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カントリーのスター、’優しい巨人’ことドン・ウィリアムスが78歳で死去

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Photo: David Redfern/ Redferns/Getty Images

カントリー・ミュージック界の“優しい巨人”として知られ、多くの作品を残したヒット・メーカー、ドン・ウィリアムスが9月8日金曜日、アラバマ州モービルで亡くなった。享年78歳だった。彼の広報担当者、カート・ウェブスターによると死因は肺気腫だった。

地元の人気カントリー・デュオ、モンゴメリー・ジェントリーの片割れであるトロイ・ジェントリーの訃報を受け、すでに悲しみに暮れていた同じ日にそのニュースは飛び込んできた。トロイ・ジェントリーはヘリコプター衝突の事故で50歳という若さで亡くなった。パートナーのエディー・モンゴメリーと共にニュージャージーでコンサートを予定していた直前の出来事だった。

ドン・ウィリアムスの約186cmという身長は、ニックネームが暗示するほど高くなかったかもしれないが、彼は確かに心優しく、ロマンチックなバラード曲を数々と書いてきた。1972年から1992年の間、ドン・ウィリアムスはカントリー・チャートで17回首位を獲得、チャートにエントリーしたのは合計56回以上だった。それは1974年の「I Wouldn’t Want To Live If You Didn’t Love Me」から始まり、ドン・ウィリアムスが尊敬する友人のエリック・クラプトンによってTOP30のUSポップ・ヒット曲となった「Tulsa Time」、「I Believe In You」、「It Must Be Love」、「Amanda」などの曲も次々にチャートインした。

この世界的に有名なスターは、カントリー・ミュージックを世界中に広め、とりわけイギリスでは人気だった。イギリスで着実な成功を収めたカントリーの歌手がほとんどいなかった頃、彼は「I Recall A Gypsy Woman」や「You’re My Best Friend」といったシングル曲で、忠実なファンと大きな成功を掴んでいた。ドン・ウィリアムスは1980年、ロンドンのカントリー・ミュージック・ピープル誌の読者によって「Artist of the Decade」に選ばれ、ザ・フーのピート・タウンゼントが彼の曲「Till the Rivers All Run Dry」をカヴァーするなど多くの著名なファンを獲得していた。

また、ドン・ウィリアムスは1976年にラジオ番組のグラン・オール・オプリーのメンバーとなり、2010年までに35枚以上のアルバムをリリースし、そしてカントリー・ミュージックの殿堂入りを果たした。

「ドン・ウィリアムスは平穏、美しさ、そして今の時勢に不足しているであろう物悲しい平和の感覚を与えてくれた」とカントリー・ミュージック殿堂博物館のCEO、カイル・ヤングは声明の中でコメントしている。「彼の音楽は困難な時代にずっと癒しの曲であり続けるだろう。優美さ、知性、不滅の意思を持ってカントリー・ミュージックを作っている誰もが、この優しいな巨人の偉業を重んじながら同じ道を辿るだろう」。

ドン・ウィリアムスは1939年5月27日、テキサス州のフロイダダに生まれ、ポートランド州の南部で育ち、そこで母親からギターを学んだ。ドン・ウィリアムスは最初、シンガーのロフトン・クラインと共にデュオ・グループのストレンジャー・トゥとして演奏し、その後、もう一人のヴォーカリスト、スーザン・テイラーと知り合い、フォーク・ポップ・トリオのポゾ・セコ・シンガーズとして活躍した。ドン・ウィリアムスはナッシュヴィルに住み着き、ポゾ・セコ・シンガーズは1966年後半と1967年の初頭、トップ40のUSポップ・ヒット曲を2曲「I Can Make It With You」、「Look What You’ve Done」生み出した。

グループの解散後、ウィリアムスはJMIレコードにて影響力の大きなジャック・クレメントと共に歌い、彼の初シングル「Don’t You Believe」を1972年にリリースしながらソロ活動を始めた。常に消極的なスターだったドン・ウィリアムスが成功を掴んだのは10年をはるかに超えたあとだった。1974年から1991年の間、彼の50枚近いシングルのうちの3曲以外はすべてカントリーのトップ10を獲得していたのだ。

ミュージシャンの中のミュージシャンだったドン・ウィリアムスは、誠実で深い叙情主義とカントリー・ポップの魅力でカルト的ファンを獲得する尊敬すべきシンガー・ソングライターであった。2013年、彼はアルバム『And So It Goes』収録のアリソン・クラウスとのデュエット曲「I Just Come Here for the Music」でベスト・カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンスでグラミー賞にノミネートされた。アルバムのインタヴューの中で、アリソン・クラウスはドン・ウィリアムスの魅力をこう語っている。「すごく希望に満ちた声で、すべて素晴らしくて、すべてを解決し、すべてに思いやりがあるような、唯一無二の声でした」。

ドン・ウィリアムスの曲は、ジョニー・キャッシュやレフティ・フリゼル、ロジャース、アラン・ジャクソン、ウェイロン・ジェニングス、ボニー・プリンス・ビリー、リー・アン・ウォマックやその他大勢によってカバーされている。

Written by Laura Stavropoulos


 

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