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ムーディー・ブルースのジョン・ロッジが82歳で逝去。その功績を辿る
ムーディー・ブルース(The Moody Blues)のシンガー/ベーシスト/ソングライターとして知られるジョン・ロッジ(John Lodge)が、82歳で逝去した。彼の家族の発表によると、死因は「突然で予期せぬもの」だったが、「エヴァリー・ブラザーズとバディ・ホリーの音楽に包まれながら、愛する家族に見守られて静かに息を引き取った」という。
声明では、「彼の愛情、笑顔、優しさ、そして揺るぎなく絶え間ないサポートを私たちは永遠に恋しく思うでしょう」と綴られている。
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その生涯
英バーミンガム出身のジョン・ロッジは、まだ十代だった1960年代初頭に地元の音楽シーンでそのキャリアをスタートさせ、後にムーディー・ブルースの創設メンバーとなるレイ・トーマスと出会いバンドを結成。その後、学業に専念するために一時的に音楽活動を離れるも、1966年、オリジナル・ベーシストの脱退を機にムーディー・ブルースに加入した。
以降、ジョンは1972年のバンド初の全米No.1アルバム『Seventh Sojourn』のために手掛けたヒット・シングル「I’m Just a Singer (In a Rock and Roll Band)」と「Isn’t Life Strange」でASCAPのソングライティング賞を受賞するなど、バンドの主要ソングライターのひとりとして活躍した。
ムーディー・ブルースでの活動の傍ら、プロデューサーやソロ・アーティストとしても精力的に活動してきたジョン・ロッジは、2023年にキャリア最後のソロ・アルバム『Days of Future Passed: My Sojourn』を発表した。2019年にツアー活動を終えるまでムーディー・ブルースのメンバーとしてステージに立ち続けたジョンについて、家族は次のように語っている。
「彼が最も幸せを感じるのはステージの上でした。生粋の“ロックンロール・バンドのシンガー”である彼は、義理の息子ジョンと共に演奏し、音楽をファンと分かち合うことを心から愛していました」そして、「娘エミリーと息子クリスティアンと仕事を共にし、孫のジョン=ヘンリーがサッカーに打ち込む姿を見守りながら、いつか彼がバーミンガム・シティでプレーする日を夢見ることが、彼にとって何よりの喜びでした」と続けた。
ジョン・ロッジは妻のカースティン、娘のエミリー、娘婿のジョン、息子のクリスティアン、そして孫のジョン=ヘンリーを後に残した。彼の家族は声明を次のような言葉で締めくくっている。
「今は胸が張り裂けるような思いですが、彼が私たち一人ひとり注いでくれた愛に包まれながら、平穏へと歩みを進めていきます。ジョンがいつもライヴの終わりに、“信じ続けてくれてありがとう”と言っていたように」
Written By Hannah Zwick
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