セックス・ピストルズによるエディ・コクラン「Somethin’ Else」のカバーはシド・ヴィシャスへの追悼曲

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1979年にはもともとのパンク精神は蒸発してしまっていたかもしれないが、全英チャートにはまだその唸りとロックン・ロールのスピリットが残っていた。では、セックス・ピストルズに5枚連続となった全英トップ10シングルをもたらしてくれたのは誰か? 他ならぬエディ・コクランだ。

その年の3月3日、シド・ヴィシャスがドラッグの過剰摂取で亡くなった1か月後に、セックス・ピストルズは不運なペーシストを追悼し、エディ・コクランの不滅のティーネイジ・アンセム「Somethin’ Else」(セックス・ピストルズの表記は“Something”)の騒がしいヴァージョンで全英チャート入りした。

ドキュメンタリー映画『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』の新しいサウンドトラックからシングルとしてヴァージン・レコードがピックアップし、シングルはジョニー・ロットンの脱退のあとにリリースされたため、数々のパフォーマーのヴォーカルをフィーチャリングした。同じくパンクでブレークしていたテンポール・チューダーのエドワード・チューダー=ポールやピストルズのギタリストスティーヴ・ジョーンズは両A面シングル「Friggin’ In The Riggin」でリード・ヴォーカルを務めた。

チャートに不条理はよくあることだが、セックス・ピストルズの「Somehtin’ Else」はエディ・コクランのオリジナルよりはるかに良い結果を達成した。エディ・コクランの曲は1959年に全英チャートで22位を達成した。新しいヴァージョンは24位でチャートに登場し、3月末には最高5位を達成し、チャートのトップだったグロリア・ゲイナーの「I Will Survive」そして2位だったヴィレッジ・ピープルの「In The Navy」につづきチャート上位を記録した。

そしてセックス・ピストルズがエディ・コクランのカタログをカヴァーしたのはこれが最後ではなかった。その年の後半に「Silly Thing」で全英6位を達成し、「C’mon Everybody」のカヴァーで3位に戻り、通算7作目のトップ10シングルの最後を飾った。

Written by Paul Sexton


「Somethin’ Else」の収録された『The Great Rock ‘n’ Roll Swindle』



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