83年夏アメリカのお気に入りはポリスの「Every Breath You Take / 見つめていたい」

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1983年7月9日、80年代ポップを定義する1枚のシングルがアメリカに上陸した。この曲はバンドにとって唯一全米・シングル・チャートで1位を飾った曲だが、「Billy Jean」よりも「Sweet Dreams (Are Made Of This)」よりも「Do You Really Want To Hurt Me」よりも売れ、その年最大のヒット曲となった。その曲は、ポリスの「Every Breath You Take」(邦題:見つめていたい)である。


スティンによって書かれたこの曲は、既にUKチャートのトップを4週に渡って維持しており、勢いもそのままに大西洋を渡ってきた。カリブ海のモントセラトで6週間かけて収録されたアルバム『Synchronicity』もイギリスでは既に2週連続1位を飾り、このトリオはいよいよ本格的に全米制覇を仕掛けに来たのだ。

一般的に「Every Breath You Take」は軽い耳触りの良いポップ・ソングと思われがちだが、作者の見解はそうでもなかった。「僕からしたらとても怪しい曲だ」とスティングは語り、作曲当時は冷戦に核兵器が投入され、新たなレベルの緊張感の中で書かれたものだったという。「これは監視、所有欲、そして嫉妬を歌っているんだ」と説明する。

それらがスマッシュ・ヒットを生む要因でなければ、レコード・バイヤーやラジオ、テレビ番組の制作者は他の曲を選んだだろう。「Every Breath You Take」はイレーナ・カラの「Flashdance…What A Feeling」から全米チャート1位を奪い、そのまま2ヶ月(8週連続)もの間守り続けた。

しかしそれも、アルバム『Synchronicity』の成功に比べれば小さいものだ。グラミー賞を獲得したこのアルバムは、シングルが頂点に立つ7日前に1位を獲得し、17週連続でトップを飾ったのであった。

Written By Paul Sexton


スティング『My Songs』
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