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ロックの殿堂授賞式でのポール・マッカートニーの紹介役、ニール・ヤングのスピーチ

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YouTube: Rock & Roll Hall of Fame / Neil Young Inducts Paul McCartney into the Rock & Roll Hall of Fame | 1999 Induction

ザ・ビートルズ(The Beatles)が、最後の新曲「Now And Then」、そして1973年に発売された2つのベストアルバム『The Beatles 1962-1966』(通称:赤盤)と『The Beatles 1967-1970』(通称:青盤)の2023年ヴァージョンが2023年11月10日に発表となった。

この発売を記念して、ザ・ビートルズやザ・ビートルズのメンバーが“ロックの殿堂入り”を果たした際の授賞式でのスピーチの翻訳を連続してご紹介。

本記事では、ポール・マッカートニーがロックの殿堂入りを果たした1999年の授賞式でポールの紹介役を務めたニール・ヤングによる祝賀スピーチをお届けする。

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Neil Young Inducts Paul McCartney into the Rock & Roll Hall of Fame | 1999 Induction

 

ザ・ビートルズの音楽を初めて耳にしたのは1960年代のことでした。そのとき、最初に思ったのは、「自分にも同じようなことができるかもしれない」ということでした。そして私が人前で初めて歌った曲は、「give me money, that’s what I want (金をくれ、金さえあればそれでいい)」と歌うザ・ビートルズのレパートリーだったのです。場所は学校のカフェテリアでした。周囲の反応はあまり芳しくなかったので、次に「It Won’t Be Long」を歌ってみました。今度は上々の反応でした。

It Won't Be Long (Remastered 2009)

何にしても、ザ・ビートルズは私にとって非常に大切な存在でした。それに、ポールの奏でる音楽、特に当時の彼のベース・プレイはバンドをやっている多くの者たちに感銘を与えました。それは、彼が左利きだからというだけではありません。私などはたった2つのコードしか知りませんでした。それだけにいたく感銘を受けたわけです。

それから時が経って、ザ・ビートルズがとてつもない大物になったころ、私も (バッファロー・) スプリングフィールドを結成しました。 (スティーヴン・) スティルスと一緒に「A Day In The Life」を聴いたときのことは今でも覚えています。彼と一緒に、あの曲の最後の1音や、ポールのヴォーカル、ジョンのヴォーカル、あのレコードでジョージが披露した素晴らしい演奏といったものに耳を傾けました。まさに才能と才能の融合という感じがしました。

彼らは、当時の私たちには十分に理解することさえできないような、驚異的なものを作り上げていたのです。私たちはザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フーがい罷業を成し遂げていた影で、独自の音楽を生み出そうと奮闘していました。

A Day In The Life

そうして私は音楽を続けました。やがてザ・ビートルズが解散し、同じころ、私のグループも解散しました。そして、私は一人になり、ソロ・アーティストとしてのキャリアを歩み始めました。するとちょうど同じ時期に、ポールがアップル・レコードから最初のソロ・アルバムをリリースしたのです。

「Maybe I’m Amazed (恋することのもどかしさ)」が収録されているあのレコードが私は大好きです。というのも、あの作品はとてもシンプルなのに、とても奥が深いからです。あの作品には、ポール一人によるありのままの演奏が収められています。装飾も、エコーも一切なく、過去の自分を超えようと力む様子も感じられませんでした。

彼はザ・ビートルズの幻影を振り払い、自分らしさを確立したのです。私はそんな作品に衝撃を受け、もしかしたら自分にも同じようなことができるかもしれないと思いました。そして私もまた、エコーを配したシンプルな作品を作ってみた時期がありました。

Maybe I'm Amazed

ともかく……手短に話したいと思います。私は昔からリンダのことを知っていて、リンダとポールが一緒になったときはみんなで祝福したものです。彼らは素晴らしい家庭を築き、私自身も、そんな彼らにずっと親しみを抱いてきました。

私は一人の人間として、ポール・マッカートニーを深く尊敬しています。彼はロックの世界で活躍し、これだけの成功を収め、さまざまな騒動を経験してました。そして、そのあいだも素晴らしい家庭を守り続けてきたのです。そんなところを私は心から尊敬しているのです。

それだけでなく、彼は史上最高のソングライターの一人でもあります。この先、たとえ数百年が経過しても、彼は変わらずにみんなにその名を知られているはずです。それは、“過去(Yesterday)”に始まり、現在も続き、そして将来に亘ってまだまだ続いていくであろうキャリアの中で彼が生み出す音楽の為せる業なのです。


『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』(赤盤) 2023エディション
2023年11月10日発売
購入はこちら
全曲ミックス音源。追加トラック12曲


『ザ・ビートルズ 1967年~1970年』(青盤) 2023エディション
2023年11月10日発売
予約はこちら
全曲ミックス音源。追加トラック「ナウ・アンド・ゼン」を含む9曲



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