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マーヴィン・ゲイの『What’s Going On』:表舞台から遠ざかり母国を憂いたソウルフルな世界

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1971年5月21日、1970年代を代表する重要作に数えられるアルバムがリリースされた。実のところこれは1970年代といった特定の時期に縛られない、歴史に残る重要なアルバムでもある。

モータウンを代表するアーティストのひとりとしてレーベルを支えてきたマーヴィン・ゲイは、このアルバム『What’s Going On』を契機に、新たな方向に歩み出すことになった。それは大胆な方向転換であり、マーヴィンのキャリアは転機を迎えることになる。その点をしっかりと理解するには、少し時間を遡り、マーヴィン・ゲイが『What’s Going On』に先立ってリリースしたアルバムに着目する必要がある。

『What’s Going On』の前作に当たる『That’s The Way Love Is』は、マーヴィンが1969年にリリースした同名のヒット曲「That’s The Way Love Is (恋とはこんなもの)」に続いて発表された。当時のマーヴィンは、依然としてヒット・シングルを次々に放っていたが、彼のファンの多くは、アルバムにはまだ手を出そうとしていないようだった。アルバム『That’s The Way Love Is』のセールスは、その点を裏付けている。同作はアメリカのヒット・チャートにはわずか3週間ランクインしただけで圏外に消え、その最高位も189位という控えめなものだった。

“シングル志向のヒットメイカー”というモータウンにおける自身の役割に疲れた果てたマーヴィンは、以来しばらく表舞台から姿を消している。実際、1970年に彼はオリジナル・アルバムを発表することはなく、『That’s The Way Love Is』と『What’s Going On』のあいだにリリースされたのはコンピレーション・アルバムでタミー・テレルらとのデュエット・ナンバーのみで構成されたベスト盤『Marvin Gaye And His Girls』と、これに次いでリリースされたソロ名義のヒット曲集『Super Hits』ばかりだった。

この間に、シングルはリリースされていたものの、1970年にアメリカでリリースされた新曲は、どれもポップ・チャートで際立った成功を収めるには至っていない (ただしそのうちのひとつ、「The End Of Our Road」はR&Bチャートではトップ10圏内にランクイン。「Abraham, Martin & John」はイギリスで大ヒットを記録している)。

しかし、彼と同様にモータウンの看板スターのひとりだったスティーヴィー・ワンダーがそうだったように、マーヴィンもクリエイティヴな側面で、新たな展開を見せていく。セルフ・プロデュースで制作された『What’s Going On』は彼の新境地であり、洞察力に満ちた良心的なメッセージにあふれていた。ここで彼は世界情勢を憂いていたが、同時に彼ならではのソウルフルな世界も表現されていた。

アルバム発表前に行われたディスク&ミュージック・エコー誌のインタビューで、マーヴィンは音楽界での自分の立場をしばらくのあいだ見つめ直していたと認めている。

「過去3年間、インタビューから遠ざかっていました。取材を受けることを拒んでいたのは、自惚れて高慢ちきになっていたからじゃない。気まぐれに拒んでいたわけでもない。生活全般でいろんなことに幻滅していたんです。だから時間をかけて、それをなんとかしようとしていた。

僕が引退したなんていう噂もあったけれども、ある意味では正しかった。僕は引退した。それは表舞台に出なくなったというだけの話ですが。そういう選択をしたのは、ステージで自分がいつも人の目を引いてしまっているように感じたからです。僕は、自己顕示欲たっぷりに人前に出たがるタイプじゃない。

この3年間は、曲作りとプロデュースと黙想に費やした。人生について考え、特にアメリカについて黙想しました。なぜって、アメリカは僕が暮らしている国なんだから。この国にある理不尽な不公平さ、邪悪なもの、善なるものについて考えてきました」

Marvin Gaye – What's Going On (Live)

 

そうした黙想から最初に生まれたのが、『What’s Going On』のタイトル・トラック「What’s Going On (愛のゆくえ)」だった。1971年2月にシングル・カットされた同曲は、音楽ファンから熱狂的に支持され、R&Bチャートで5週に亘って首位のポジションをキープ。ポップ・チャートでも2位に達するヒットを記録した。また、同年5月21日に発表されたアルバム『What’s Going On』をビルボード誌は以下のような表現で称賛した。

「カーティス・メイフィールドと古き良きモータウンの両方を合わせ持つ作品。マーヴィンがこれまで出してきたレコードをはるかに凌ぐ完成度だ」

『What’s Going On』はアルバム・チャートでも成功。初登場時の順位は187位というものだったが、やがて6位にまで達し、およそ1年に亘ってチャート圏内に留まっている。また、このアルバムからは、「Mercy Mercy Me (The Ecology)」や「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)」もシングル・カットされ、いずれもR&B・チャート、ポップ・チャートの双方で大ヒットをマークしている。

リリースから1年半で、このアルバムは200万セットを売り上げ、その後、”グラミー殿堂入り作品”のひとつにもなった。また、ローリング・ストーン誌が2003年に選定した”500 Greatest Albums of All Time (オールタイム・ベスト・アルバム500)”でも6位にエントリーしている。

Marvin Gaye – Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)

 

先のインタビューで、マーヴィンは『What’s Going On』とタイトル・トラック曲について、以下のように語っている。

「このアルバムの曲は社会問題を扱っているけれど、それほど過激な内容じゃない。ああいう曲を作ったのは、人間性を尊重するっていうだけでなく、自分を救うという狙いもあったんです。実際、僕は救われたと思う。このアルバムのおかげで、多少なり、心の平安を得ることができたので」

Written By Paul Sexton


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