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クリーム『Wheels Of Fire』スーパーデラックスエディション発売決定:CDとLPで発売

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ロック史上もっとも有名なスリー・ピース・バンド、クリーム(Cream)による革新的な1作にして、史上初めてプラチナ・ディスクに認定された2枚組アルバム『Wheels Of Fire(クリームの素晴らしき世界)』。以前は紛失したと考えられていたテープから、未発表トラックやレア音源を収録したスーパー・デラックス・エディションが5CDとLPにて2026年6月12日に発売される。

未発表トラック「White Room (Early Version Mono Mix / Remastered 2026)」も先行配信された。

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White Room (Early Version Mono Mix / Remastered 2026)

 

クリームは1968年6月14日に3rdアルバム『Wheels Of Fire』をリリース。スタジオ録音のディスクと猛烈なライヴ演奏のディスクの2枚から成る同作は、音楽史上屈指の影響力を誇るこのバンドの創造性が頂点を極めた1作だった。だがグループはその26日後に解散を発表。その時点でこのアルバムはメンバーたちの母国である英国で発売すらされていなかった。その2週間後にアルバムはようやく同国の店頭にも並んだが、そうした中で英米両国のリスナーや世界中に多数存在したファンはショックと興奮と困惑を同時に味わったのだった。

それから60年近くが経った今、同作が豪華なパッケージでリイシューされる。そこには、数十年のあいだ紛失したと考えられていたオリジナルのモノ音源が初収録されるほか、収録曲のアウトテイク、別ミックス、ライヴ音源、そして新たに修復されたアルバムのステレオ・ヴァージョンも収められる――1968年の制作時、同作にはHaeco-CSG[*]の処理が施されていたが、この修復ヴァージョンではオリジナル版のステレオの音像をぼやけさせていたその処理の影響を除去しているのだ。

[*]Haeco-CSGシステムは、ステレオ音源にモノラルの再生機器との完全な互換性を持たせるためのもの。一方でCSGのプロセスには、ステレオの音像を”ぼやけさせてしまう”という不都合な副作用もあった。今回、マスタリングの過程において利用可能なデジタル・オーディオ処理ソフトを使用することで、Haeco-CSGによるこの副作用を打ち消すことが可能となった。

今回新たに発売される『Wheels Of Fire』のスーパー・デラックス・エディションには、プロデューサー/マルチ・プレイヤーのフェリックス・パパラルディが所有していた参照用テープの音源も収録。完全に紛失したと考えられていたこのテープは、同作のスタジオ音源の制作過程をユニークな視点から覗かせてくれる。

60年代中期、フェリックス・パパラルディと妻のゲイルは、ニューヨークはグリニッジ・ヴィレッジのマクドゥーガル・アリーにあるキャリッジ・ハウスに住み始めた――そこは、のちにエレクトリック・レディ・スタジオが設立される場所のすぐそばだった。

70年代前半になって夫妻はそこから引っ越したが、その際に彼らはビニール袋に入った数百本のオープン・リール・テープを忘れていった。だが幸いにも、この貴重な品はその物件の大家だった女性により保管された。その袋にはパパラルディがプロデュースしていたヤングブラッズのテープのほか、クリームとの重要な仕事のテープも含まれていた。その後、時は流れて今から20年ほど前、コア・ヨーズというベテランのコレクターがクリームのテープの話を聞きつけ、それらを入手。彼はその存在をラリー・イェレンに知らせた。ラリーはグラミー賞にノミネートされた映画『エリック・クラプトン~12小節の人生~』のプロデューサー。エリック・クラプトンの経歴にも詳しく、数多くの音楽ドキュメンタリーでアーカイヴ・プロデューサーを務めてきた人物だ。

そしてグラミー賞受賞歴のあるリイシュー・プロデューサーのビル・レヴェンソンと英国出身のA&Rのエキスパートであるジョニー・チャンドラーの協力を得てそれらのテープを買い取る準備が整えられ、そののち本プロジェクトに加えるべく音源の変換処理が行われたのである。このプロジェクトはそうして数十年の準備期間を経て実現した。

パパラルディを迎えてのスタジオでのレコーディング・セッションはまず、1967年の7月と8月にロンドンのIBCスタジオで行われた。これは『Disraeli Gears(カラフル・クリーム)』がリリースされる数ヶ月も前のことで、そのあとも同年9月、10月、12月にアメリカでも短期間のレコーディングを敢行。録音は1968年の春に終了した。そしてこのアルバムの2枚目のディスクには、ウィンターランド・ボールルームで録音された3曲とフィルモアで録音された1曲から成る計4曲のライヴ音源が収められた。そのうち「Crossroads」でクラプトンが弾いた2番目のソロは、”史上最高のギター・ソロ”を決める複数のランキングでトップ20入りを果たしている。

Crossroads (Live)

クリームはこのあとももう1作アルバムを発表したが(1969年のコンパクトな作品『Goodbye Cream)、彼らの創造性が頂点を極めたのはやはり『Wheels Of Fire』である。同作はそれ以前の2作と並び、現在に至るまで新たな世代のミュージシャンたちに影響を与え続けている。


クリーム『Wheels Of Fire』スーパー・デラックス・エディション
2026年6月12日発売
5CD / LP

ディスク1:Wheels Of Fire:イン・ザ・スタジオ〜フェーズ・コレクテッド・2026リマスター

『Wheels Of Fire』のスタジオ・パートの9トラックを新たにリマスタリングした特別なステレオ・ヴァージョン。1968年のオリジナル版にはCSG処理が施されていたが、この新たなリマスター版ではそのCSG処理の効果を打ち消し、位相のズレを修正した。それにより、細部まで鮮明に聴こえる明瞭な音場を実現している。

ディスク2:アルバムのスタジオ・パートの収録曲を新たにリマスタリングしたモノ・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョン。いずれもクリームのプロデューサーを務めた故フェリックス・パパラルディが個人所有していた参照用リールの音源を基にしており、世に出るのは初めてである。ステレオ、モノ各9トラックのこれらのミックスには、アルバム収録ヴァージョンとは異なるミックスも多数含まれている。

ディスク3:1968年3月に行われたライヴ・アット・ザ・フィルモア・オーディトリアム&ウィンターランド・ボールルームの4曲のリマスター音源を収録。

ディスク4:1968年3月に行われた一連のコンサートで演奏された8曲の追加トラックを収録。うち7トラックは1970年作『Live Cream Volume I』と1972年作『Live Cream Volume II』で日の目を見ていた。一方、1968年3月10日にウィンターランド・ボールルームで録音された「We’re Going Wrong」は初めての公式リリースとなる。

ディスク5:15トラックの秘蔵音源を収めた新たなレア音源集(うち9トラックは未発表)。アルバム収録曲の初期ヴァージョン、別ミックス、シングル・ヴァージョンを含む。目玉となる「ホワイト・ルーム(アーリー・ヴァージョン・モノ・ミックス)」、「デザーテッド・シティーズ・オブ・ザ・ハート(荒れ果てた街)[ラフ・モノ・ミックス/ノー・ストリングス]」、「クロスロード(十字路)[モノ・シングル・ヴァージョン]」の3トラックのほかにも、ステレオ/モノの両方を含む7トラックの別ミックス、3トラックのシングル・ヴァージョン、2トラックの秘蔵ライヴ音源が収録される。

5CDの本ボックス・セットには、ジム・ファーバーによるスリーヴ・ノートや当時のクリームの写真を掲載したハードカヴァー・ブックも付属。5枚のCDは見開き式のスリーヴに収められ、そのスリーヴとブックは、銀色のラミネート加工を施した10インチ×10インチの頑丈なスリップケースに収納される。

Written By uDiscover Team



 

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