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ジェリー&ザ・ペースメイカーズのジェリー・マースデン逝去。マージービートのアイコンの功績を辿る

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写真の左から二番目がジェリー・マースデン Photo: David Farrell/Redferns

マージービートのアイコンであるジェリー&ザ・ペースメイカーズ(Gerry & The Pacemakers)のフロントマン、ジェリー・マースデン(Gerry Marsden)が2021年1月3日に78歳で亡くなった。

キャスターのピート・プライスは、心臓の感染症に苦しんだ末に亡くなった友人への愛情あふれる賛辞を彼のSNSでこう発表している。

「ご家族にお話しをお伺いして、伝説のジェリー・マースデンが心臓の感染症にて、悲しいことに亡くなったことをお伝えしなければなりません。奥様のポーリーンと彼の家族に世界中の愛を送ります。You’ll Never Walk Alone」

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Gerry & The Pacemakers – You'll Never Walk Alone [Official Video]

 

絶え間なく続く賛歌

ジェリー・マースデンはザ・ペースメイカーズのヒット曲「I Like It」や「How You Do It?」、そしてリチャード・ロジャーズとオスカー・ハマースタイン2世が作曲した名曲「You’ll Never Walk Alone」などで知られている。「You’ll Never Walk Alone」はフットボールクラブのリヴァプールFCで何十年もの間、ホームの試合でクラブのファンによって歌われてきた。また、2020年のイギリスとヨーロッパ全域で、新型コロナウイルス感染拡大をうけ、医療スタッフや警察官・消防士・救急隊員、そして隔離された人々への支援のアンセムとしても使用された。2020年にはラナ・デル・レイがリヴァプールFCのドキュメンタリー番組のためにカバーした曲でもある。

Goosebumps! Spine tingling rendition of You'll Never Walk Alone by Liverpool fans and players

ジェリー&ザ・ペースメイカーズは、ジェリー・マースデンの他に、ジェリーの弟フレディ・マースデン、レス・チャドウィック、アーサー・マクマホンが在籍。初期にはビートルズに匹敵する人気があると言われていたほどだった。

ジェリー・マースデンは1959年にグループを結成し、ビートルズのマネージャーであるブライアン・エプスタインと契約した2番目のグループとなった。バンドは最初の3枚のシングルが全て全英シングル・チャートで1位を獲得。また、イブリティッシュ・インヴェイジョンの際にも大きな成功を収め、「Don’t Let The Sun Catch You Crying」や「Ferry Cross The Mersey」などは全米トップ10ヒットを記録した。

1963年の春、「How Do You Do It」で全英チャートのトップに立ったジェリー・マースデンはニュー・ミュージカル・エクスプレス紙にこう語っていた。

「私たちはもうベテランと言ってもいいかもしれませんね。私は今20歳で、14歳の時にユースクラブのバンドに参加してパフォーマンスを始めたんです。その後、自分のスキッフル・グループ、ジェリー・マースデン&ザ・マーズ・バーズを結成して、その後はジェリー・マースデン・トリオとなった。今の僕らが良いと言われるのは、マージーサイドっていう町が厳しい練習場だからです。ここは才能に溢れているので」

1967年の解散時にグループを脱退したバンドのドラマーだったフレディ・マースデンは2006年に癌のため66歳で亡くなっている。ペースメイカーズは1973年に再結成されたが、その際には自動車学校を経営していたフレディは参加していなかった。バンドは1993年には結成30周年を記念して再結成を果たした。ジェリー・マースデンは、テレビやミュージカルの舞台に出演していたが、2018年11月にショービジネスから引退している。

彼は2003年にバッキンガム宮殿で行われたリヴァプール慈善事業への貢献を評価されMBE(大英帝国勲章)を受賞し、バンドメイトの2人と並んで式に参加した。彼らは1985年のブラッドフォード・シティ・スタジアム火災後や、1989年のヒルズボロー災害後に他のアーティストと一緒に録音したチャリティー楽曲を含め、3500万ポンド以上のチャリティー募金に貢献したとされている。

彼らはフィリップ王子からこの栄誉を授与され、王室は「往年の3人が再び一緒になったのを拝見できてうれしいです」とコメントしている。また、ジェリー・マースデンは2009年にもリヴァプール市から慈善活動とリヴァプール文化への貢献が評価されて、リヴァプール市の自由勲章が授与されている。

ジェリー・マースデンの訃報が流れて以来、ネット上ではマースデンへの賛辞の声があがっている。リヴァプールFCはこうツイートした。「ジェリーは永遠に私たちと一緒に生き続けるでしょう。”You’ll Never Walk Alone”」

ペースメイカーズが200回近く演奏していたキャヴァーン・クラブも彼を称えています。「本日、ジェリー・マースデンが亡くなったと聞いて悲嘆に暮れています。伝説という言葉はしばしば過剰に使われますが、ジェリーは伝説であるだけでなく、ザ・キャバーンのとても良い友人でもありました」

フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの歌手ホリー・ジョンソンは、「ジェリー・マースデンの死去の知らせを聞いてとても残念です。彼に出会えて本当に良かった」とコメントしている。

Written By Tim Peacock

Liverpool FC Anthem: You'll Never Walk Alone



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