スコーピオンズ、歴史的変革期に生まれた「Winds Of Change」が自身初のSpotify10億回再生突破

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ドイツ出身の伝説的ロックバンド、スコーピオンズ(Scorpions)の名クラシック・バラード「Winds Of Change」がSpotifyで10億回再生を突破し、バンドにとって初の“Billions Club”入り楽曲となった。

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スコーピオンズの11作目のスタジオ・アルバム『Crazy World』に収録された「Winds Of Change」は、冷戦終結へと向かう世界が大きく揺れ動いていた時期に誕生した。だが、それは単なる偶然ではない。

バンドは1980年代後半にモスクワを訪れた際、現地の人々との間にある“共通の人間性”を実感し、その経験が曲の源泉となった。リード・シンガーのクラウス・マイネは、2015年のRolling Stone誌のオーラル・ヒストリーで当時をこう振り返っている。

「僕たちはモスクワ川を船で下っていた。そこには他のバンド、MTVのジャーナリスト、そして赤軍の兵士たちがいた…あれは僕にとってインスピレーションに満ちた瞬間だった」

ギタリストのルドルフ・シェンカーも続ける。

「(ベルリンの)壁はまだ崩壊していなかったけれど、モスクワではすでにあらゆるところに変化の兆しが漂っていた。ゴルバチョフはグラスノスチ(情報公開)とペレストロイカ(改革)を進めていた。世界は確実に変わりつつあった。クラウスはその空気を敏感に感じ取っていたんだ」

1990年、“ベルリンの壁崩壊”という歴史的転換点を迎える中でリリースされた『Crazy World』は、スコーピオンズというドイツ出身のバンドを、激動の時代そのものと強く結びつく存在へと押し上げた。翌1991年にシングルとして発表された「Winds Of Change」は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で4位を記録し、オーストリア、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、イギリスなどで1位を獲得。瞬く間に世界的アンセムへと成長した。

そしてこの曲が30年以上経った今も愛され続ける理由のひとつには、バンドが楽曲を絶えずアップデートし続けてきた姿勢がある。これまでにオーケストラや合唱団との共演を重ね、スペイン語版やロシア語版までも制作した。

クラウスは後年、ロシア語版についてこう冗談めかして語っている。

「ロシア語版を作るのは本当に大きな挑戦だった。簡単じゃなかったし、今でも出来がどれだけ良いのかはわからない。でもロシアで演奏するときは、今でも少なくともサビの一つはロシア語で歌うんだよ」

Written By Sam Armstrong



スコーピオンズ『Crazy World』

1990年11月6日発売
iTunes Store / Appel Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music




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