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ジャズについての素晴らしい本20冊

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音楽と音楽家について書く理由はただひとつ。それは皆さんに音楽を聴いてもらいたいから。ここにご紹介する本は全てまさにそうである。その内容はより学術的なものから熱のこもった個人的なものまでに渡る。どれもがジャズに対する愛情でもって書かれており、音楽に関する名著に度々影響を与えてきたものだ。

これはジャズに関する20冊の“ベスト”な本ではないが、探し求めて読む価値あるものばかりだ。きっと音楽をもっと聴きたくなるに違いない。

あなたならどの名ジャズ本をお勧めしますか? またその理由は?

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『Satchmo: My Life in New Orleans』(著者:ルイ・アームストロング
ルイ・アームストロングによる20世紀に入って間もない頃のニューオーリンズの豊かな目撃談は、たまらなく魅力的だ。事実から少しばかり離れてしまっている箇所もあるが、それもまたこの本を非常に読み応えあるものにしている。ポップス(*訳注:ルイ・アームストロングのこと)に関する本は他にもあるが、本人が書いているのはこれのみ。
*邦題『サッチモ:ニュー・オルリーンズの青春』(1970年 音楽之友社刊 鈴木道子訳)

『Collected Works, A Journal of Jazz』(著者:ホイットニー・バリエット)
彼は“ザ・モースト・エレガント・ジャズ・ライター(もっとも洗練されたジャズ・ライター)”と言われており、この練られた散文を読めばその意味がはっきり分かる。これはジャズ半世紀の生きた歴史でもある。

『Treat It Gentle』(著者:シドニー・ベシェ)
魅力的な男についての魅力的な本。人々をニューオーリンズに連れて行ってくれ、その後ヨーロッパへと向かい、そしてアメリカに戻る旅へと誘ってくれる。シドニー・ベシェの評判は時として、彼がどれほど重要な人物だったかその印象を損ねるものだったりする。

『Shining Trumpets – A History of Jazz』(著者:ルディ・ブレッシュ)
1949年に出版された本作の口絵には、ウィリアム・バトラー・.イェイツの言葉が引用されているので、これが学術的内容のものだと認識するだろうし、実際そうなのだが、それと同時に非常に読み易い。このテーマに取り組んだ本としては最も古いもののひとつであり、それでいて魅力的な書物だ。

『Jazz: An Introduction to the History and Legends Behind America’s Music』(著者:ボブ・ブルーメンソール)
ボブ・ブルーメンソールの『Jazz: An Introduction to the History and Legends Behind America’s Music』は素晴らしい本だ。“現在入手可能な小型のジャズ入門書の中で唯一にして最良の本”と呼ばれている。間違いなく最高傑作のひとつだ。

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『The Song of The Hawk – The Life and Recordings of Coleman Hawkins』(著者:ジョン・チルトン)
2016年初期に死去したイギリス人音楽家、執筆家、批評家のジョン・チルトンは、世界ジャズ界最大にして最後の擁護者のひとりだった。ホーク(コールマン・ホーキンス)の音楽についての見識は唯一無二で、その作品は真の大物のひとりを理解するのに重要な役割を果たしている。

『Miles』(著者:マイルス・デイヴィス
マイルス・デイヴィスの自叙伝は、他のどんな本よりも20世紀半ばのジャズへの見識を与えてくれる。彼は内側にいた人物であり、従ってその洞察力は非常に個人的で、恐らくは彼以外には書けなかったものだ。絶対に読むべし。
*邦題『マイルス・デイヴィス自伝』(2015年 シンコーミュージック刊  中山康樹訳)

『Riding on a Blue Note: Jazz and American Pop』(著者:ゲイリー・ギディンズ)
“ゲイリー・ギディンズほどに厳然と見事なまでにアメリカ音楽について書ける人はいない。プロフェッサー・ロングヘアからチャーリー・パーカーまで偉大なミュージシャン達が全てここに登場するが、そんな彼等との交流を優れた執筆家と共に楽しめることを嬉しく思う”というピート・ハミルの言葉が全てだ。

『Jam Session』(著者:ラルフ・グリーソン)
ジャズ評論家で執筆家のラルフ・グリーソンは、このジャズに関する魅力的な文章のアンソロジーを作成し1958年に出版した。読みながら過去のその瞬間へと誘われる。

『The House That Trane Built – The Story of impulse Records』(著者:アシュリー・カーン)
レコーディングした音楽という観点から考えると、大手レーベルのひとつインパルス!は、偉大な物語を誇るレーベルであり、レーベルの為にレコーディングされたアルバムは、1960年代から1970年代初期の中でベストなものだった。アシュリー・カーンは、インパルス!の仕事への取り組み方と同時に、その音楽について詳細に述べている。
*邦題『インパルス・レコード物語 – ジョン・コルトレーン物語 -』(2011年  シンコーミュージック刊  岡嶋稔/岡村まゆみ訳)

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『Mister Jelly Roll』(著者:アラン・ローマックス)
告白のとおり、フェルディナンド・ “ジェリー・ロール” ・モートンはジャズが出現した20世紀初頭の頃、その中心にいた人物であり、これは存命中で覚えている者はもう殆どいない、そんな素晴らしい時代を駆け巡る娯楽作品だ。民俗学者のアラン・ローマックスが1938年及び1950年に録ったモートンの回顧録、自慢話、そして曲を一冊の本にまとめたもの。そこにデヴィッド・ストーン・マーチンの美しい線画が添えられている。レコードを聴いてこれを読んでみて欲しい。タイム・マシーンは存在するのである。

『Living With Jazz』(著者:ダン・モーゲンスターン)
ダン・モーゲンスターンをご存じの方なら、彼がこの地球上のほぼ誰よりもジャズに精通していることを知っているだろう。これはダウン・ビート元編集者の彼が、このジャンルの隅々を網羅する文章を集めた書物。探し出し、そしてベッドの横におくべし。

『Why Jazz Happened』(著者:マーク・マイヤーズ)
WSJジャーナリストであり立派なジャズ・ブロガーのマーク・マイヤーズ初のジャズ社会史本。夢中になって読破してしまえる。200頁ちょっとだが、どの頁も事実や意見がたくさん詰まっている、とにかく必須本。

Ricky Riccardi

『High Times, Hard Times』(著者:アニタ・オデイwithジョージ・エルス)
痛ましく、時には身の毛のよだつような。しかしアニタはそこにいて、彼等みんなのことを知っていて、物語を伝える為に生きた。最高傑作。

『What A Wonderful World – The Magic of Louis Armstrong`s Later Years』(著者:リッキー・リカルディ)
執筆家、歴史家、記録保管人、ブロガー、そしてポップス(ルイ・アームストロング)の音楽随一刺激的な代弁者、リッキー・リカルディをご存じの方なら、彼がこの素晴らしい著書の中で発する言葉ひとつひとつにグッとくるだろう。ジャズについて書く場合、情熱と洞察力が重要なのである。

『Hear Me Talkin’ To Ya, the Story of Jazz As Told By the Men Who Made It)』(著者:ナット・シャピロ&ナット・ヘントフ)
これは1955年出版のジャズの当事者、関係者の証言・口述による歴史であり、エラ・フィッツジェラルド、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカーディジー・ガレスピー等々、さまざまなミュージシャンが音楽について語っている。さあ手に入れよう!
*邦題『私の話を聞いてくれ―ザ・ストーリー・オヴ・ジャズ』(1976年 筑摩書房刊  新納武正訳)

『Space Is the Place: The Lives and Times of Sun Ra』(著者:ジョンF.スウェッド)
魅力的なミュージシャンと彼の人生と作品に関する見事な洞察がなされた書物。
*邦題『サン・ラー伝』(2004年 河出書房新社刊 湯浅恵子訳)

『Pops, A Life of Louis Armstrong』(著者:テリー・ティーチアウト)
本当に素晴らしい、念入りにリサーチされた、ルイ・アームストロングについて我々が知らなければならないことの全てを伝えてくれる本。それに実際のところ、みんなサッチモのことを知る必要があるのだから。

『The Blue Moment』(著者:リチャード・ウィリアムス)
マイルス・デイヴィスのアルバム『Kind of Blue』に関するこの瞑想録は、エレガントで洞察力があって、この独創性に富んだ作品について知るべきことが全て書かれている。と同時に、ブルーの真実と真髄について見事に描き出された一冊だ。



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