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エールのメンバー、ニコラ・ゴダンが語る新作ソロ・アルバム『Concrete and Glass』

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フランスのエレクトロ・ポップ・デュオ、エールのメンバーである二コラ・ゴダンが2015年に発売した『Contrepoint』以来となる約5年ぶりの新作アルバム『Concrete and Glass』を2020年1月24日に発売した。このアルバムについて、ニコラ・ゴダン自身に語ってもらったインタビュー記事を公開します。


 

フランスを代表するエレクトロ・ポップ・デュオ、エールのニコラ・ゴダンが5年振りの新作ソロ・アルバムを完成させた。前作『Contrepoint』をリリースして以降、Netflixのドラマシリーズ『シークレットサービス マル秘ミッション』のサントラやファッションショーの音楽を手掛けるなど、ゴダンは幅広い分野で活躍。そんななかで関わったプロジェクトが新作の出発点だったという。ゴダンはメールインタビューを通じて、アルバムの成り立ちをこんな風に振り返ってくれた。

「グザヴィエ・ヴェイヤン(フランスの現代アートのアーティスト)の〈Architectones〉というプロジェクトに参加したんです。彼は世界各地にあるモダニズム建築でエキシビションを計画していて、それぞれの建築にあわせた音楽を作って欲しい、という依頼でした。そのプロジェクトで作った曲をもとに新しいアルバムを作ることにしたんです」

大学の建築学科で学んだゴダンにとって、建築は音楽を作るうえで重要なインスピレーションの源だった。なにしろ、彼が最初にエール名義で作った曲「Modular Mix」はモダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエに捧げた曲。

Modular Mix

 

「偉大な音楽家同様、偉大な建築家からも影響を受けている」というゴダンにとって、〈Architectones〉はうってつけのプロジェクトだった。新作のアルバム・タイトルは『Concrete and Glass』。〈コンクリート〉と〈ガラス〉はモダニズム建築における重要な要素だ。

「アルバム収録曲はエキシビションが行われる建物からインスパイアされています。直角、コンクリート、ガラス、木材、風景……建築にまつわるすべてからインスパイアされているんです。建築においての直角や平行線は、トラックのシークエンシングやクオンタイズに反映しています。新作に比べると前作はもっと自由なスタイルでしたね」

Nicolas Godin – The Border (Official Music Video)

 

『Contrepoint』はバッハを独自に解釈したピアニスト、グレン・グールドに触発された作品で、クラシックやジャズなど様々な音楽性を取り入れていた。それに対して新作はシンセサイザーを中心にしたミニマルなサウンドで、その内省的な雰囲気は初期のエールを思わせる。

「素晴らしいミュージシャンを集めて制作した前作はライヴ感を重視したサウンドでした。今作は小さなホームスタジオにシンセサイザーを並べて、ベース1本とコンピューターだけで制作しました。エールが成功してからは、ちゃんとしたレコーディングスタジオに入ることが多くなって自分のアートの本質からかけ離れていく気がしていました。もう一度、若い頃のように小さな部屋でコンピュータと向き合いながら音楽を作りたかったんです」

Nicolas Godin – The Foundation ft. Cola Boyy (Official Music Video)

 

自分のアーティストとしての本質を見つめ直す。新作がそんなきっかけになったというのは、彼にとって重要な建築がコンセプトになった作品だったからだろう。そして、ゴダンはそこに様々なヴォーカリストをゲストに招くことでアルバムに広がりを生み出しているが、そのほとんどが2010年代にデビューした新人だ。

「アルバムの制作中に出た新作をチェックして、面白そうな新人アーティストを見つけてゲストの候補を絞っていったんです。でも、誰に歌ってもらうかを決めるのは僕ではなく、その曲なんです」

ホット・チップのアレックス・テイラー(イギリス)。エールが主宰するレーベル、レコード・メイカーズに所属するコーラ・ボーイ(アメリカ)、カディア・ボネイ(アメリカ)、ケイト・NV(ロシア)、キリン・J・カリナン(オーストラリア)など、ゲストが世界各国から選ばれているのは〈Architectones〉が世界各地で開催されたからだろう。

そのなかでケイト・NVは現代音楽とポピュラー・ミュージックを行き来するエレクトロニック・ミュージックの才女。その知的な音楽性はゴダンに通じるところがあるが、ゴダンは彼女の大ファンで「彼女も僕と同じように建築を勉強していたから空間と音楽の扱い方を知っていて、このプロジェクトを正しく理解してくれるとわかっていました」と信頼を寄せる。また、他のゲストに比べるとベテランのアレックス・テイラーは、他のゲストとは声をかけた経緯が違った。ゴダンはたまたまインターネットでホット・チップのライヴを観て彼の歌声に惹かれ、「一緒にトラックを作りたい」と誘ったという。

Catch Yourself Falling

 

ゲストに曲の題材になった建物を伝え、曲のイメージを共有しながら、時には歌詞も依頼して作り上げる。そうしたコラボレート曲と、ゴダンがひとりで作り、ヴォコーダーを使って歌った曲が並んだ本作。どの曲も構造はシンプルだが、緻密に構築された音が豊かな奥行きを生み出して、心地良い音響空間が広がっている。なかでも特筆すべきはメロディーで、その美しい旋律とシンガーの個性的な歌声がエレクトロニックなサウンドにエモーショナルな温もりを与えている。

「僕はオールドスクールなミュージシャンで、自分が書くメロディーにはすごく執着します。とくにサウンドトラックから強い影響を受けていて、子供の頃に聴いたサウンドトラックには歌えるメロディーがありました。でも、最近の映画はサウンドデザインの方が重視されている。このアルバムではメロディーとサウンドデザインを共存させようとしたんです」

メロディーとサウンドデザインは本作におけるコンクリートとガラスであり、アルバムにはゴダンの「音の建築家」としてのセンスが存分に発揮されている。思えばエールとしての新作は長らく出ていないが、ゴダンがミュージシャンとしての原点に立ち返った『Concrete and Glass』は、ゴダンにとって、そしてエールにとっても、新たな出発点になりそうだ。

Written by 村尾泰郎


ニコラ・ゴダン『Concrete and Glass』
2020年1月24日発売
iTunes / Apple Music / Spotify



 

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