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ダイアナ・ロス、テレビ特番のサントラ『Diana!』: カーペンターズやアレサ、ジャクソン5のカバーを収録

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遠くから見ていると、ダイアナ・ロスは自分の好きなようにやり、シュープリームスを離れてすぐソロとして大成功したように思えたかも知れない。しかし、1970年代にモータウンの下で独立してからの最初の2年間、すべてが順調だったわけではなかった。

セルフ・タイトルのファースト・アルバムは1970年に全米R&Bチャートで1位となったが、ポップ・チャートでは19位で終わった。直後に発売された『Everything Is Everything』はR&Bチャートで5位、ポップ・チャートでは最高42位に留まった。その後、1971年4月24日にソロとして初めて出演したテレビ特番のサウンドトラック『Diana!』がポップ・アルバム・チャートにランクインを果たした。

アルバム『Diana!』は、2017年の“レコード・ストア・デイ”にアナログ盤として発売されたもので、シックのバーナード・エドワーズとナイル・ロジャースがプロデュースした1980年のスマッシュ・ヒット・アルバム『Diana』とはまた別の作品。1971年発売のLP『Diana!』(そしてテレビ番組)には、ダイアナ・ロスと彼女の“弟子”であるジャクソン5、そしてコメディアンのダニー・トーマスとビル・コスビーが参加している。

Diana TV special 1971

サウンドトラックとしては珍しく、このアルバムはなぜか番組放送前に発売された。ABCが番組の放送を開始すると、視聴率が高かったことも手伝い視聴率TOP20にチャートインし、ダイアナ・ロスはデザイナーのボブ・マッキーと共に技術的部門でエミー賞にノミネートされた。

全米シングル・チャートでTOP20入りのヒットとなった「Remember Me」、さらにその前に発売され全米1位に輝いた「Ain’t No Mountain High Enough」は共にアルバムに収録され、番組でも使用された。ダイアナ・ロスはその他にもこのスペシャル番組で、カーペンターズのヴァージョンが1970年にチャートの1位を飾ったバカラック&デヴィッドによる「(They Long To Be) Close To You」、モータウンらしい楽曲でベリー・ゴーディのキャバレーへの情熱が伝わってくるアレサ・フランクリンの「Call Me」、そして1964年のミュージカル『ファニー・ガール』からのボブ・メリルとジュール・スタインの「Don’t Rain On My Parade」など様々なアーティストのカヴァーを披露した。

それら全ての要素に加え、ジャクソン5のメドレー2曲、そしてダニー・トーマスとビル・コスビーのコーナーのお陰で、アルバム『Diana!』は全米R&Bチャートで最高3位にランクインを果たした。一方で、ポップ・チャートでは最高46位と控え目な記録となった。

モータウンはこのアルバムのイギリスでの発売を番組がBBC2にて放送される9月18日後まで待った。1週間は43位でチャートに登場したが、その後ダイアナ・ロスのスタジオ・アルバムが10位に同時チャートインしたことにより、すっかり影を投げかけられてしまった。アメリカで『Surrender』のタイトルでリリースされた彼女のアルバムは、イギリスでは『I’m Still Waiting』とタイトルを変えてリリースされ、タイトル・トラックのシングルは全英1位に輝いた。

By Paul Sexton


ダイアナ・ロス『Diana』



 

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