テンプテーションズ3曲目の全米1位はエディ・ケンドリックス最後の曲「Just My Imagination」

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「My Girl」と「I Can’t Get Next To You」でポップ・チャートの首位に立っていたテンプテーションズは、1971年4月3日にまたもや快挙を成し遂げた。この日に発表された全米シングル・チャートで、彼らは3度目の首位を獲得したのだ。

そのシングル「Just My Imagination (Running Away With Me)(邦題: はかない想い)」は、ノーマン・ホイットフィールド&バレット・ストロングの共作曲だった(プロデュースもノーマン・ホイットフィールドが担当)。その時点で、既にこのシングルはR&Bチャートでは3週間首位を維持していた。テンプテーションズがR&Bチャートで1位を獲得するのはこれで11回目だった(キャリア全体では15回獲得)。

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この曲の歌詞の中で、リード・ヴォーカルのエディ・ケンドリックスは“夢が本当になったような”すてきな恋人について語っていく。しかし、実はそれはただの空想だと彼は告白する。

当時テンプテーションズは元気のいい陽気な曲を立て続けにヒットさせていたが、この切ない歌は従来のバラード路線に再び回帰する作品だった。

この曲では、デイヴ・ヴァン・デピットのオーケストレーションとジェリー・ロングによる夢見るような幻惑的なストリングス・アレンジがムードたっぷりの雰囲気を醸し出している。また、デニス・コフィーのリリカルなギター・イントロやジャック・ブロークンシャーのヴィブラフォンもすばらしい効果を挙げている。しかしここでの主役は、やはりエディ・ケンドリックスの軽やかなヴォーカルだろう。加えて、「Every night, on my knees I pray…」という感動的なブリッジでは、ポール・ウィリアムズもすてきな歌声を響かせている。

この「Just My Imagination」は、エディ・ケンドリックスがテンプテーションでヴォーカルを吹き込んだ最後の作品になった。そして、このシングルがチャートの首位に達したころには、彼はほぼ脱退状態になっていた。それからまもなく、ポール・ウィリアムズも主に健康上の理由からグループを脱退している。

「Just My Imagination」はジャニス・ジョプリンの「Me and Bobby McGee」と入れ代わりに全米シングル・チャートの頂点に立ち、その座を2週に渡って保った。また、ローリング・ストーン誌が選んだ「史上最高の500曲」チャートでは389位に入っている。1999年にゴールド・ディスクおよびプラチナ・ディスクの認定も受けたこの曲は、テンプテーションズの王冠に並んだたくさんの宝石のひとつとして今も輝き続けている。

Written by Paul Sexton




 

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