シンガー・ソングライターによる素晴らしい楽曲100選(プレイリスト付き)

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遠い昔のこと、1960年代初頭より少し前の頃、ソングライターが曲を書きシンガーがそれを歌っていた。そのどちらもやる人はそれほど多くはなかった。もちろん例外もあった。シンガー・ソングライターが大躍進するきっかけとなったのは、ボブ・ディランの出現であるのはほぼ間違いない。

しかし、もしできたら、1962年3月に戻って、ボブ・ディランのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムを思い起こして欲しい。アルバム収録13曲中、ボブ・ディランの作曲によるものは僅か2曲だった。5曲はボブ・ディランがアレンジしたトラディショナル・ソング、2曲は他の人のアレンジによるトラディショナル・ソング、それからブラインド・レモン・ジェファーソン、ジェシー・フラー、ブッカ・ホワイト、そしてカーティス・ジョーンズのカヴァーが収録されていた。13曲中11曲がボブ・ディランのオリジナルだったのは、この1年後の1963年5月に発売されたセカンド・アルバムだった。この2カ月前には、ジョン・レノンとポール・マッカートニーがザ・ビートルズのデビュー・アルバムで、全14曲中8曲を書いている。これがある種のターニング・ポイントとなる。

フォーク・トラディションから出現したボブ・ディランにとって、アコースティック・フォークというジャンルが、当時も現在もこのシンガー・ソングライターの心の故郷であり、通常のパフォーマー達が全ての作品や曲で、ギターやピアノでもって全ての伴奏を行なっていた。ボブ・ディラン以前のシンガー・ソングライターといえば、政治的なプロテスト・ソングを書いていたピート・シーガーとウディ・ガスリーだが、1963年に微妙な変化があり、それは1960年代が進むと共に加速していった。しかしそれ以前の時代にも、例えばハンク・ウィリアムス等、自分達の曲を書いて演奏し、音楽史にその場を確保していったシンガーもいる。しかしグループにバック・アップされることが多かった為、彼等が真のシンガー・ソングライターだったことを忘れている人もいる。

もう少し時間を遡ってみよう。ブラインド・レモン・ジェファーソン、ブラインド・ウィリー・マクテル、サン・ハウス等ミシシッピ・デルタ出身者もまた、1930年代に全く同じことをしていた。その後数多くの人達からカヴァーされることになる、天下一品の傑作を生み出した、ロバート・ジョンソンもこのリストに加えよう。しかし同時に、ロバート・ジョンソンがジュークボックスのある酒場やハウス・レント・パーティー 〔訳注:家を貸し入場料と飲食費を取り家賃に当てたパーティー〕 でプレイしていた時、彼はよくビング・クロスビーのヒット作をカヴァーしており、そのビング・クロスビーはニューヨークのティン・パン・アレーに出入りする作曲家等の曲を歌っていた事実を忘れてはならない。彼は多くのパフォーマー同様、エンターテインしながら食いぶちを稼ごうとしていた。カヴァー・バンドとカヴァー・シンガーは誇り高き伝統である。最近誰かがインターネットに、ギター片手にアメリカの何処かのホテルのステージで、スティーヴィー・ワンダーの「Superstition」をカヴァーする男の映るビデオを公開した。そのホテルに居たスティーヴィー御本人は、ステージに上がりこの無名パフォーマーと一緒に自分の作品を歌った。伝統がようやく一周し、元の位置に戻ったように感じる。

uDiscoverはシンガー・ソングライターによって演奏&作曲された素晴らしい楽曲のプレイリスト決定版を作成しようと試みた。

ボブ・ディラン、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダーからキャロル・キングジョニ・ミッチェル、ドリー・パートンまで、いつも名の挙がるメンバーが全員揃っている。それに加え、掘り出し物の逸品を生み出したシンガー・ソングライター達が、素晴らしい曲を引っ下げて力強く登場する。

スコット・ウォーカーのデビュー・ソロ・アルバム収録曲「Such A Small Love(小さな恋)」、カナダ最高のソングライター・シンガーのジノ・ヴァネリの「Gypsy Days」、ナッシュヴィルのグレッチェン・ピーターズの「Secret of Life」、クリフォード・T・ワードの「Home Thoughts From Abroad」、そしてスティーヴン・ビショップの「On and On」等と考え得るものを全て挙げた。
1970年代はシンガー・ソングライター全盛期の時代だったが、その曲の持つ価値は今も昔も変わらない。我々が作成したシンガー・ソングライターによる素晴らしい楽曲100選のプレイリストを、ぜひチェックしてください。お気に入りのプレイリストに入れたいものであること請け合いだ。

(*本記事およびリストは本国uDiscovermusicの翻訳記事です)


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