シュープリームスがミュージカルに挑戦『The Supremes Sing Rodgers & Hart』

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シュープリームスのモータウンのコラボレーター、エディ・ホーランド・ジュニア、ラモント・ドジャー、ブライアン・ホーランドの3名によるプロデュース・チーム「ホーランド=ドジャー=ホーランド」の曲が収録されたアルバムをリリースしてたった4か月後となる1967年5月22日、シュープリームスは彼女たちの11枚目のアルバムと共に戻ってきた。今回は、(前作とは)かなり対照的に、ミュージカルに挑戦していた。

アーティスト名にダイアナ・ロス が付く前の最後のアルバムであり、彼女たちの新作は、『The Supremes Sing Rodgers & Hart』である。ベリー・ゴーディとギル・アスキーによるプロデュースで、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートのライター・コンビを称えた12曲の楽曲をフィーチャーした作品だ。

ベリー・ゴーディはかねてより、シュープリームスには彼女らのもともとのR&Bファン・ベースを超えて、中産階級のアメリカ人に届く力があると認識しており、白人の観客向けのサパー・クラブ等でこのトリオを演奏させ、その能力を最大化してきた。そして彼は、このアルバムが論理的な次の段階になると見込んでいた。

たとえ、数名の彼女たちの最新スマッシュ・シングルヒットである「You Keep Me Hangin’ On」や「Love Is Here And Now You’re Gone(邦題:恋ははかなく)」のファンが、「The Lady Is A Tramp」や「My Funny Valentine」のカヴァーが彼女たちに似合わないと感じたとしても、彼女たちはアルバム発売の前に、疑いようもなくポップ・オリエンテッドな楽曲「The Happening」で全米シングル・チャートのトップを飾ったのだ。(「The Happening」をR&Bチャートで)たった12位までしか押し上げられなかったR&Bフォロワー達を犠牲にして、シュープリームスは中産階級の観客たちにも精通することになった。

このアルバムのトラックリストには、1934年の「Blue Moon」、「My Romance」(1935年、ミュージカル『Jumbo』より)、1938年の『シラキュースから来た男たち(原題:The Boys From Syracuse)』の「Falling In Love With Love(邦題:恋に恋して)」など、主にリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートによる1920、30年代の由緒ある作品群からの楽曲が選ばれている。 このアルバムはグループがあと13曲を録音したため、当初2枚組でリリースされる予定だった。それらは2002年にリリースされたコンプリート・レコーディング・ヴァージョンで聴くことができる。

シュープリームスがホーランド=ドジャー=ホーランドを歌ったアルバムは全米ポップ・アルバム・チャートの6位を獲得したが、『Sing Rodgers & Hart 』は全米アルバム・チャートの20位まで到達した、9月までに、ダイアナ・ロス&シュープリームス(このころにはその名前になっていた)は彼らの初の『Greatest Hits』アルバムでチャートに戻ってくることになる。



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