ユーロヴィジョン2018はイスラエルのネッタが優勝、ステージに乱入者のパプニングも?

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Photo: Thomas Hanses

ポルトガルがユーロヴィジョン・ソング・コンテストを優勝するまでには、53年の歳月がかかった。昨年の2017年にキエフで行われた同コンテストでサルヴァドル・ソブラルが控えめなラヴ・ソング「Amar Pelos Dois」で驚きの快挙を遂げたのだ。優勝者の国が翌年の開催国となるこのコンテスト。このようなイベントを開催するにあたって、今年の開催国ポルトガルの首都リスボンは最適の街だ。太陽、海、そこら中に笑顔があふれ、リスボンはユーロヴィジョン2018のクライマックスまでを見守った。

決勝戦では、予想屋が何人かの有力候補者を予想していた。ジェニファー・ロペスに対するキプロスからの返答、エレニ・フーレイラもその1人だ。彼女の曲「Fuego」はいわゆる“バンガー”で、ダンス・ポップを完璧に切り取り、ダンスホールの側面もあり、炎のパンチもある。決勝戦の前日に、街を歩きながらこの曲のビートを聞かずに2分間歩くことすらもままならなかったほどだ。

もう1人の有力候補はイスラエルのネッタ・バルジライの曲「Toy」だ。女性の権利を主張したループのアンセムで、さらに鶏の音もいくつか入り込んでくる。ダンスやバラードが多い中で、この楽曲はサウンド、スタイル、エネルギーの点で際立っていた。

イスラエルのネッタ・バルジライ Photo: Thomas Hanses

ユーロヴィジョン2018の司会はポルトガルの女性スター4人が務めた。シルヴィア・アルベルトはローカル版の「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」や「Portugal’s Got Talent」、数々の料理番組のプレゼンターを務めている。女優のフィロメナ・カウテラは、2017年にポルトガル勝利の結果を世に届けた張本人だ。カタリーナ・ファータドはテレビ・パーソナリティであり、女性の権利を強く支援し、2000年以来国連親善大使を担ってきた。そしてダニエラ・ルーアは5歳の時にボストンからポルトガルに移住し、現在は女優として、特に「NCIS: Los Angeles」での活躍が著しい。

番組自体は時に退屈な場面があったものの、今年のラインナップはその乾いた瞬間を十分に潤わせるものだった。楽曲のセレクションが強く、最近のユーロヴィジョンならではの演出である炎やストロボなどが散りばめられていた。

一方、イギリス代表のスーリーが持ち歌「Storm」を披露している最中、ステージに乱入した男がマイクを奪うというハプニングもあった。しかしシンガー・ソングライターのスーリーは落ち着いて対応。勇敢にも、もう一度歌えるようになるまでパフォーマンスを続け、観客からは拍手喝采を浴び、スタンディング・オヴェーションの称賛を受けた。ステージに乱入されてしまったのは残念だったが、その場の覇気が静まることはなかった。

イギリス代表への乱入以外は番組は弊害なく進み、審査員の投票が集計されると驚きが待っていた。スウェーデンのベンジャミン・イングロッソによる「Dance You Off」が得点トップを叩き出し、観客のほとんどは驚きを隠せなかったのだ。そしてドイツのマイケル・シュルトも12点満点をいくつかものにした。

最終的な投票が集計される前に結果がすでに判明していることが多いが、ユーロヴィジョン2018は最後まで結果がわからない展開となった。審査員の投票後に一般投票が開示。一般投票をあと2セット残したところで、キプロスとイスラエルの接戦になった。やはり予想屋の予想は正しかったのだ。

最終的に合計529ポイントでイスラエル代表のネッタ・バルジライが優勝。トロフィーを受け取りながら「“違い”を選んでくれてありがとう」と大喜びした。「違いを受け入れてくれて、多様性を祝してくれて本当にありがとうございます」と話した。

ユーロヴィジョン2018は終演を迎えた。次回のイスラエル開催まであと1年このお祭りを待たなければならない。しかし、ユーロヴィジョンはただのコンテストではない。人生のあり方なのだ。今年のお祭りの波は十分に2019年まで押し寄せることだろう。

Written by Tasha Pert


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