クイーン「Bohemian Rhapsody」50周年盤発売記念、ミニドキュメンタリーが公開
「Bohemian Rhapsody」の50周年を記念し、クイーンは、彼らの最も象徴的な楽曲の一つへと至る音楽的進化を探求する、全5部構成の新たな特別シリーズ『The Greatest』の新シリーズを公開した。
第一話「The Path to Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディへの道)」は、2025年10月31日、クイーンの公式YouTubeチャンネルで公開された。
今回のシリーズも、ブライアン・メイとロジャー・テイラーがバンドの原点や有名なライヴ・エイドでの公演などを語ってきた過去のエピソードに連なるものであり、これまでの動画同様、メイとテイラーの独占インタビューが収録されている。
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「Bohemian Rhapsody」はその創造的かつ技術的な複雑さで音楽業界に衝撃を与えたが、ブライアンとロジャーが語るところによれば、この曲は急進的な逸脱というよりはむしろ自然な進化を表すものであった。ブライアンはこう説明する。
「内部にいる我々にとっては、そのようには感じられなかったよ。ファースト・アルバムの“My Fairy King”を見ればわかることさ」
ブライアン・メイは、クイーンの1973年のデビューアルバムに収録された「My Fairy King」を、フレディ・マーキュリーのソングライティングが向かう方向性、すなわちピアノを主体とし、複雑な雰囲気の変化とファンタジー志向の歌詞を持つという方向性の初期の指標であると指摘しているのだ。
ロジャー・テイラーもまた、1974年のアルバム『QUEEN II』に収録された「March of the Black Queen」を、さらに直接的な先駆けとして「多くの点で“Bohemian Rhapsody”よりもずっと複雑だ」と述べ、この曲が多数のセクションと精巧なヴォーカル・アレンジメントを持つことを強調。
最後に、二人は、「Bohemian Rhapsody」の初期の祖先として、複雑な対位法的要素と6声のハーモニーを特徴とする『QUEEN II』のもう一つの楽曲「The Fairy Feller’s Masterstroke」を挙げた。ロジャーはこう指摘している。
「信じられないほど複雑だ。その風変わりで過剰なまでの精巧さが、素晴らしく興味深い楽曲である」と述べた」
ブライアンはまた、フレディの予測不可能な創造のプロセスについて思いを馳せ、次のように語っている。
「フレディがどこからアイデアを持ってくるのか、誰にもわからなかった。彼はスタジオに来ては『こんなパートがあって、次にはこんなパートをやる。そしてオペラ・セクションだ』と言うんだよ。我々はそれに飛び込むしかなく、そうしてクイーンという機械全体が動き出したんだ」
「Bohemian Rhapsody」に焦点を当てた本シリーズは、11月中、毎週公開が続く。この記念シリーズに加え、バンドはこの楽曲を7インチ、12インチ、カセットの各シングルで再発する予定である。また、「Bohemian Rhapsody」が収録された1975年のアルバム『オペラ座の夜』の新たなアナログ盤もリリースされている。
Written By Sam Armstrong
クイーン『A Night At The Opera』
1975年11月21日発売
50周年記念LP/ iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
2025年11月19日発売
シングル・レコード盤
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