メガデスのデイヴ・ムステイン、日本公演を振り返る「あんなに気分がいいこともめずらしいね」

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Meagdeth - Photo: Medios Y Media/Getty Images

2023年2月、最新アルバム『The Sick, The Dying…And The Dead!』を引っさげてのジャパンツアーを行ったメガデス。バンドのリーダー、デイヴ・ムステインが日本滞在中の3月1日にTwitterスペースにて行った来日公演の振り返りで、彼が語ったことを抜粋してお届けします。

来日公演セットリストはプレイリストとなって公開されているApple Music / Spotify

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――いまのご気分はいかがですか?

デイヴ・ムステイン: 首は痛むし、指先も痛む。だけど大丈夫だ。これは俺が練習しないせいだからね。前にも話したと思うけれども、俺はふだん……そういえば、やあ、みんな。前も話したと思うけど、俺はあまり練習はしないんだ。というのも、俺は曲を逃すまいってことに何より心を砕いている。例えばギターを持って弾き始めたとして、リフが思い浮かんでも録音の準備が整っていなければ、もうその曲のことは諦めるしかない。新しい曲を取り逃がしてしまうっていうあの感覚が本当に嫌いなんだよ、わかるかい?ばかばかしく聞こえるだろうけど、これは本当の話だ。

―― みなさん日本で楽しんでいるみたいですね。ラーメンを食べたときの写真を投稿していたのが面白かったです。こちらには400通くらい、ほかのオススメのラーメン店に関するDM (ダイレクト・メッセージ) が届いているので、もうラーメン屋さんに困ることはなさそうですね。

デイヴ: そうだね。日本では、ラーメンは”マカロニ・アンド・チーズ”みたいなもので、そこら中で食べられる。会社員のランチの定番みたいな感じだ。だからきっと、400通のオススメはほとんど似たような店なんじゃないかな。すごく混んでいたら仕方がないけど、基本的にはふらっと気軽に立ち寄れるような店なんだよ。

―― それはすばらしい。ところで日本でいいチキンのお店を見つけたと聞いたのですが。

デイヴ: そこは俺が見つけたわけじゃない。そこにはかなり前にも行ったことがあったんだ。プロモーターがそのすばらしい店に連れて行ってくれてさ。あんなものは食べたことがなかった。どうやって作っているのかはわからないけど、“空気乾燥”というか、“空気調理”というか、呼び方は知らないがそんな風に鶏肉が調理されている。表面にはコーティングがされていて、梅酒と醤油と黒コショウみたいな味がついている。ヌルヌルしてはいないし、皮にもしっかり火が通っているんだ。まだ食道の中で何かがうごめいている感じがするよ。とにかく最高なんだよ。そこに行ったら、冷たいコーラと冷たいビールを頼んだ方がいい。みんなで楽しく過ごしたよ。特に(息子の)ジャスティスはすごく気に入って、手羽先を600本くらい食べていた。

―― 帰国したら彼をジムに連れていかなくてはなりませんね。

デイヴ: あいつならそのままで大丈夫だよ。もともと大食漢だからね。

―― 日本のファンは何を聞きたがっていましたか?観客はどんな感じでしたか?

デイヴ: それって日本の音楽シーンのこと?それとも、俺たちに何を求めていたかってこと?

―― すべて教えてください!

デイヴ: 日本に着いたときから最高だったよ。ホテルにもすごくスムーズに入ることができたし、コンサート・ツアーのプロモーションもやり過ぎってくらいだった。めちゃくちゃ力が入っていて、本当にいろいろやったんだ。朝起きると夕方まで取材があって、それからホテルに戻って時差ボケを直した。時差ボケにはうまく対処することができたよ。

最初のコンサートも最高だった。武道館公演が宣伝のおかげで完売になったから、その前に東京でもう1公演が追加されたんだ。俺たちは日本でのグッズ販売の最高記録を作ったらしい……それで多くのグッズが売り切れになったんだ。だけど残念なことに、グッズの製作会社の準備不足で、武道館公演に十分なだけのグッズがなくなってしまった。そのせいで、いくつかのグッズは在庫が完全に空になってしまった。だから最後の大阪公演では、いくつかのグッズの在庫が一つもなかった。すべて売り切れてしまったんだ。それって悲しいことだよな。だって、できるだけ多くの人たちに俺たちのTシャツを着てもらいたいからね。それを着て街を歩いてもらって、その格好いいデザインを見た人に「ああ、あのシャツ欲しいな」なんて思ってもらいたいじゃないか。みんなも店でクールなシャツを見つけて「これ、絶対欲しい!」ってなったことが何度もあるだろう。

―― マーティーとの共演はどうでしたか?23年ぶりでしたよね。是非聞かせてください。

デイヴ: 俺はマーティーが大好きだし、気まずい思いもなかったから少し変な感じがしたよ。だけどキコは、どんな風に物事が進んで行くのか少し不安だっただろうと思う。歴史を遡ってもこういうことって何度もあったからね。こんな風に誰かを呼び寄せて、気づいたときにはギタリストの交代が決まっている、みたいなことだよ。だけどキコにそんなことは起こりっこないし…(デイヴが話しながら電話から離れる)…彼にはそんな心配をしてほしくなかった。だから事前にキコに電話をして、「マーティーが参加するのは問題ないかい」って確認していたんだ。

それで、最初の東京公演のリハーサルにマーティーが現れた。(彼がいたのが)まるで昨日のことみたいで最高だったよ。みんなで何曲か合わせて、ハグし合ったり、笑い合ったりして、全員で取材を受けた。取材も楽しかった。俺たちはマーティーのYouTubeチャンネルのインタビューも受けたから、動画がアップされたら彼のYouTubeチャンネルをチェックしてみてくれ。実際にライヴをやってみると、みんな泣いていた。俺のチームのやつらも泣いていたよ。連中は歴史的な瞬間を目撃していたんだ。ヘヴィ・メタルの世界に長くいるけど、あんなに気分がいいこともめずらしいね。

―― ジャスティス、あなたにとってはお父さんとの初めての日本公演でしたよね。どうでしたか?

ジャスティス・ムステイン: 最高だったよ。彼 (デイヴ) が聴衆に向かって話しかけるあの曲間の雰囲気は少し独特な感じがしたね……日本のファンからはバンドに対するリスペクトがすごく感じられた。ここでのコンサートはほかとは大きく違っていた。みんなモッシュもしないし、椅子も置かれていた。変な感じだったよ。最高だったけどね。武道館公演は完売だったんだ。巨大な八角形の武道場が人でいっぱいになっていて、壮観だった。いい映像とか写真なんかもたくさん撮れたよ。

―― 大量の手羽先はどうなったんですか?

ジャスティス: (世界の)山ちゃん!あの店は最高だったな。こじんまりした名店という感じで、彼が連れて行ってくれたんだ。階段を下りて左に行くと、3フィート(90cm)ほどの幅の部屋がある。そこで手羽先を食べるんだけど、あれはこれまで食べた中でも最高のレベルの手羽先かもしれない。やっぱりそのあとは胸焼けを起こしたけどね。すごくスパイシーでさ。うまかったよ。

―― あなたが楽屋に描いていた”RATTLEHEADS”の文字がとても気に入りました。あれは武道館の楽屋ですか?

ジャスティス: あれはタワーレコードだよ。俺たちはいくつかある楽屋の一つを使ったんだけど、いろんなバンドやアーティストがそこの壁にサインを残していた。だから、俺たちがあの場所にいたっていう証として”RATTLEHEADS”って描こうと思いついたんだ。

デイヴ: 遠く離れた日本に来られるっていうのは、いつだってすばらしいことだよ。レコード会社の人たちは俺たちに本当に良くしてくれた。日本で一緒に仕事した人たちよりいい人に出会えるかっていえば、それはもう至難の業だろうね。ケンさんやタカさんやレーベルのトップの人は、俺たちとずっと一緒にいてくれた。彼らのおかげで俺たちは、どこにいても歓迎されているし尊敬されていると思うことができたんだ。写真撮影や取材に関しても、本当にすばらしい機会をたくさん準備してくれた。食事だってそうだ。すべてにおいて、ユニバーサル ジャパンは最上級の仕事をしてくれたと思う。これからどうなっていくのか楽しみだよ。これで『The Sick, the Dying… and the Dead!』のツアーが本格的に始まったことになる。これから回る国々でも高いクオリティを求められるだろうね。

Written By uDiscover Team


最新アルバムメガデス『The Sick, The Dying…And The Dead!』
2022年9月2日発売
来日記念盤:2023年2月22日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Amazon Music / Spotify




 

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