オールマン・ブラザーズにアルバム5週連続1位をもたらした、シングル「Ramblin’ Man」

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1973年8月25日はオールマン・ブラザーズ・バンドのシングルとアルバム両チャートへの躍進が始まるところだった。前作『Eat a Peach』が全米アルバム・チャート4位を記録しており、『Brothers and Sisters』も全米アルバム・チャートで初登場で13位を獲得。この南部生まれのロッカーたちはジェスロ・タルからピンク・フロイド、シールズ&クロフツからレオン・ラッセルまで、当時のビッグ・アーティストたちと順位を競り合っていた。

その状況の中で彼らにとって今までと違っていたのは、同じ週にシングル・チャートへのデビューを果たした曲があり、さらにそれがポップ界における彼らの初ヒットになったということだ。カプリコーン・レコードからリリースされた『Brothers and Sisters』から、ギタリストのディッキー・ベッツが作った「Ramblin’ Man」がシングルとして85位に初登場し、すぐにオールマン・ブラザーズ・バンドはニール・ダイアモンド、シェール、バリー・ホワイトなどとトップ40のレギュラー陣に仲間入りしたのだ。

オールマン・ブラザーズ・バンドはそれ以前にも多少のシングルチャートでの動きがあり、1971年の「Revival (Love Is Everywhere)」は92位を記録。1972年のシングル3枚「Ain’t Wastin’ Time No More」、「Melissa」、そしてエルモア・ジェイムスの「One Way Out」のカヴァーはそれぞれ77位、86位、そして同じく86位とランク・インしていた。しかし、1951年のハンク・ウィリアムスの同名の曲からタイトルをつけた「Ramblin’ Man」は、オールマン・ブラザーズ・バンドにとって初めてトップ40入りし、ラジオでもよくかかるようになった曲になった。10月半ばには全米シングルチャート2位になり、唯一トップへの道をはばかるのはシェールの「Half Breed」だけだった。それも、彼女は1975年にグレッグ・オールマンと結婚したのだから皮肉なことだ。

 このシングルのおかげで『Brothers and Sisters』は5週連続1位を記録、そして「Ramblin’ Man」はロックン・ロールの殿堂入りを果たした。オール・ミュージックのレヴューでそのサビは、「サザン・ロックの中で最もキャッチーで最も美しいものかもしれない」と称賛されている。

リリース当時、NME誌で『Brothers and Sisters』のレヴューを書いたニック・ケントは、「‘Ramblin’ Man’はハンク・ウィリアムスの偉大な伝統に自信たっぷりに入り込んで、ベッツの美しいギター・ラインが見事に織り込まれている」と称えた。

ローリング・ストーン誌のバッド・スコッパも「Ramblin’ Man」のファンだった。「(ベッツの)悲しげでひたむきな歌とプレイ、そしてバンドのドラマティックさ、そして彼らの理想の形態と言える歌からインストゥルメンタルに移行するパターンのおかげで、フレッシュで説得力がある曲に仕上がっている。」と述べた。

Written by Paul Sexton



オールマン・ブラザーズ・バンド『Brothers and Sisters』    

 

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