、レコードを所有したり集めたいってという願望を持っている?

オリヴィアもちろん! レコードを集めるのもレコードショップで買うのも大好き。アメーバなどに行くと、とにかく大量のレコードがあって、普段出会えないような音楽を発見できますよね。最近、運転免許証(driver’s license)を取ったので、車を運転していくんですけど。

ゼイン世界中の人がそのことを知っていると思うよ、オリヴィア。

オリヴィアええ、そうですよね(笑)。私は、運転免許証(driver’s license)を取得するための広告塔みたいなもの、変な気分(笑)

ゼインそして自動車管理局が「1日で200万円稼げる仕事はどうですか?」ってあなたに電話をかけてくるんだよね?

オリヴィアまさに…それ!(笑)。 車の中ではCDを再生することができるので、フィジカルの音楽を日常生活に取り入れることができる、(自分にとって)新しい楽しみ方ですね。

 

テイラー・スウィフトからの影響

ゼインテイラー・スウィフトはひとりのアーティストとして夢を実現し、野心を抱き、そしてあなたにインスピレーションを与えてきた、あなたの人生にとって大きな影響をもつ人物ですよね。僕はこれまでに数え切れないほどのアーティストたちにインタビューしてきたけど、彼らは誰かからインスピレーションを得ることと、そのインスピレーションを与えてくれた人物に自分の姿を映し出すこととの間に接点を見つけ、結果としてその人物を自分の近くに引き寄せるという魔法のような瞬間を迎えるんです。そして今や、あなたとテイラーは知り合いになった。それは偶然じゃなくて、あなたがテイラーからのインスピレーションを自分自身に反映しているからで、テイラーはあなたの中にいる自分に気づいてると思うんです。

オリヴィア私はテイラーの中にいる自分の姿を見ながら育ってきたので、それを聞いて泣きそうです。彼女の曲って自分だけでは処理できないありとあらゆる感情を理解する手助けをしてくれるんです。彼女のことはひとりの人間としても尊敬しています。彼女がこの15年間で、ここまでの偉大なキャリアを築いてきたことは並大抵のことではないと思うし、その間、彼女は健全な意識を保ち、優しさと思いやりを持ち続けてきました。彼女はミュージシャンとしてだけでなく、ひとりの人間としても非常に優れた存在だと思っています。

ゼインそうですね。アルバム『folklore』が発売されたとき、あなたはどうかわかりませんが、僕はあんなアルバムを待ち望んでいたと確信したんです。僕がそれを言ったら、一部のテイラーファンは「やめて、それには触れないで」と言うんだよ。でも、「違う、違う。僕が言いたいのは、彼女は時にはただ庭に座って、アコースティックギターで曲を作り、その…方法を考えるべきだということなんです。なぜなら、彼女はとても…」

オリヴィア今なんて言いました?オーマイガ!

ゼインいや、何も言ってないし、言うわけがないよ!(笑)。 今、あなたはテイラーのファンと僕をトラブルに巻き込もうとしてる! あなたは「ああ、それについて触れるのね。なんて言うの?」って感じだけど、僕はただ、ああいうアルバムを心から待ち望んでいただけなんだ。

オリヴィア(『folklore』は)彼女が最も得意とするところ、最も美しく、インパクトのある方法でストーリーを語っているんです。彼女はパーソナルな作品を書くソングライターであり、その点がとても面白いですよね。そして、私自身もとてもパーソナルなソングライターだと思ってます。私生活からたくさんのインスピレーションを得ています。彼女は『Lover』を作り、幸せな恋愛をしている。彼女は恋愛についての曲をたくさん書いているけど、私もそうなんです。だから私は、「ああ、テイラーは次に何をするんだろう。何を書こうとしているんだろう?」って考えるんです。彼女はこんなにも素晴らしい数々のストーリーを生みだして、自身が経験していないストーリーを、あたかも経験したかのように伝えることができる素晴らしい語り部なんです。それは私にとって、とても刺激的なことでした。ここまでのレベルって、まさに天才的だと思ってます。あんな複雑で鮮やかなストーリーをゼロから作り出すことができるなんて、本当に天才。

ゼイン今現在、彼女のようなタペストリーを織っている人はいないよね。あんな風に織り糸の色を別の角度から入れる人はいないですよ。そしてあなたは、その色がブルーではなく、ターコイズだったことに気づくんです。彼女の音楽は、聴くときの角度や光の当たり方次第でまるで違って見える、それぐらいの巨匠レベルだと思っています。

オリヴィア素敵ですよね。彼女の作ったアルバムはどれもこの先100年は聴かれるだろうと感じる名盤ばかりで、彼女はほんと不滅。

 

曲作りについて

ゼインすごく忙しい時、曲作りとか楽器についてはどう取り組んでますか? 曲作りは鍛錬であり、そこから逃げ出すことはできないとか、どうやって自分自身に言い聞かせてます?

オリヴィア本当にラッキーなことだと思いますが、自分にとって曲作りってやりたくないことや問題を抱えていることからの逃避や気晴らしみたいなものなんです。その一方で曲作りって毎日の積み重ねだし、熱心に取り組まなければならないってこともわかっています。とりわけこの(新型コロナでの)自主隔離生活中にそれに気づかされました。

ゼインなるほど。

オリヴィア隔離生活が始まってすぐの時に、1日で1曲ずつ曲を書いて集中するように自分を追い込んで、それが訓練っぽいなって実感しました。常にひらめきが降りてくるわけではないし、ひらめきがきたとしても…そこからまた…

ゼインひらめきだけに頼ることはできない。

オリヴィアそのひらめきを他の人に聴いてもらえるような作品にするために、努力するしなきゃいけないんですよね。すみません、話がずれてしまいましたね。ご質問は楽器についてでしたねよね。私は…

ゼイン話が脱線するのは実は私の方なんです、知ってた?

オリヴィア知ってます(笑)。私もたくさんの余談をしていますよね。

ゼインこの話がどこまで進んでいるのかわからなくなってしまったね(笑)。

オリヴィアとにかく私は9歳か10歳の時にピアノを習い始めたけど、全然好きにはなれなくて。本当に嫌で、毎回レッスンの前に泣いていました。

ゼインでもやらなければならなかった。

オリヴィア全然練習はしてなかったんですが、親に無理やり2年ほどやらされて…でも今は本当にやっておいて良かったと思っています。

ゼインそうですね。

オリヴィア12歳か13歳くらいの頃、そんな恐ろしいレッスンから学んだものを活かして、自分の音楽を作ることができると気づいたんです。その時に音楽と音楽を演奏することが本当に好きになったんだと思います。私は偉大な音楽家なんかじゃなくて、曲を作れる程度にはコードを弾いてて。音楽について常に新しいことを学んでて、それはとても楽しいことなんです。こういった絶え間ない発見が、ある意味、曲作りの原動力になっていると思ってます。

ゼイン素朴さ、素直さというのは素晴らしいものだよね。楽器を使いこなせるようになった人なら誰しもが、“これが自分のやり方だ”っていう型にはまってしまいがちなので、初心の頃に立ち戻るのはとても重要なことですよ。

オリヴィアこの間、ビリーとフィネアスのインタビューを見ていたのですがとても素晴らしかったんです。「bad guy」では、フィネアスではなく、ビリーが(音楽制作ソフトの)Logicで作ったサンプルを使ってたんだけど、それについてフィネアスは「人が初めて出会ったものに向き合う時、長い間それをやっている人が必ずしも持っていないような、面白くてユニークなアイデアを持っていることがある」って話してたんです。それがとても興味深くて、音楽を演奏することや曲作りにも当てはまることだと思ったんです。実は、今年になってからギターで曲を作り始めたんです。それまではずっとピアノを使ってて、一時期、フィオナ・アップルに夢中になってて、「フィオナ・アップルのようになりたい、すべての曲をジャズ・ピアノで作りたい」と思っていました。でもテイラーを聴いてみると…彼女は、私に似ていると思うこともあって、彼女の昔の作品は全部聴いています。テイラーは決して幅広い音楽の知識を持っているわけではないし、凄まじかったり型破りなコード進行を使っているわけではありません。彼女は、私たちにも馴染みのあるポップ・カントリーのコードを使いつつ、彼女にしかできない曲作りをして、それを自分のものにしているんです。

ゼイン全くその通りですね。

オリヴィア曲に使われてる“マイナー・セブンス”ってコードがどんなコード何なのかを知らなくても、こんなに素晴らしい曲が書けるんだっていうのが私にとって大きなインスピレーションでした。

ゼインいえいえ、あなたがそうしたいと、それを探求したいと思ったことこそが素晴らしいんですよ。つまり、素晴らしい曲作り、時代を超越した曲作りって、慣れ親しんだ場所から生まれる一方で、毎回、見知らぬ領域に踏み込んでいくことでもある。たまに曲をきいてて「このコードは知ってるけど、初めて聴いたような気がする」と思うことがあります。なぜなら、その瞬間のアーティストのレンズを通した体験は唯一無二のだから。そういうものですよね。

オリヴィアそうですね。

 

 

ホールジーからの影響

ゼインつまり、それを突き詰めると、現代ポップス界のアーティストの中で最も好きなトーンを持っているのは誰か?ということになるけど、(ジャスティン・)ビーバーが素晴らしい音色を持っているとするならば、ケイシー(・マスグレイヴス)も本当に素晴らしい音色を持ってるし、ホールジーも素晴らしいですよね。

オリヴィア私はホールジーに夢中なんです! 彼女のアルバム『Manic』を聴いて、私は辛い時期を乗り越えられたんです。彼女は素晴らしいし、彼女のトーンも大好き。彼女はとてもユニークで、彼女の音楽はいつ聴いても「あ、これはホールジー!」ってわかるんです。音楽や曲作りにおいても、たとえ別の人がホールジーの曲を歌っていたとしても、彼女が作った曲だとわかる気がします。

ゼイン同感だね。

オリヴィアこれこそが、偉大なアーティストの証だと思います。私にとっては、ホールジーの曲作りがまさにそうでした。彼女は、誰も曲にはしないようなことについて書いていると思うんです。その点においてカーディ(・B)と似ていますよね。彼女の曲を聴くと「えーこんなことまで歌詞にしちゃうんだ」って思うんです。彼女はスタジオに座って「これを歌にして、それを人々に聴いてもらう」って言ったそうで。

ゼインそうですね。

オリヴィアそれこそが彼女が好きな理由! それとホールジーで確か「929」だったと思いますが「誰もあなたを愛していない、彼らはただあなたの体を求めていて、終わったらB面みたいにされちゃう」っている歌詞があります。私はそれを聞いて衝撃を受けたんです。

ゼインまさにホールジーですね。

オリヴィア最初にそのフレーズを聞いた時「彼女はバーで吐いているんだ」と想像しました。

ゼインこの話を決して台無しにするつもりはないけど、彼女が「You should be sad」で歌う「あなたとの子供を作らなくて本当によかった」という歌詞についてはどうでしょう? 同じように衝撃を受けましたか?

オリヴィア「あなたは私が思ってる程の男の半分にも満たない。あなたとの子供を作らなくて本当によかった」って歌ってますよね。私は、その歌詞に「マジ!」って感銘を受けました。この曲に夢中になってから、私は自分自身がやること全てにおいて、この曲のように正直な気持ちで向き合おうとしています。彼女は本当に素晴らしいです。

 

俳優業とミュージシャンの両立

ゼインオリヴィア・ロドリゴ、今日はあなたとお話しできて本当によかった。残された時間で、もうちょっと曲について掘り下げたいんだけど、あなたが作ってくれたプレイリストを心から楽しませてもらってます。きっと素晴らしいものになると思っていました。最初にあなたとお話をしたとき、私は「ああ、彼女は正真正銘の音楽ファンだ、生粋の音楽ファンなんだ」って思ったんです。では、人生という冒険において、(アーティストとして)曲作りは生涯の志や技術の習得であると自覚しつつ、自分自身の歌声を確立し、アーティストとして新たな音楽を発信し続けること、その一方で自分の大好きな演技や有名テレビ番組への出演といった俳優としての責任も担っているという、現在のバランスについて少しお伺いしましょう。今のところ、その二つのバランスはどうですか?この2つは、理論上は別の生き物ものですよね。

オリヴィア難しくないって言えば嘘になっちゃいますね。時間的な拘束を伴うことも大変なことだと思ってます。どちらもフルタイムでやる仕事ですから。「driver’s license」を作った後、この曲を公開するまでに時間がかかったのは、ミュージックビデオをロサンゼルスで撮影することに拘ってて、その撮影に時間がかかったからっていうのもあるんです。大変だったけど『ハイスクール・ミュージカル』のような番組に出演することで、私の知名度が上がったことにはとても感謝してます。何もかもが当たり前だなんて決して思ってないですね。

ゼインもちろん、そうでしょうね。デビュー・アルバムも発売されますし、この両方のバランスを取り続けていくうちに、今までとは違ったリズムが見えてくるのではないかなとも想像してます。今すぐに両立させるのではなく、自分の成長に合わせて、それぞれの配分をどれくらいにするか選べるようになるでしょうっていうニュアンスでね。あなたの言う通り、今はこの上なく充実していますよね。

オリヴィア本当にそうだと思います。私がこれまで学んできたことのなかで、時間じゃなくてエネルギーを管理していかなければならない、というのがあるんです。時間ではなく、エネルギーの管理。曲作りには、演じることとは別のエネルギーが必要なんです。私はそういったエネルギーにとても敏感で、私が撮影現場にいるのが好きな理由も、他の人から吸収できるエネルギーがあると感じているからです。現に私は自分が創造するものや色々なものに、そのエネルギーを取り入れています。

ゼインなるほど。

オリヴィアとはいえ、それは難しいんですよね。私が今後どのようにその舵取りをしていくかについては皆さんのご想像にお任せします。今のところは音楽モードで、それがすごく心地良いけど。音楽に集中できるのは嬉しいんですが、今後はどうなるかはわかりませんね。

ゼインでは、曲作りのモードのときは、一人の時間のほうが好みですか?

オリヴィア私がこの世で一番好きなのは、部屋でギターを持って一人で過ごすことです。それが私にとっての幸せな場所で、一人で過ごすことに多くの慰めを見出すことができます。優れた創造性の核心は、ちょっとした退屈や刺激不足にあると思うんです。約束が続いたり、これをやらなければならない、あそこに行かなければならないって忙しくしている時は、いいアイデアは浮かばないですし、創造力を発揮する時間が少なくなるような気がします。一人でいることが大好きなので、何をしていても、一人になる時間を作るようにしています。それに私は一人っ子で、中学1年生の時からホームスクールでした。そうやって私は成長してきたので、どんなスケジュールでも、一人になる時間を作るようにしています。

 

ホームスクールと両親との関係

ゼイン子供が一人になりたいといってドアを閉めたり、一人になることを望んだとき時、親としては、本能的に「なんで?? 大丈夫なのかな?」って考えてしまうんだけど、あなたのご両親は、あなたが一人でいることに幸せを感じるんだというアイデンティティを確立していく過程をどんな風に向き合っていましたか? ご両親にとって、あなたが一人で過ごしているのは良いことだと理解し、心配しなくなるまで、少し時間がかかりましたか?

オリヴィアうちの親はほとんど気にしていなかったと思います。私は多くの友人たちに囲まれて育ってきたので、両親はそれを良しとしていたと思います。それに父はセラピストなんですよ。

ゼインそうなんですね。

オリヴィア私の家では一人の時間は昔から受け入れられてきたことで、それに両親はとっても愛すべき人たちで、親友のような存在なんです。私は一人っ子で、一人っ子は両親と仲が良い子が多いんじゃないかなって。私の両親は本当に理解があって、私の作品や私が掴んできた成功を喜んでくれてます。そういう無条件の愛と感謝の気持ちはとても重要だと思っています。両親はいつも私に「あなたのことを誇りに思う、本当に素晴らしい。でも、もしあなたが地元の大学に通って、学生生活を送っていたとしても、同じように誇りに思っていたよ」って言ってくれるんです。だから、そういう無条件の愛と信念を与えてきてくれたからこそ、自分のやりたいことを追求したり、怖がらずに曲を書く勇気が出てきたんだと思います。

ゼイン人間性に精通している親を持つことは素晴らしいことですね。私たち親はみんな、そうなろうと努力しているけど、人間性をよりよく理解することを職業にしたうえで、情熱を傾け、必要に応じて家庭生活の中で、必要に応じてそれを共有することができるなんて素晴らしい。お父さんが一日中仕事モードになってたとしたら、子供として一番いやなことですよね。そうだとしたら「オーケー、わかった。お父さんセラピストだったよね」となりますよね。

オリヴィアそうなんです。

ゼイン言葉にしなくても理解できるというのは、本当に幸せなことです。ビリー・コーガンにはそれがなかったのだと思います。だからこそ、彼はそれを歌にした。

オリヴィアですよね!

ゼインその曲(「Disarm」)についてちょっとお話ししましょうか。

 

 

スマッシング・パンプキンズの「Disarm」

オリヴィアこの曲は、私の一番好きな曲のひとつで、親がスマッシング・パンプキンズを聴いて育ったんですけど、私自身はこの曲の意味を大きくなるまでよくわかりませんでした。母はスマッシング・パンプキンズの大ファンで、彼女の古いスマッシング・パンプキンズのTシャツを私にくれたこともありました。

ゼイン最高だね。

オリヴィアそのTシャツは私の大切な宝物のひとつで、凄い気に入ってます。ずっと彼らを聴いて育ったようなもので、私が幼かった頃に、母がスマッシング・パンプキンズのカセットを持っていたのも覚えていますし、そのカセットを握っていた記憶もあります。最初はまぁまぁ好きかな、くらいだったんですが、10代の頃かな、母がライヴに連れて行ってくれて、そこからすごくハマっちゃって、この曲(Disarm)を何度も何度も聴きました。でもどこか抽象的で、とても詩的な曲なので、その意味はよく理解してませんでした。母はビリー・コーガンの大ファンで、ビリー・コーガンのことなら何でも知っていて、実際に何度も彼と会ったことがあるような、いわゆるおっかけみたいなもので。

ゼインどこかのフェスであなたのお母さんに会ったとして、「あ、この人は私をインタビューしてくれた人、ゼインさん」って紹介してくれたら、僕たちは1時間もスマッシング・パンプキンズのコアな話ができますね(笑)。

オリヴィアですよね。すごく楽しみ。その母があの曲の内容を教えてくれたんだけど、私の頭の中ですべての謎が解けて、聴くのをやめられなくなりました。今まで語られたことのないような話だと思います。わかりますよね?とりわけ、ああいうかたちでは。

ゼイン幼少期のトラウマ、ですよね。誰も幼少期のトラウマをテーマにした曲を作ろうとギターには向かわないですよね。

オリヴィアでもすごく美しくて、大げさな感じが全くしないんです。絶妙にさりげなく美しい曲。私はこの曲にずっと夢中なんです、泣きたくなるほど。

 

デビュー・アルバムは新たな時代の『Jagged Little Pill』

ゼインさて、オリヴィア、そろそろ終わりに近づいてきましたが、ここでいくつか難しい質問をさせていただきます。誤解しないでください。私は根っからの真面目なジャーナリストなんです。

オリヴィアわかりました。

ゼインいえいえ、冗談ですよ、全く違いますから(笑)。自分が何者なのかさっぱりわかりませんが、そうではなくて、アルバムのこと、デビュー・アルバムがどういった内容になるのか、また今年の抱負について少しお伺いさせてください。なぜって、みんながどんな野心的な作品になるのか、今のあなたが言えることを知りたいと思っているからです。どんな構成になるの?

オリヴィア実はとてもワクワクしてるんです、昨日トラックリストの最終決定をしたばかりで。

ゼイン素晴らしいですね。

オリヴィア私がただただ大好きなものは曲作りであり、歌詞をベースにした音楽です。このアルバムは、私の人生を切り取ったような内容になってます。私の人生の中で、悲痛や不安といったものを感じていた時期から多くのインスピレーションを得ました。16歳、17歳、18歳くらいの若者たちは、信じられないほどの喪失感や、理由のない怒りや悲しみを抱いている時期がありますよね。このアルバムは、私が経験した人生におけるその時期を、私なりに解釈したものなんです。私にとっては大きな苦悩だったけど、その点がとても気に入ってます。私が大好きな(アラニス・モリセットの)『Jagged Little Pill』を彷彿とさせますね。

ゼインなんとも驚き!っていうのも先日、4、5曲を先に聴かせてもらった時に「これは新たな“Jagged Little Pill”だ」って思ったんですよ!本当にそうなんですね。このインタビューの最初にそれを言っておけば「この人は信用できるな」と思ってもらえたかもしれませんね(笑)。正直言うと、あなたの新作アルバムは紛れもなく新たな『Jagged Little Pill』であり、最初から最後まで、あなたがどのように受け入れ、向き合い、今までとは違った側から出てくるかについて綴った手書きの原稿のようなものですね。

オリヴィアありがとうございます、とても嬉しいです! そう言ってくださることがどれほど嬉しいのかは、伝わらないですよね、最高の気分ですよ。あー、発売が待ちきれない! 前にもお話ししましたが、私は何に対しても完璧主義なんですが、このアルバムにはとても満足してるんです。完全に確信が持てるなんてことは、滅多にありません。もちろん、何事にも確信が持てるわけではありませんが、今の自分にできるベストだと思っていますし、それを誇りに思ってます。でも1年後には、私のベストが全く違うものになってるかな。それが、10代で音楽を発表することの素晴らしいところですよね。

ゼイン最高にクレイジーだよね。今年の始めに曲が届いて聴いてみると凄くいい曲で、そこで浮かんだ疑問が「この曲って誰が書いたの?」。で、オリヴィア・ロドリゴが書いたことを知って、彼女と話をしてみようって。そしたら大の音楽ファンなんだ!ってなったんです……そしたらあらゆる記録を更新し続けて。それで期待は充分に煽らて「じゃあ次の曲はどんなの?」っていう時に「deja vu」が来て。「すごい。これも全部彼女が書いたんだ。ああ、そうか。彼女がそれだけの才能の持ち主だったんだ」って。

誰もが認識していることだと思うけど、あなたの音楽を聴いていると、これはまだまだ始まったばかりなんだということがわかります。これまでも本当に好きな音楽に出会ったときには「あぁ、これは素晴らしい旅になりそうだ」と感じたことがあります。そんな時は毎回、たくさんの素晴らしい音楽とそれに素晴らしいストーリーを同時に私たちにもたらしてくれるんです、テイラーがそうしてくれたように。それが偉大なアーティストたちの成長の過程に見る共通点で、今のあなたがいる場所だと思うんです。このアルバムの準備ができたことにあなたがワクワクしていることを知って僕は本当に嬉しい。というか、私にはどんな気分なのか想像もできないけど(笑)。

オリヴィアありがとうございます、凄い優しいですね。その言葉が何より嬉しいです。素晴らしいセンスの持ち主だと思っているので、本当に嬉しいです。

ゼインプレイリストの最後はケイティ・ペリーで締めくくってますよね。ケイティ・ペリーは誤解されやすいポップアイコンのような存在で、彼女はそういった誤解に寄り添いながらも上手に受け流している。そんなところが大好きなんです。お別れの前に、ケイティ・ペリーの話を聞かせてください。

オリヴィア彼女の最初の2枚のアルバムは、ポップ・ミュージックのバイブルのような作品だと思います。それに不思議なほどに正直で、ケイティのような歌詞は、それまで誰も書いたことがありませんでした。それから、(マックス・)マーティンが手掛けるプロダクションも最高で。とにかく、私は彼女の曲が大好きなんです。ポップスの名曲ばかり。

ゼインあなたのアルバムが待ち遠しいですよ。いつでもここで待っているので、アルバム制作については、またあらためてお話させてもらうかもしれません。いつでも大歓迎! 今日はお会いできて良かった。素敵なプレイリストと素晴らしいお話をありがとうございました。本当に楽しかったです。

オリヴィアこちらこそ本当にありがとうございます。またすぐお会いしましょう。



オリヴィア・ロドリゴ『SOUR』
2021年5月21日発売
iTunes / Apple Music



 

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