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ロック界のアイコン、イギー・ポップの音楽人生:「お宅のお嬢さんを家から出さないように!イギーがいます!」

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Photo: Harmony Korine, courtesy of Caroline International

「お宅のお嬢さんを家から出さないように!イギーがいます!」

これは1972年のメロディ・メーカー紙を飾った見出しである。それから約50年後、ロック界のアイコンとして生き抜いてきた彼だが、当時と比べてさしたる変化はないようだ。それどころか、2017年にリリースされた彼の17枚目のスタジオ・アルバムとなる『Post Pop Depression』が、アメリカで彼の作品中最高位のチャート・インを記録し、イギリスでは初のトップ10入りを果たしたのだ。変わらないどころか絶好調の極みにあると言っていい。

Young Iggy

イギー・ポップことジェームズ・オスターバーグは、ミシガン湖沿岸の町マスキーゴンで1947年4月21日に誕生した。ロック・ミュージック史で一二を争うフロント・マンの一人として君臨している彼だが、ドラマーとしての腕も悪くない。初期に地元のバンドでプレイしていた際に彼が初めて手を染めた楽器はドラムであった。やがて、ロックン・ロールがより刺激的で危険な香り漂うロックへと変貌していくのにつれて、ジム・モリソンやミック・ジャガー的な存在に刺激を受け、彼はステージやレコードで独自の個性を発揮するイギー・ポップとして知られる男になったのだ。

ザ・ストゥージズという革新的なバンド名義で1969年にリリースした頃のイギー・ポップは、そのステージ・パフォーマンスでロックの荒々しさを体現する存在として強烈な魅力を放つ注目の的の存在になっていた。そのメンバーらと共に、彼はザ・ストゥージズとして2010年にロックの殿堂入りを果たしている。ソロ・アーティストとしては、1977年にアルバム『The Idiot(邦題:愚者)』と『Lust For Life(邦題:欲情の攻撃)』の2枚をわずか2ヶ月の間に繰り出して活動を開始した。後者は現在なお色褪せることのない作品だ。

Iggy Pop – Lust For Life

Stooges

メロディ・メーカーの記者とのインタビューで、彼は次のように述べている。

「俺はずっとツイていたね。世界中の全部を手にしたいと思っていた。何もかもさ。俺ほど身勝手な奴はいないよ。強欲で、ねじ曲がっていて、自惚れ屋だ。そして観察好きでそれを表現するのが好きだ。誰にでも興味深い影の部分というものがある」

1978年のサウンズ誌でのインタビューでは、ザ・ストゥージズがパンクやニュー・ウェーヴ界に及ぼした大きな影響について語っている。「どこまでも笑える話だね」と彼は笑って回想する。

「初めて耳にした時には信じられなかったけどね。でも今たまにラジオを聞いていてそういう音楽が聞こえてくると、連中の音がなんと言うか…自分がプレイしているのと大して変わらないなと思ったりするよ」

「でもまあなんと言うか、第一に今はもうそういう音楽は自分はやっていない。第二に、どうして自分がああいう音楽をやっていたのかといえば、ただ自分が若かったからだという以外に理由がない。ギターなんてろくに弾けなかったからさ。他の誰かの音楽をプレイすることなんてできなかったから、バンドで何かやるって言ったら自分の音楽をやる以外になかったんだよ。下手だったのさ」

Bowie Iggy

彼の活動歴でよく採り上げられるのがデヴィッド・ボウイとの友情および彼がデヴィッド・ボウイに及ぼした影響だ。特に1970年代は、『The Idiot 』でデヴィッド・ボウイと共作して書き上げた「China Girl」のレコーディングを行なったり、デヴィッド・ボウイの「ベルリン時代」の主要登場人物になったりするなど、親交が濃かった。また、この時期はイギー・ポップのポップ期と呼ばれることもある通り、当時はイギー・ポップがヒット・シングルを生み出した期間でもある。イギリスでは、1986年にリリースした「Real Wild Child (Wild One)」(当時イギーは39歳だった) が10位を記録している。

China Girl

『Post Pop Depression』で新たなる勝利を手にした唯一無二のサバイヴァー、イギー・ポップであるが、近年はBBC Radio 6で魅力溢れる音楽番組のプレゼンターとして多くのポップ・ミュージックを聞かせてくれていたり、再結成したザ・ストゥージズでは生絵力的な活動を行い2007年の『The Weirdness』と2013年の『‘Ready To Die』の2枚のアルバムをリリースしたり、その他数え切れないほどのプロジェクトを動かしたりと、大忙しである。

Iggy Pop – Real Wild Child (Wild One)


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