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LL COOL Jが今年発売30周年を迎えた「Mama Said Knock You Out」の制作秘話を公開

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Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

LL COOL Jが大ヒット曲「Mama Said Knock You Out」の30周年を記念して、自身が立ち上げたウェブサイト“Rock The Bells”に独占インタビューを公開し、この不朽の名曲の制作秘話を明かした。

同サイトでは、プロデューサーのマーリー・マール(Marley Marl)、DJ ボブキャット(DJ Bobcat)、MC スレット(MC Threat)との対談を通して、LL COOL Jが、この曲やパリス・バークレイが監督を務めたミュージック・ビデオが完成に至るまでの様々なエピソードについて語っている。

1989年の3作目のスタジオ・アルバム『Walking with a Panther』で否定的な評価を受けたLL COOL Jは、プロデューサーのマーリー・マールとタッグを組み、DJ ボブキャットのループを使用して復活作となる新たなトラック「Mama Said Knock You Out」を制作した。

同曲は現在もヒットしており、近年では、テニス・プレイヤーのセレーナ・ウィリアムズが出演する国立銀行“チェイス”のCMやビデオ・ゲーム『Call of Duty: Modern Warfare』のプロモーションにもリミックス音源が使用されている。

LL Cool J – Mama Said Knock You Out (Official Video)

 

以下は、今回公開された独占インタビューからの抜粋となる。

LL COOL J:

「(『Walking with a Panther』への)批判的な反応は、もちろん腹立たしかったし、がっかりもしたね。人々がアルバムのジャケットや雰囲気を誤解しているように感じていたし、このアルバムが成功を祝うものだということを理解してもらえなかった。作品に登場するダイヤモンドやジュエリー、高級車みたいなものが、俺が社会から孤立していることの象徴として受け止められていたんだ。実際には、僕はただ金持ちになるっていう夢を実現しただけで、それは俺がずっと成し遂げたかったことでもあった。それこそが若き黒人青年にとって成功の証であり、あの頃の俺ははかつてないほど社会と繋がっていた。努力して手に入れた成功を謳歌していただけなんだ」

そこでLL COOL Jは、「I Need Love」や「I’m Bad」、「Jack The Ripper」 などのヒット曲でもタッグを組んだDJボブ・キャットに電話をかけた。DJボブ・キャットは電話越しに数え切れないほどの曲を彼に聴かせ、LL COOL Jは、“マイクロフォン・マフィア・アンセム”をつくらなければならないんだと彼に伝えた。

DJ ボブキャット(DJ/プロデューサー):

「1989年に俺のグループであるマイクロフォン・マフィア(スレット、Kボーン、ネフェルティティ)と共に‘Mama Said Knock You Out’のビートを録音したんだ。それはまるでジュース・クルーの“The Symphony”の西海岸ヴァージョンで、スレットが西海岸版ラキムだった。その前にも、メナス・トゥー・ソサエティと呼んでいた別グループで録音していて、どのプロデューサーもMCならみんな乗りたがるあのトラックを使っていたよ。それこそが、“マイクロフォン・マフィア・アンセム”なんだ。

それから一週間ほどして、俺はSP盤と自分のレコード、ターンテーブルを持ってニューヨークへ飛んで、LLのコンドミニアムに滞在することになった。彼はファーマーズ・ブルバードの仲間も何人か呼んで、40オンスの酒を手に入れて、そこでバイブやキックを始めたんだ」

LL COOL J:

「あのビートはヤバかった。狂ってるって思ったよ。ボブはいつだってすごくクリエイティブで、才能に溢れていた。あれを初めて聴いた時、俺は “やってやるぜ!”って気になった。俺たちはマンション中を走り回ったものさ。“Mama Said Knock You Out”は最初から最後まで意識の流れにしっくりきたんだ。俺たちは男だらけの部屋に座って、12インチのSP盤を流しながら、話してた。ヴォーカルを考えていたんだ。ビールを飲みながら、歌詞を書き留めて、頭の中がオールド・イングリッシュでいっぱいになった」

さらにLL COOL Jは、「Mama Said Knock You Out」のパフォーマンスを披露した、第34回グラミー賞での初受賞について語っている。オーラル・ヒストリー全文はこちらでご覧いただける。

LL Cool J Grammy awards performance 03_1

また、LL COOL Jのライフスタイル・ブランド“Rock The Bells”のウェブサイトでは、『Mama Said Knock You Out』の30周年を記念して、ボクシング・ブランド“Everlast”とのコラボ企画として、限定ボクシング ・ガウンを制作した

アレキサンダー・ジョンが、アルバムのアートワークからインスパイアされデザインを手掛けた「Rock The Bells x Everlast “Mama Said Knock You Out”」のボクシング・ガウンは、グラミー賞を受賞したこの曲の雰囲気と激しさを、オープニングに登場する「Don’t call it a comeback」というフレーズを用いて表現しており、ガブリエル・ロサド、アンドレ・ディレル、アンドレ・ベルト、アブネル・マレス、マイキー・ガルシアら、新旧のボクシング・チャンピオン達がモデルを務めている。

LL COOL Jは、自身の作品の制作秘話と共に、ビッグ・ダディ・ケイン、Run-DMC、ソルト・ン・ペパ、ファブ・ファイヴ・フレディー、エリック・B、ロクサーヌ・シャンテ他、一流アーティストたちと提携し、彼らに関連したインタビュー、解説、アパレル商品などの発信地として、このこのウェブサイト“Rock The Bells”を立ち上げている。プロデューサー、俳優、ラジオ司会者など、幅広い活動を続けるLL COOL Jは、この“Rock The Bells”を2018年3月にラジオ局として立ち上げ、その後2020年1月にウェブサイトを開設した。

「時代を超越した一流ヒップホップ・アーティストのための拠点を作りたかったんです。このサイトでは、例えば、“旬なチャートトッパーでなければ何の価値もない” といったように、彼らを商品のように扱うつもりはありません。ラジオ世代のファンは、真の意味で本物の、一流のヒップホップ文化を深く掘り下げる場所を失ってしまっていたように感じていました」と彼はローリング・ストーン誌に語っていた。

Written By Sam Kesler



LL COOL J『Mama Said Knock You Out

 CD / Spotify / Apple Music / iTunes / Amazon Music



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