R&Bシンガー、ジェームス・イングラムが逝去。その経歴とクインシーの追悼コメントを掲載

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R&Bアイコン、シンガーソングライターとして1980年代から90年代にかけて人気を博したジェームス・イングラムが脳腫瘍のため66歳で亡くなったことが、彼の長年の友人であるデビー・アレンによって報告された。デビー・アレンは自身のツイッターでこう伝えている。

「私の最愛の友人で音楽パートナーだったジェームス・イングラムが天に召されました。彼の素晴らしい才能、愛情と人間味に溢れる人柄はこれからも大切に、人々の記憶に残されていくことでしょう。私は彼と親しく接することができて幸運でした。彼の功績を一生語り継いでいきます」。

ジェームス・イングラムの艶やかなバリトンは当時の流行りだったコンテンポラリ-R&Bのジャンル、クワイエット・ストームのバラードやスムースR&Bに気品をもたらした。シンガー兼プロデューサーだった彼にとっての初めて全米No.1ヒットは、パティ・オースティンとのデュエット曲「Baby, Come To Me」で、1990年にも「I Don’t Have the Heart」で再び全米1位に輝いた。

 

商業的にも成功を収め、批評家からも高く評価されたジェームス・イングラムは、1982年から1996年にかけてグラミー賞に14度ノミネートされ、クインシー・ジョーンズのアルバム「The Dude」に収録された「One Hundred Ways」、そしてマイケル・マクドナルとのデュエット曲「Yah Mo B There」で2度のグラミー賞最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞した。

 

ジェームス・イングラムとクインシー・ジョーンズは長年パフォーマー、そしてソングライターとして多くのコラボレーション作品を生み出した。ジェームス・イングラムはアルバム『The Dude』の中の3曲を手掛け、マイケル・ジャクソンのヒット曲「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」やアル・B・シュア!、エル・デバージ、そしてバリー・ホワイトをフィーチャリングした「The Secret Garden」も二人の共作によるものである。

クインシー・ジョーンズはこの訃報を受けて、こうコメントしている。

「私の最愛の弟、ジェームス・イングラムが亡くなったことを知って、この胸の痛みをどう表現していいのかわかりません。あのソウルフルで、味わい深い歌声、ただただ素晴らしかった。‘Just Once’のデモテープで初めて彼の歌声を聴いた時から、‘One Hundred Ways’、パティ・オースティンとの‘How Do You Keep The Music Playing’、‘Secret Garden’や‘We Are The World’ 、これまで私たちがコラボレーションした全ての作品において、彼の美しい歌声は私たちの心に染み込み、安らぎを与えてくれました。彼の月のように大きなハートと美しい人柄を思うとそれも当然のことのように思えます。ジェームス・イングラムはこれからもずっと唯一無二です。愛する弟よ、安らかにお眠りください。君は一生私の心の中に生き続けます」。

また彼は、アニメ映画『アメリカ物語』の主題歌でリンダ・ロンシュタットとの「Somewhere Out There」や、映画『ベートーベン2』の主題歌でドリー・パートンとの「The Day I Fall in Love」をはじめ、多くのデュエット・ヒットでも知られていた。これらの90年代映画サウンドトラックにおいては、アカデミー賞やゴールデングローブ賞歌曲賞で何度もノミネーションを受けていた。

オハイオ州のアクロンで生まれ育ったジェームス・イングラムは、ソロ活動を始める以前、70年代のRevelation Funkというバンドのメンバーとしてその音楽キャリアをスタートさせた。クインシー・ジョーンズが彼のデモテープを聴き、アルバム『The Dude』でのパフォーマンスで大ブレイクを果たす以前は、ロサンゼルスでセッション・キーボディスト、シンガーとして働いていた時期もあった。当時はまだソロ作品の発表前であったにも拘らず、彼はこのアルバムの大成功によって、グラミー賞最優秀新人賞にノミネートされた。



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