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ナイン・インチ・ネイルズの傑作『The Downward Spiral』が長年に渡り語り継がれる理由

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荒廃したものや悲惨なものを主題としたブリーク・アートが流行っていた頃、2002年制作の北欧映画『リリア 4-ever』はブリーク・アートを特に代表する作品だった。映画の始めはロシア人のティーンエイジャーのリリアの幸せな情景を描きつつ、彼女の母親とそのボーイフレンドが「新しい土地で生活が安定したら迎えにくるね」と娘のリリアに約束し、リリアを残してアメリカへ飛び立つシーンから始まる。この映画は、悪に満ちた獣のような大人が、リリアを騙し売春奴隷をさせて彼女をどん底の暗闇に追いつめていくストーリーだ。『リリア 4-ever』を観ていると、ナイン・インチ・ネイルズが1994年にリリースした最高傑作アルバム『The Downward Spiral』を思い出す。アルバムの1曲目「Mr Self Destruct」は物語の冒頭に過ぎずない。それは実際にアルバムを聴いてみると分かるだろう。

LILYA 4-EVER TRAILER

 

『リリア 4-ever』のように社会的かつ内省的な人間の闇を生々しく描き、挑戦的かつハッピー・エンディングでない作品は自然とアンダーグラウンドのお蔵に入れられてしまう事がほとんどであるため、『リリア 4-ever』のタイトルさえ耳にした事がない人も多いであろう。しかし、そういった今までの想像力のボーダーラインを広げさせるような芸術的作品は追求すべきである。

何が言いたいかというと、トレント・レズナーの作品はアンダーグラウンドにお蔵入りするには偉大すぎる作品であったと言う事だ。

1980年代後半は、ヘア・メタルの戯けや甘ったるいロック・バラードが盛り上がっていた。自分が逞しい事や悪魔がかっこいいと歌う事により、ロックの要素と心は無視されていた。そんな中、ナイン・インチ・ネイルズの1989年のデビュー・アルバム『Pretty Hate Machine』に収録された「Head Like A Hole」では雷のようなスネア・ドラム、重低音のベース、汚れたシンセサイザーの音に乗せて民衆や権力者を煽るようなフック、

Bow down before the one you serve / You’re going to get what you deserve
まず頭を下げろ おまえの仕える者に /おまえは自分に相応しいものを得られるはずだ

が印象的だ。その後、ロックの革命家であるジェーンズ・アディクションやフェイス・ノー・モアが登場し、数年後にニルヴァーナが人気を博しオルタナティヴ・ミュージックは黄金の絶頂期を迎えた。

Nine Inch Nails – Head Like A Hole

 

ナイン・インチ・ネイルズのデビュー・アルバム『Pretty Hate Machine』のようなインパクトのある作品の次に新作を作ることはかなりの労力が必要だ。「前作の方が良かった」と言われバンドが格下げされてしまう事も多い。トレント・レズナーは当初の所属していたTVTレコーズの討論し、大物プロデューサーであるジミー・アイオヴィンが親レーベルと1年間交渉を続けた末にバンドはインタースコープ・レコードと契約。今年放映されたHBOのドキュメンタリーシリーズ、『The Defiant Ones』では、トレント・レズナーに酷く重いプレッシャーが伸し掛っている様子が描かれている。

ニルヴァーナの『Nevermind』がリリースされ直後で、オルタナティヴ・カルチャーがかつてないほどメインストリームとなった時代であったため、トレント・レズナーが伝えたい事を世に配信するには絶好のタイミングだった。世間は彼に耳を傾けた。ナイン・インチ・ネイルズはセカンド・アルバム『The Downward Spiral』を発表し、全世界で900万枚売り上げた。

『The Downward Spiral』は絶望への穴に落ちる過程を歌った内容のコンセプト・アルバムである。ジャンルや時代に左右されない音楽であると同時に、印象的なストーリーを描いている。一人の男の心の中の葛藤や弱さを包み込みたいと思う意欲、孤独や救いようの無い心のダメージ、くだらない事だらけの変わらぬ世の中と戦っても負けが見える不甲斐なさ。アルバムの中では “Nothing can stop me now / 誰も僕を止める事ができない”と何度も歌う事で、これらの感情を全面的に表現している。『The Downward Spiral』は頭に回し蹴りを食らわせるようなこれらの繊細な気持ちが詰め込まれている。

Nine Inch Nails – Closer (Director's Cut)

 

『The Downward Spiral』は、このような繊細な気持ちを収集した天才的な作品だ。心に染み渡る内容であり、人々の心の中に住む悪魔と神の両方が騒ぎだすようなカタルシスがあり、好意的なアルバムと捉える人もいるかもしれない。トレント・レズナーは人々に親近感を与えるが、決して近づく事のできない存在であり、他のアーティストが思い描かない事をトレント・レズナーはやっていた。他のアーティストはメタファーで表現する一方、トレント・レズナーは直接的に物事を伝えていた。耳にした事のない情景や気持ちをありのまま表現する事により、私たちは異常でないと思い知らせてくれる。トレント・レズナーは最初から直接系な表現で現在も世界中に楽曲を配信しているが、

“I’ve got no soul to sell / 俺は魂を売りつくしてしまった”
“I want to f…k you like an animal / おまえを獣のように犯したいんだ”
“Everyone I know goes away in the end / 知り合いたちも最後には離れて行く”

といった直球な歌詞や心が張り裂けそうな歌詞によって『The Downward Spiral』はいつまでもナイン・インチ・ネイルズの代表作として語り継がれている。

もし『The Downward Spiral』がトレント・レズナーの言葉を音楽に乗せた遺言だったとすれば、創造力に満ちた力作かつ革新的な発明品であり、電子音を取り入れたヘヴィ・ミュージックに偏見を持つ人々に思いっきり中指を立てるような作品でもあった。『The Downward Spiral』が初めてリリースされてから20年以上経つが、当時から見ても未来的な作品であったため現代でもコンテンポラリーな作品として捉える事ができる。

突き刺すようなキーボードとシンセサイザーの激しく振動する音と、攻撃的でこもった音のディストーションでインダストリアルなサウンドを再現した『The Downward Spiral』は音に乗った感情の猛撃であり、様々な色合いとテクスチャーを感じ取る事ができる。新しくリマスタリングされたアナログ・レコードにより、この奥深い傑作を現代の進化したヘットフォンで聴いても新鮮な音で体感する事ができるだろう。

『The Downward Spiral』には、しっかりとヒット曲が収録されている。世界中のロック・クラブのダンスフロアで、とてもセクシーなロック・ソングの代表である定番の「Closer」が流れれば、人々は汗まみれに互いの体を擦り寄せながら挑発的なダンスを踊る。「March Of The Pigs」は、パンク、ミニマリスト・テクノ、インダストリアル・メタルなどを掛け合わせ、一定でないリズムを繰り広げるロックの定番曲となり、トレント・レズナーが独自の世界観で常識を覆した事を証明した。最後にとっておきを……最近行われたアンケートで、ベストなアルバムの最終曲が選ばれた。そこでは「Hurt」が選ばれたのだ。この曲はこののちジョニー・キャッシュがカバーし200万枚以上の大ヒットを記録していることでも有名だ。

Nine Inch Nails – Hurt (VEVO Presents)

 

残念な事に、安全に守られた現代のメインストリーム・カルチャーから『The Downward Spiral』のような挑戦的で強いインパクトを与える作品はなかなか出てこない。しかし、この異常な安全性のように『The Downward Spiral』もいつもそこにあり、勇敢で妥協せず人々をカタルシスへ導き、しきたりを無視した音楽としてのリスクを背負いながらビーコンのように輝き続ける。なぜならば、何よりもこのアルバムはこれまでで最高のアルバムだからだ。

Written by Terry Beezer


トレント・レズナーの傑作『The Downward Spiral』が長年に渡り語り継がれる理由

ナイン・インチ・ネイルズ『The Downward Spiral』

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