サンディ・デニーが加入したフェアポート・コンヴェンションのセカンド・アルバム『What We Did On Our Holidays』

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フェアポート・コンヴェンションの創立時のメンバー、アシュリー・ハッチングスによると、バンドの初期では、彼らは決してブリティッシュ・フォークに分類されていなかった。しかしバンドの形成期において、ジョニ・ミッチェルやレナード・コーエン(どちらともアシュリー・ハッチングスは対面している)らの北米のシンガー・ソングライターの作品を称賛しており、その音楽は彼らの遺伝子に入り込んでいた。

フェアポート・コンヴェンションは、1968年に『Fairport Convention』でデビューを果たす。このアルバムは1967年後半に録音され、翌年の6月にリリースされた。バンドは、ライヴで各地を回ることで、その評判をあげていった。「僕らは、1967年に活動を始めたんだ」と創設メンバーのアシュリー・ハッチングスは昨年、プログ・マガジンのためにポール・セクストンに語った。「当時の僕らはアメリカのアーティストのコピーをしていたようなものだったから、自分たちが成功するなんて思ってなかった」。

「しかし、ジョン・ピール(非常に影響力の大きいBBCのDJ)や多くの人が、セカンド・アルバムまで応援してくれてたんだーおそらく、サード・アルバムもだと思う。音楽的にはよりフォーク色が強まっていった。サンディ・デニーが加入して、もしくはデイヴ・スウォーブリックが加入したことで、突然フォークになったとしても不思議はないよね」。

「リチャート・トンプソンとサイモン・ニコルと僕、そしてはじめはジュディ・ダイブルはいつもフォーク・クラブに行っていて、それは僕らのDNAの一部だった。だけど、1969年になる頃には、アメリカからの影響だけでそれを続けるのは無理だと気が付いた」。

「そこ頃までには、僕はローマでザ・バーズと出会ってグラム・パーソンズと話をしたんだ。彼はちょうどバンドに加入したばかりだった。そして、ザ・バンドにも出会ったよ。そして、僕たちの中でもようやく合点がいったんだ。“歴史に残る音楽を自分たちのヴァージョンにしてやってみよう”とね。それからは何も振り返らなかった。1969年はとてもに重要な年になったんだ」。

そして、意外なことに1969年は、フェアポート・コンヴェンションのセカンド・アルバム、サード・アルバム、フォース・アルバムの3枚のアルバムがリリースされた年でもある。われわれは今回、セカンド・アルバム『What We Did On Our Holidays』に焦点を絞って紹介していこう。この作品は初めて、サンディ・デニーの印象的なヴォーカルをフィーチャーした作品だ。彼らのソング・ライティングの泉に、彼女の才能が加わり、その後彼らの十八番となっていくブリティッシュ・フォークの方向にグループが向かったように感じられる作品である。(サンディ・デニーはフェアポート・コンヴェンション脱退後、短命ではあったがフォザリンゲイという名のグループで活動した)

彼らの代表曲にはジョニ・ミッチェルの「Eastern Rain」やボブ・ディランの「I’ll Keep It With Mine」のカヴァーもあるが、6人のメンバーはそれぞれが、またはグループとして、アルバムのソングライティングにクレジットされている楽曲も多く存在する。

エレクトリック、アコースティック・ギタリストのリチャード・トンプソンは、『What We Did On Our Holidays』リリース時にはまだ19歳だったが、すでに3曲自身の曲を提案しており、その中にはグループの不滅の代表曲であり、ショウの終りに演奏される「Meet On The Ledge」が含まれている。また、バンド仲間と共作した楽曲も2曲あり、また彼らは2曲のトラディショナル曲をアップデイト、そのうちの1曲は抗いがたいほど魅力的な「She Moves Through The Fair」である。

またヴォーカリスト兼パーカッショニストのイアン・マシューズとドラマー/パーカッショニスト/ヴァイオリニストのマーティン・ランブルも楽曲を制作、そしてアシュリー・ハッチングスも彼が作曲した「Mr. Lacey」でロックン・ロールを持ち込んでいる。そして、アルバムは、サイモン・ニコルの「End Of A Holiday」で締めくくられている。

フェアポート・コンヴェンションがサード・アルバム『Unhalfbricking』ではじめてUKチャートに姿を現すまでには、数ヶ月あった。しかし、『What We Did On Our Holidays』は現在までの半世紀に及ぶほど続いている物語の生き生きとした序章なのだ。

Written By Paul Sexton



フェアポート・コンヴェンション『What We Did On Our Holidays』

  

 

 

 

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