ニルヴァーナの伝説的ライヴ, 噂を皮肉って登場した92年レディングフェス

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長年に亘り、世界中から様々なアーティスト達がイギリスで行われるレディング・フェスティバルに集まってくる。逆に、そこでのパフォーマンスによって世界に羽ばたいていくようになったアーティスト達もいる。1992年8月30日、前年に続き2度目の登場したニルヴァーナのレディングでのステージは、ニルヴァーナにとってというだけでなく、どの時代のどの場所の誰のステージと比較しても引けを取らないほど素晴らしいものであったことは、誰もが認めるところだ。

この有名なフェスに彼らが初めて登場した1年前の1991年の夏の時点では、彼らはまだ呼び物という位置付けからは程遠い存在だった。1989年にサブ・ポップからデビュー・アルバム『Bleach』をリリースして玄人筋から高評価を得たが、ヒット・チャートを賑わすには至っていなかったのだ。1991年のレディングの時点ではアルバム『Nevermind』及び同作からの先行シングル「Smells Like Teen Spirit」のリリースは、まだ数ヶ月先の話だ。しかしその12ヶ月後の1992年8月には、ニルヴァーナはマルチ・プラチナムの一大センセーションを巻き起こし世代を代表するロック界きっての大物バンドになっていた。『Nevermind』は、全米アルバム・チャートに5年間とどまり続け、アメリカ国内だけで1,000万枚ものセールスを記録することになる。


2回目の出場となった1992年のレディングのステージでは、カート・コバーンは音楽ジャーナリストのエヴェレット・トゥルーが押す車椅子に座って登場し、そしてマイクの前で倒れてみせた。フェスティバル界隈で流れていたドラッグの過剰摂取によって入院していたという噂を皮肉ってみせたのだ。

クラッシュ誌でのインタビューでのエヴェレット・トゥルーの言葉によれば、車椅子で登場する演出は、カート・コバーンと娘のフランシス・ビーンを出産したばかりの彼の妻 であるコートニー・ラヴについての揶揄や噂 、例えば「カートは入院している」とか「カートは逮捕された」だとか「カートはドラッグ漬け」や「コートニーはドラッグ漬け」とか「生まれたのは奇形児だった」等々を吹聴する連中を煽るためにステージ前日の夜に計画したものだったらしい。


この時のフェスティバルでのパフォーマンスは、CDおよびDVD『Live At Redding』に記録され、永遠に残されることになった。長い間ファンの間で海賊版が出回っていたが、2009年にオフィシャル・リリースされている。「Smells Like Teen Spirit」、「Come As you Are」、「All Apologies」、「Lithium」といったニルヴァーナを語る際に欠かせない作品はもちろん、ワイパーズやファングの作品のカヴァーなども収められている。しかしこれがイギリスでのニルヴァーナの最後のパフォーマンスになろうとは、当時は誰一人として知る由もなかった。





ニルヴァーナ『LIVE AT READING』

    

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