2021年は結成25周年:スパイス・ガールズのベスト・ビデオ・トップ13

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Photo: Rankin

1996年に華々しく登場したスパイス・ガールズ(Spice Girls)はポピュラー・カルチャーの支配者となり、伝説的な存在になった。地球上のどの地域も、彼女たちの自由奔放な魅力に降参してしまったのである。もちろん「ガール・パワー」のポップな政治的戦略は、彼女たちの音楽と同じくらい重要だった。しかしスパイス・ガールズの強い個性とカラフルなイメージの魔法がなければ、そうした戦略がこれほどまでに成功を収めることはなかったはずだ。

そんな彼女たちの個性とイメージは、あの時代を象徴するミュージック・ビデオに永遠に記録されている。今回は、スパイス・ガールズのベスト・ビデオを13本選んでみた。これを見れば、曲のメッセージだけでなく、華やかに躍動する彼女たちの姿をはっきりと思い出せるはずだ!

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13位 Viva Forever

このシングルが1998年に発売されるころ、舞台裏ではジェリ・ハリウェル(ジンジャー・スパイス)の脱退というドラマが進行していた。それゆえ、このラテン調のバラードのビデオは撮影をやり直す必要があったのではないか……と考えてもおかしくない。実のところ、このアニメーション・ビデオにはバンド・メンバーの姿は登場していない。その代わり、映画『チキン・ラン』を手がけたアカデミー賞受賞のアニメーター/監督スティーブ・ボックスの監修のもと、スパイス・ガールズの5人が妖精の姿に生まれ変わっていた。

この曲「Viva Forever」はイギリスでシングル・チャートの首位を獲得し、世界中のさまざまな国で大ヒットを記録した。ただしアメリカでは、この曲はシングルで発表されずに終わっている。

 

12位 Mama

このシンプルなパフォーマンス・ビデオはスタジオの観客の前で収録され、メンバーの母親たちがフィーチャーされている。このビデオはファンのあいだで人気を集めたが、それはおそらく完成版に挿入されたメンバーの子供時代の映像のおかげだろう。

このメロディアスなバラード「Mama」は、「Who Do You Think You’ Are」とのカップリングで英国盤シングルとしてリリースされた。またこのシングルは、1997年のチャリティ・イベント「コミック・リリーフ」の公式シングルになっている。

 

11位 Too Much

映画『スパイス・ザ・ムービー(原題:Spice World)』のプロモーション用に先行リリースされた「Too Much」は、スパイス・ガールズにとって2度目のクリスマス・チャート首位獲得曲となった。

このビデオは映画から抜粋した映像と、メンバーそれぞれの個性を打ち出したショットで構成されている。ヴィクトリアが宇宙時代の雌ギツネというのはかなり飛躍した描写だった。とはいえ、ジェリがダンスホールの歌姫、メル・Cがカンフー映画のヒロインという役回りは、既に世間に定着していたイメージを反映していた。

 

10位 2 Become 1

初めてのクリスマスを迎えたスパイス・ガールズは、初のヒット・バラードのビデオの舞台としてニューヨークを選んだ。ここは彼女たちがまだ征服していなかった地域であり、「Wannabe」が大ブレイクするのは翌年になってからだった。とはいえ、このスタジオで制作されたクリップはニューヨークっぽい雰囲気が存分に出ており、「2 Become 1」は今でもクリスマス・シーズンの定番となっている。

 

9位 Let Love Lead The Way

スパイス・ガールズの3rdアルバム『Forever』では、4人になったスーパーグループが21世紀の音楽的潮流を乗り切るためにさまざまな方向性を試していた。とはいえこのゴージャスなバラードは従来の路線で作られており、鮮やかで洗練されたスタイルが披露されている。

 

8位 Holler

ロドニー・ジャーキンス(ダークチャイルド)がプロデュースを担当したこのスリンキーなR&Bシャッフルはアルバム『Forever』の冒頭を飾り、大ヒットを確実なものとした。2000年の夏にエルストリー・スタジオで制作されたこの曲のビデオは雰囲気あふれる作品となっており、それぞれのパフォーマーが異なる要素を表現することで各メンバーの個性を打ち出している。

このビデオを観ると、もしスパイス・ガールズがアルバム・リリース後に長期の活動休止に入らなかったら、魅力的な新しい音楽的方向性に進んでいたに違いないと思わされる。

 

7位 Headlines (Friendship Never Ends) 

この2007年のシングルは、初の再結成と初のベスト・ヒット・コレクションをプロモーションするために発表された。現在までのところ、これがスパイス・ガールズの最後のシングルとなっている。

彼女たちのダイナミックさをテーマにしたこのビデオはシャープで洗練され、そうした雰囲気はパインウッド・スタジオでのビデオ撮影のために集められたガウンにも少し似ている。

 

6位 Who Do You Think You Are

おそらくスパイス・ガールズの最も象徴的なビデオのひとつであるこの極彩色のパフォーマンス映像には、このグループの活動初期の驚異的なエネルギーがあふれている。わかりやすいキャラクターを与えられ、活気に満ちた若々しい精神で結ばれたこの5人組を見ていると、世界制覇があたかも簡単なことのように思えてくる。

このビデオは、さらに勝手気ままなディレクターズ・カットの長尺版も作られた。誰もがこのグループを観たくて観たくてしかたなかったのだ。

 

5位 Goodbye

この「Goodbye」がリリースされたのは、ジェリがバンドを脱退してまもないころだった。このバラードの歌詞がどこからインスピレーションを得ていたのか、想像するのはさほど難しくないはずだ。

この曲によって、スパイス・ガールズは3年連続で全英クリスマス・チャートの首位を獲得した。このビデオには、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズの中に描かれていそうなお祭りじみた演劇性があふれている。ホグワーツ魔法学校は登場しないが、いなくなってまもない人の幽霊が出てくるのはお化け屋敷だけではない……。

 

4位 Stop

モータウンにインスパイアされたこの曲のレトロな雰囲気は、1998年の初めにアイルランドで撮影されたビデオにぴったり合っていた。メル・Bは撮影の前にあまり計画を立てていなかったと認めているが、それでもすべてがうまくまとまっている。

この曲はチャートでランDMCの「It’s Like That」のジェイソン・ネヴィンズ・リミックスに首位到達を阻まれ、スパイス・ガールズの母国での連続1位獲得記録は止まってしまった。それでもこのシングルはゴールド・ディスクに認定された。

 

3位 Say You’ll Be There

ここではメンバーをテクノの戦士に見立て、カリフォルニアの砂漠で撮影したことで、スパイス・ガールズが神話的なアニメのような存在になっている。

このビデオは既に定着していた彼女たちの強力なイメージを増幅させ、ブリット・アワードでブリティッシュ・ビデオ・オブ・ザ・イヤー部門を獲得した。ビデオの中にはマドンナの元恋人だったモデルのトニー・ウォードも登場するが、実のところ彼に目を向ける人間などひとりもいなかった!

 

2位 Spice Up Your Life

この「Spice Up Your Life」のビデオの制作費は、スパイス・ガールズが1本のビデオの制作に費やした額としてはおそらく最高のものになるだろう。これは、彼女たちの2ndアルバムのリリースを壮大なスタイルでプロモートするビデオだった。ニューヨークで制作されたこのビデオは、マーカス・ニスペルが監督している。彼はジャネット・ジャクソンの「Runaway」などで成功を収めてきた監督で、ここでは宇宙時代の叙事詩を作り出している。このビデオは、1997年9月にリリースされてから数ヶ月のうちにさまざまな賞でノミネートされる注目作となった。

 

1位 Wannabe

すべてはここから始まった。「Wannabe」が今でも最高のスパイス・ガールズのビデオであることは間違いない。

1996年4月にロンドンのセント・パンクラス・ルネッサンス・ホテルで撮影されたこのパフォーマンスは、注目を集めるための極意を教えてくれるお手本のような作品だ。史上最高のミュージック・ビデオのひとつに数えられている「Wannabe」は、世界的な大成功を収めた。このハイ・コンセプトな演出に対して、当初レコード会社の側は懐疑的な反応を示したが、スパイス・ガールズは撮影のやり直しを拒否した。彼女たちの直感は正しかったのだ。

written By Mark Elliott



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