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サセックスやタブーの創設者、クラレンス・アヴァントが92歳で逝去。その功績を辿る

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Clarence Avant - Photo: Courtesy of Kevin Mazur/Getty Images for The Rock and Roll Hall of Fame

マネージャー、レーベル・オーナーとして、またその枠を超え、数え切れないほどのR&Bアーティストの成功に貢献したクラレンス・アヴァント(Clarence Avant)が2023年8月13日、ロサンゼルスの自宅で逝去した。92歳だった。

サラ・ヴォーンやビル・ウィザースからS.O.S.バンド、プロデューサーのジミー・ジャム&テリー・ルイスまで、様々なアーティストのキャリアアップに貢献したことから、彼はしばしば“ブラック・ミュージックのゴッドファーザー”と呼ばれた。

サセックス(SUSSEX)とタブー(Tabu)の両レーベルを経営し、1990年代にはモータウン・レコードの会長を務め、2019年にはレコーディング・アカデミーによってグラミー賞アイコン・アワード(Salute to Industry Icons)を授与された他、その2年後にはロックの殿堂入りを果たしている。

彼の遺族は声明でこう述べている。

「クラレンスは愛する家族と、世界を変え、これからも何世代にもわたって変え続けるであろう多くの友人や仲間達を後に残しました。彼のレガシーがもたらす喜びは、私たちの喪失の悲しみを和らげてくれます」

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その生涯

1931年2月25日にノースカロライナ州クライマックスで生まれたクラレンス・アヴァントは、10代でニュージャージーに移住し、1950年代にナイトクラブのマネージャーとして音楽業界でのキャリアをスタートさせた。

数十年にわたってルイ・アームストロングのマネージメントを務めたジョー・グレーザーに師事した彼は、サラ・ヴォーン、フレディ・ハバード、ジミー・スミス、ラロ・シフリン、キム・ウェストン、その他多くのミュージシャンのマネージメントに携わったほか、ニューヨークでは、全米ラジオアナウンサー協会(NARA)の顧問、理事、役員も務めた。

その後ロサンゼルスへと拠点を移した彼は、モータウンの元作曲家でプロデューサー、A&R責任者の“ミッキー”・スティーブンソンが経営するベンチャー・レコードとMGMレコードの契約や、スタックス・レコードのガルフ・アンド・ウェスタンへの売却などを仲介しながら、1969年後半、ブッダ・レコード流通のもと、自身のレーベル、サセックス・レーベルを設立し、当時無名だったビル・ウィザースを1970年代のクロスオーバー・スターへと育て上げた。

Bill Withers – Ain't No Sunshine (BBC In Concert, May 11, 1974)

その後もサセックス・レコードは、モータウンを支えた一流セッション・バンド“ファンク・ブラザーズ”の元メンバーで、1971年にザ・デトロイト・ギター・バンドとの「Scorpio」で大ヒットを記録したデニス・コフィーや、1972年の全米TOP5シングル「Nice To Be With You」で知られるソフト・ロック・バンドのギャラリーらを契約。

彼はまた、KAGM-FMを(アヴァンギャルド・ブロードキャスティング)を設立し、アメリカ初の黒人所有のラジオ局のひとつとなった。

Scorpio

サセックス・レコードでの取引終了後、彼はすぐにタブー・レコードを設立し、アトランタ出身のソウル・グループ、S.O.S.バンドで顕著な成功を収め、新進プロデューサー・デュオ、ジャム&ルイスを通じて同レーベルの特徴的なサウンドを発展させていった。

彼らは、シェレールやアレクサンダー・オニールなど、タブー・レコードが輩出した多くのアーティストのサウンド形成に貢献。タブー・レコードは、他レーベルとの提携を経て、1990年代、クラレンス・アヴァントがモータウンの会長を務めていた一時期、モータウンの傘下に入っていたこともある。彼はまた、ポリグラムで国際経営理事を務めた最初のアフリカ系アメリカ人でもあった。

The S.O.S. Band – Just The Way You Like It

クラレンス・アヴァントの訃報を受け、ユニバーサル ミュージック グループの会長兼最高経営責任者であるルシアン・グレンジは、彼の比類なきレガシーに敬意を表し、次のような公式声明を発表している。

「過去何十年にわたって感じられてきたクラレンス・アヴァンの並外れた音楽的レガシーは、この先も何十年にわたって感じられるでしょう。彼は素晴らしい触媒、そして文化の保護者として記憶されることでしょう。彼の控えめながら力強い影響力は、音楽を超え、エンターテインメント、スポーツ、政治の世界にまで及びました。彼の友情と指導に深く感謝しています。我々は、その才気、ユーモア、不遜さ、そして愛によって世界をより良い場所にした唯一無二の先見者を失いました」

Written By Paul Sexton



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