ポール・マッカートニーの初のシングル1位獲得曲は‘叔父さん’についてのあの曲

Published on

1971年8月上旬、ポール&リンダ・マッカートニーのアルバム『Ram』から「Uncle Albert/Admiral Halsey(邦題:アンクル・アルバート ~ ハルセイ提督)」がシングル・カットされた。9月4日、この曲はBillboard誌のシングル・チャートで前週の12位から一気に1位にまで上昇。ザ・ビートルズ解散後のポールはこのあと全米ポップ・チャートの首位を何度も獲得していくが、この曲はその最初の例になった。またこのシングルで、ポールはソロとして初めてのゴールド・ディスクも獲得している。

前の年(1970年)の11月に録音されたこの曲は、今やファンのあいだで大変人気のある作品となっている。しかしこれは、風変わりなかたちで始まった曲でもあった。

ザ・ビートルズのアルバム『Abbey Road』に収められたメドレーと同じように、「Uncle Albert/Admiral Halsey」も未完成の曲をつなぎ合わせて作られている。ポールによれば、「Uncle Albert/Admiral Halsey」は自分の叔父をモデルにして作った曲だった。「叔父のことは懐かしい思い出になっている。あの曲は、郷愁の念にかられて作ったような感じ」。また「ハルセイ提督はアメリカの軍人」、つまりウィリアム・”ブル”・ハルゼー海軍元帥(1882~1959)を指している。ポールは、「Uncle Albert」を上の世代に対する自分の世代からのお詫びだと感じていた。一方「Admiral Halsey」のほうは、無視すべき権威主義的な人物の象徴だった。

この曲ではさまざまな効果音が使われている(たとえば雷、雨、電話のベル、留守番メッセージ、海鳥、海岸に吹きつける風など)。また、ハーモニーや「Admiral Halsey」のブリッジの部分ではリンダの声も聞こえる。

この曲が1971年にヒットした結果、ポール・マッカートニーはうらやましいほどの記録を手にした。かつてのパートナー、ジョン・レノンは、その記録が7年連続で途絶えてしまったが、一方のポールはソングライターとして8年連続でチャートの首位を獲得したのである(最初の首位獲得曲はザ・ビートルズ時代に作った「I Want to Hold Your Hand(邦題:抱きしめたい)」)。



ポール&リンダ・マッカートニー『RAM』

     

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了