ジミー・クリフ、10年ぶりのアルバム『Refugees』発売決定。先行曲はワイクリフ・ジョンが参加

Published on

史上最も重要なレゲエ・アーティストの一人で、ロックの殿堂入りを果たし、グラミー賞を受賞したアイコン、ジミー・クリフ(Jimmy Cliff)。そんな彼が新曲「Refugees feat. Wyclef Jean」を2022年7月29日リリースした。この楽曲は、8月12日にリリースされる彼の10年以上ぶりのアルバム『Refugees』からの先行トラックとなる。

<関連記事>
レゲエのプロテスト・ソング傑作11曲
史上最高のレゲエ・プロデューサー10人
レゲエが世界中のジャンルに与えてきた歴史と見過ごされがちな影響

ワイクリフ・ジョンとの関係

「Refugees」には先行公開されたダンス・ヴァージョンと、後日公開されるラップ・ヴァージョンがあるが、ジミー・クリフのクラシックな作品の精神を、伝説的グループ、フージーズのワイクリフ・ジョンによるネオソウル・ヒップホップのひねりで表現している。

この曲は、2010年にジミー・クリフがロックの殿堂入りした際、ワイクリフが紹介スピーチをしたことでも有名な、この2人の異端児の創造的で精神的なつながりを継続させるものでもある。この世代を超えたコラボレーションについて、ワイクリフはこう語っている。

「僕にとって、アメリカに来た当初は簡単なことではなかった。政治的な苦悩を抱えた家族を持つ僕たちにとっては、本当に難しいことなんだ。我々のグループ名“Fugees/フージーズ”とは、“Refugees/難民”を略したものだ。私はいつも『メッセージを浸透させるには、それしかない』と思っていた。それをインスパイアしてくれるのは誰か? ジミー・クリフはこれまでで最大のインスピレーションの源で、彼は平和、愛、団結に関しては常にメッセージを貫いている。この新曲でのコラボレーションは、まさに忘れ去られた人々のために語る私たちの姿だ。愛が必要とされる時代に、彼以外にそれを伝えられる人はいないと思う」

ジミーはこう語る。

「この新曲はジミー・クリフの新しい音楽の方向性をしることができるから、とても誇りに思う。僕はいつでも新しいことに向かっていくよ。“Refugees”はヘビーなタイトルだが、ダンスフロアの曲なので、足を動かすことになるだろう。大好きなんだよ」

 

アルバム収録楽曲

アルバム収録楽曲「We Want Justice」に参加したジャマイカ人ボーカリストでマルチ・インストゥルメンタリストのDwight Richardsはこう語る。

「ジミー・クリフとは20年来の付き合いで、彼が“We Want Justice”のフィーチャリングを依頼した時は光栄に思いました。ジャマイカで育った私にとって、この曲は本当に心に響くものです。ジミーと一緒に歌うことで、この曲はより大きな意味を持つようになった。ご存知のように、ジミーは人道主義者であり、このアルバムはそのことを物語っています。われわれ国民は正義を求め、正義に値するのです」

アルバムに収録される13曲のうち、娘のリルティ・クリフとコラボしたエモーショナルな「Racism」は注目の一つだ。リルティはこう語る。

「この曲の成り立ちは、ミュージシャンが一緒に楽しんでいるだけの話。私は最初ただふざけていただけで、バンドリーダーがいくつか録音することになったんです。気がついたら、私がフィーチャリングで参加することになっていて。ジミーは常に自分の信念に忠実な男です。“Racism”はアルバム『Refugees』のテーマである団結と寛容を如実に表している曲だと思います。私がその一部になれるということは、本当に素晴らしいことです。早くみんなに聴いてもらいたいです」

相変わらず元気なクリフは、7月30日に78歳の誕生日を迎えた。今年は、1972年に公開されたジミー主演の名作映画『ハーダー・ゼイ・カム』の50周年でもある。ジミー・クリフが制作した『ハーダー・ゼイ・カム』のサウンドトラックは、レゲエのパイオニアであり、レゲエの普及に大きく貢献した作品だ。

その重要性から、米国議会図書館は「文化的、歴史的、美学的に重要」と判断し、ナショナル・レコーディング・レジストリに保存することを決定している。また、この新作アルバム『Refugees』のリリースは、2022年8月6日のジャマイカのイギリスからの独立60周年記念日にふさわしい。

2012年、クリフはアルバム『Rebirth』を世に送り出した。この作品はグラミー賞の「ベスト・レゲエ・アルバム」部門を受賞し、ローリング・ストーンの「2012年ベスト50アルバム」にも選出。また彼は、現存するレゲエ・ミュージシャンで唯一、ジャマイカ政府が芸術と科学における業績に対して与えることのできる最高の名誉であるメリット勲章を持つ人物としても有名である。

彼の名曲には、代表曲である「Many Rivers To Cross」「You Can Get It If You Really Want」「The Harder They Come」「Hakuna Matata」がある。キャット・スティーブンスの「Wild World」やジョニー・ナッシュの「I Can See Clearly Now」をコメディ映画『クール・ランニング』のサントラでカバーしたのも彼だ。

そんな生きる伝説であるジミー・クリスは今年、10年ぶりの新作アルバム『Refugees』で新たな時代の革命を煽るのだ。

Written By Tim Peacock



ジミー・クリフ『Refugees』
2022年8月12日発売
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

<収録曲>
1. Money Love
2. Here I Am
3. Refugees (Rap Version) (feat. Wyclef Jean)
4. Security
5. One Song
6. My Love Song
7. Moving On
8. We Want Justice (feat. Dwight Richards)
9. Racism (feat. Lilty Cliff)
10. Bridges
11. Punus
12. Happy Day
13. Refugees (Dance Version) (feat. Wyclef Jean)



Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了