マーヴィン・ゲイ1972年の未発表アルバム『You’re The Man』が発売

Published on

マーヴィン・ゲイが存命ならば80歳の誕生日を迎えていた4月2日のバースデー・ウィークに合わせて、モータウンとユニバーサル・ミュージック・エンタープライズは、1972年のモータウンでの未発表アルバム『You’re The Man』を観音開きの2枚組LPとデジタル形態で3月29日にリリースする。

今作には“モータウンのプリンス”による1972年のオリジナル・ソロ・レコーディングが収録されており、そのほとんどがアナログ盤初収録となる。ナズやフージーズ、エイミー・ワインハウスなどの作品で知られる有名作曲家でプロデューサーのサラーム・レミによるロマンティックなバラード曲「My Last Chance」ニューミックスが現在ストリーミングと配信アルバムの先行予約トラックとしてお聴きいただける。サラーム・レミは今作のために「Symphony」と「I’d Give My Life For You」のリミックスも手掛けている。

1972年は、前年に傑作アルバム『What’s Going On』をリリースし、世界中から賞賛を浴びていたマーヴィン・ゲイにとって過渡期だった。このアルバムから、タイトル曲と「Mercy Mercy Me (The Ecology)」、そして「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)」という3作のシングルが全て全米R&BチャートNo.1とポップ・チャートでTOP10入りを果たす快挙を達成した。それに続くシングルが、この政治的メッセージを持った「You’re The Man」だったが、R&BチャートではTOP10入りを果たしたものの、ポップ・マーケットでは大失敗に終わり、結果マーヴィン・ゲイは一時退却することになる。

ただ、この年彼は、デトロイトとロサンゼルスにて、自らプロデュースを手掛け、ウィリー・ハッチ、ハル・デイヴィス、そしてパム・ソーヤー&グロリア・ジョーンズ、フレディー・ペレン&フォンス・ミゼルらの作曲チームと共作した楽曲を多数録り溜めており、それはアルバムにするのに十分なものだった。そんな「You’re The Man」以外の、当時未発表のままとなっていた1972年のクリスマス・シングルやお蔵入りしていたインストゥルメンタルのB面曲などが、このアルバム『You’re The Man』に収録されているのである。

今作の2枚組LPには、マーヴィン・ゲイの伝記作家で、創作意欲と精神的な重責の狭間で彼が戦っていた内なる葛藤を探求しているデイヴィッド・リッツによるライナー・ノーツも収められている。彼の手掛けた伝記本『Divided Soul: The Life of Marvin Gaye』で初公開されたインタビューの中で、マーヴィン・ゲイは「What’s Going On」の成功についてこう語っていた。

「今は自分のやりたかったことができる。多くの人々がそれを認めてくれるから。ただ、それが僕にとって重荷でもあるんだ。人々は僕が頂点に立ったと言うけれど、僕にとってはそれが怖いんだ。母親がよく“早く熟せば早く腐る”と言っていたように、一度頂点に立つとそれ以上の上はなく、あとは下がる一方なんだ。でも、僕は上を目指さなければならない。意識を高く持ち続けないと、自分がダメになってしまうんだ。いつこの戦いが終わるのかが知りたい。僕の中の魂の戦いが」。

そんな内なる葛藤を抱えていた1972年ではあったが、彼はダイアナ・ロスとのデュエット・アルバム『Diana & Marvin』や、映画『野獣戦争(原題:Trouble Man)』のサウンドトラックのオファーも受け、制作に取り組んでいた。

この未発表アルバム『 You’re The Man』のリリースに加え、モータウンとユニバーサル・ミュージック・エンタープライズは、ナット・キング・コールの生誕100周年記念企画の一環として、マーヴィン・ゲイの1965年のアルバム『A Tribute To The Great Nat King Cole』のデラックス・エディションを3月15日に配信でリリースする予定である。

Written by Paul Sexton



マーヴィン・ゲイ『You’re The Man』

  

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了