ポール・マッカートニー最新作を一流ミュージシャンたちが再構築したアルバムが各メディアで絶賛

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4月 20, 2021

ItoMasaki

2020年12月に発売されたポール・マッカートニー（Paul McCartney）の最新アルバム『McCartney III』を、錚々たる顔ぶれのミュージシャンたちが独自のスタイルで再構築したカヴァー&リミックス集『McCartney III Imagined』が2021年4月16日にリリースされ、多くのメディアが絶賛している。

セイント・ヴィンセント、デーモン・アルバーン、ベック、フィービー・ブリジャーズ、ジョシュ・オム、レディオヘッドのエド・オブライエンらが参加するこのプロジェクトへの評価は、ポール・マッカートニーにとって、1989年6月の『Flowers In The Dirt』以来の全英チャート1位獲得となったアルバム『McCartney III』への絶大な支持が反映されたものだ。

音楽ライターのレイチェル・ブロツキーは、英インデペンデント紙で今作について次のように評している。

「アーティストたちがコラボ・プロジェクトに参加することを心から楽しんでいる様子が作品から伝わるのはいつだって嬉しいもので、喜びと活気に溢れ、見事なアレンジが施された、この“McCartney III Imagined”はまさにそんな作品だ。オリジナル・アルバムは、パンデミックの最中にリリースされた。この才能あるアーティストたちの集合は、未来のイベントを象徴しているようにも感じられる」

批評家たちが注目しているのは、リミックスと新解釈という2つの側面を持つ『McCartney III Imagined』が、ポール・マッカートニーが結果的に決定票を投じた参加ミュージシャンたちによってもたらされた異例の作品であるという点だろう。セイント・ヴィンセントは、彼女が歌う「Women and Wives」のカヴァーを、ポール・マッカートニーが認めてくれたことは、自身のキャリアにおけるハイライトになったと語っている。

先日インスタグラム・ライヴで配信されたセイント・ヴィンセントとの対談の中で、ポール・マッカートニーはこう明かしていた。

「このプロジェクトのために、誰に依頼がいって、誰が賛同してくれるのか、私自身はほとんど知らなかったんです。その辺はレコード会社とマネージャーに任せていました。だから、SNSや電話で、あなたやベック、それからドミニク・ファイクといった、たくさんのクールな人たちが参加してくれたことを知ってとても驚きました」

トーマス・スミスは、NMEのレビューにこう記している。

「ポール・マッカートニーは一歩下がって、各楽曲の完全なコントロールをコラボレーターたちに委ねている。カヴァーという形で彼の楽曲に独自のアレンジを加える者もいれば、単にパレットに並べられた色を使って新たな解釈でリミックスを施す者もいるのだが、どちらのアプローチも興味深い」

ニール・スペンサーによる英オブザーバー紙のレビューにはこうある。

「昨年のDIYアルバム“McCartney III”は、遊び心と回復力の両方を証明し、コロナ時代を取り巻く重苦しいムードへのタイムリーな解毒剤となった。ポール・マッカートニー自身が‘キュレーション’を手掛けた“McCartney III Imagined”は、様々なスタジオの錬金術師の手によって、彼がさらなる実験的領域へと踏み込むことを可能にした粋なリミックス集なのだ」

ピッチフォークのスチュアート・バーマンは、こう評している。

「“McCartney III Imagined”の最終的なゴールは、ポール・マッカートニーをよく知らない世代に彼を売り込むことだ。サウンドクラウド・シーンから注目を集め、古風なアコースティック・セレナーデを一風変わったインディーR&Bへと置き換えたフロリダ出身のドミニク・ファイクによる“The Kiss of Venus”は、その点において最も効果的なトロイの木馬の役割を果たしており、確実なチャート・ヒットにはならずとも、Spotifyのベッドルーム・ポップ・プレイリストのプレミアム・ポジションを獲得できるだろう」

Written By Paul Sexton

ポール・マッカートニー『McCartney III Imagined』
デジタル：2021年4月16日発売
CD&LP：2021年7月23日発売
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