先日急逝したメアリー・ウィルソン、ソロデビュー作に未発表など8曲を追加した拡張版が発売に

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ザ・シュープリームスのメンバー、メアリー・ウィルソン(Mary Wilson)の77回目の誕生日である2021年3月6日に合わせて、1979年にモータウンから発売されたソロ・デビュー・アルバム『Mary Wilson』の初のリイシューであり、デジタルでは初出となる拡張版『Mary Wilson: Expanded Edition』のデジタル予約が開始となった。先日2月8日に亡くなってしまったメアリー・ウィルソンは生前、この作品の拡張版のリリースを心待ちにしていた。

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今回の作品は、ソロ・アーティストとして、シュープリームスのメンバーとしても愛されたソウル・シンガーのファンにはたまらない内容となっている。ボーナストラックとして8曲が追加収録され、そのうち4曲は未発表曲だ。これらには、エルトン・ジョンやジョーン・アーマトラレイディングなど多くのアーティストを輩出したガス・ダッジョンがプロデュースし、1980年に収録した楽曲も含まれている。

他にもリチャード・デイヴィスがプロデュースし、デイヴィスがアンジェロ・ボンドと共同作曲し、2010年に録音された新曲「Why Can’t We All Get Along」も収録されている。アンジェロ・ボンドは、フリーダ・ペインのヒット曲「Bring The Boys Home」の共同作曲者としても知られている。

メアリー・ウィルソンはモータウンを脱退した後にホーランド=ドジャー=ホーランドのエディ・ホランドが設立した音楽出版社Gold Forever Musicの重役であるリチャード・デイヴィスと再会。彼女はデイヴィスとアンジェロ・ボンドに、彼らの曲がアメリカと世界の政情不安と分裂についての彼女の気持ちを明確にするのに役立ったこと、そして彼女は音楽を通してポジティブなメッセージを送るために「Why Can’t We All Get Along」でそのメッセージを共有したいと思ったことを伝えていたのだった。

このアルバムのリリースは、メアリー・ウィルソンがアルバムの発売を期待したまま亡くなったことを知ると、少し悲しくなってしまうかもしれない。彼女が最後にアップしたYouTubeの動画では、このプロジェクトのティーザー動画を投稿し、次のように語っていた。

「ユニバーサルと一緒に仕事をすることに決めたんだけど、彼らは“Mary Wilson”を新しくリリースすることになっているんです。そう!ついに!ついに!」

 

発売されなかった素晴らしい曲たち

また未発表曲について、彼女は次のように付け加えている

「未発表の4曲は素晴らしいものでした…他にもいくつか驚くような曲があるんです…ユニバーサルが私と一緒に仕事をしてくれて感謝しています。3月6日の私の誕生日には、そのうちのいくつかが先行公開されることを願っています」

ザ・シュープリームスのメンバーとして世界を席巻した功績の割には、メアリー・ウィルソンとフローレンス・バラードのソロ・キャリアはダイアナ・ロスと比べると過小評価されることが多い。フローレンスは1968年にABCから2枚のシングルをリリース、その曲は後に2002年のコンピレーション『The Supreme Florence Ballard』に収録されている。

メアリーはシュープリームスの解散を待ってから、1979年の夏にセルフタイトルを付けたディスコ向けの楽曲を収録した『Mary Wilson』でソロ・デビューを果たした。『Mary Wilson』は、モータウンのハル・デイヴィスのプロデュースによるもので、アップテンポな6曲とバラード1曲が収録されている。1992年には自主制作でリリースされたアルバム『Walk The Line』を発表していた。

メアリーは末っ子のラファエルを妊娠中に『Mary Wilson』のレコーディングを行った。ジャケット撮影でジャケットを着ていたのは妊娠を隠すためだ。リード・シングル「Red Hot」はビルボードのR&Bとダンスでチャートインを記録し、イギリスではセカンド・シングルとして「Pick Up the Pieces」がリリースされている。

1980年、メアリー・ウィルソンはガス・ダッジョンと一緒に仕事をするためにヨーロッパを訪れたことを、後に彼女の自伝『Supreme Faith: Someday We’ll Be Together』の中で明かしている。

「私はこの4曲にとてもワクワクしていた。ファースト・アルバムのディスコ・サウンドじゃなく、2曲はビッグなバラード。残りの2曲はティナ・ターナーの80年代半ばのヒット曲のスタイルのロックンロールだったから、私は確かに時代の先を行っていたといえる」

上記で言及された4曲のうちの3曲は今まで一度もリリースされていないが、「You Dance My Heart Around the Stars」は、ビーチ・ボーイズとの共演も多い作曲者のスティーヴ・カリニッチの2015年のアルバム『California Feeling 2』に収録。ファンの間では、メアリー・ウィルソンの最も優れたパフォーマンスの一つとみなされているこの楽曲も今回の拡張版に収録されている。

Written By Paul Sexton



メアリー・ウィルソン『Mary Wilson: Expanded Edition』
2021年4月6日発売
iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music

  1. Red Hot
  2. I’ve Got What You Need
  3. You Make Me Feel So Good
  4. (I Love A) Warm Summer Night
  5. Pick Up The PIeces
  6. You’re The Light That Guides My Way
  7. Midnight Dancer
  8. Red Hot (7″ Single Version)
  9. Red Hot (12″ Disco Version)
  10. Red Hot (12″ B-Side Version)
  11. Love Talk *
  12. You Danced My Heart Around The Stars
  13. Save Me *
  14. Green River *
  15. Why Can’t We All Get Along (Single Version) *

1~7:オリジナル
8~10:Red Hotの別ヴァージョン
11~14:ガス・ダッジョンとのセッション(1980年録音)
15:2010年録音の新曲
*:未発表曲



 

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