ミイナ・オカベが語る新曲「It’s A New Day」や日本でのライヴと日本語
デンマーク人の父親と日本人の母親を持ち、コペンハーゲンを拠点に活動するシンガーソングライター、ミイナ・オカべ(Mina Okabe)。
2021年の「Every Second」を使った動画はInstagram/Facebook上で500万本以上/100億回再生超えを記録し、2023年にはフジテレビ系月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』の主題歌「Flashback」に大抜擢。2024年には単独公演やSUMMER SONICへの出演、ハーゲンダッツのCMソングも担当、そして2025年には新作アルバム『Papaya』の発売、そして大阪・関西万博 北欧パビリオンでのパフォーマンスやNHK「Venue101」への出演するなど、日本でも活躍の幅を広げている。
そんな彼女が3枚目のアルバムからのリードシングル「It’s A New Day」を10月末にリリース。この直後、11月2日にEX THEATER ROPPONGIでおこなわれた「Re:Re:Re:TUNE LIVE」に出演するために再来日を果たした彼女に、今まで、そして新曲について語ってもらいました。ちなみにインタビューの質問はほぼ日本語、彼女の答えも25%は日本語でした。
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地元でのコンサート
―― 2025年4月以来のインタビューになります。そこから1年半ほど経ち、いろいろなことがあったと思います。最近もデンマークのオーフスでヘッドラインショーを開催されていましたよね。どんなショーだったんでしょうか?
ミイナ:とても楽しかったです。どんなライブをしたいのか、ずっと考えていたところだったんです。デンマークでは2公演あって、ライブの編成を少し変えました。クラシック音楽のオーケストラが演奏するような、伝統ある会場での公演だったので、その雰囲気を大切にしたかったんです。それで、今回はすべての曲にチェロを加えました。それから、前回はいなかったドラムも参加してくれています。
まったく新しい曲を歌えたのもよかったです。新曲の「It’s A New Day」をライブで初めて歌いましたし、次にリリースする予定の「Pictures of Parties」も歌いました。あの公演ができてとてもうれしかったですし、また近いうちにライブをしたいという気持ちが高まりました。
―― お客さんの層はどんな方たちでしたか?
ミイナ:とても面白かったです。祖父母くらいの年齢の方もいれば、両親くらいの方もいて、私よりずっと若い、妹くらいの年齢の方もいました。いろいろな人が聴いてくれているのがうれしいです。客席を見ていると、曲ごとに反応が違うのも楽しいんです。若い人たちは一緒に歌ってくれて、笑顔が見えます。年上の方たちは目を閉じて、すごく集中して聴いてくれています。そういう違いを見るのが楽しいですね。
―― このインタビューの数日後にはコペンハーゲンでコンサートを行いますよね。会場のDRコンサートホールはヨーロッパでも最高のコンサートホールのひとつだと聞いています。どうしてここでライブをすることになったんですか?
ミイナ:とても美しい会場ですし、去年行った少し小さな会場のStudie 2からここへ進むのは、自然な流れだと感じました。それに、私のセカンドアルバムのスタイルにもよく合っていると思います。セカンドアルバムはとても親密な雰囲気で、ライブ楽器もたくさん使っています。だから、この会場が持つ空気感とぴったりなんです。ライブのサウンドを考えるときも、会場の雰囲気を大切にしています。
―― その会場は、普段はクラシックコンサートに使われるんですか?
ミイナ:はい、だから初めて会場に入ったとき、「これはすごい」と思いました(笑)。とても驚きました。
今回の来日の理由
―― 今回、日本にはいつ到着されましたか?
ミイナ:月曜日に着きました。コペンハーゲンから3時間くらいのところにあるオーフスで演奏した翌日です。それから日本に飛んできました。着いてすぐにRe:Re:Re:TUNE LIVEに出演して、またコペンハーゲンに戻ってライブをします。忙しい2週間ですね。
―― すごいスケジュール。かなりハードですね。
ミイナ:でも、この仕事ができることに本当に感謝しています。すごくうれしいです。
―― Re:Re:Re:TUNE LIVEはどうでしたか?
ミイナ:すごく楽しかったです。日本のバンドとの共演だったので、少し緊張していました。いつも演奏しているときとは編成がかなり違っていたんです。でも、とてもよかったです。ORIGINAL LOVEの「接吻」を歌うのも緊張しました。日本語で歌うのは大好きなんですが、慣れていないので少し緊張するんです。でも、とてもいい経験になりました。それから、「It’s A New Day」を初めてひとりでライブ演奏できたのも楽しかったです。緊張すると、経験がよりわくわくするものになる気がします。だから本当に楽しかったです。
―― ライブでも演奏されたORIGINAL LOVEの「接吻」は、今YouTubeで144万再生されています。あの曲を歌うのはものすごく難しかったですか? それとも、以前から歌っていた曲ですか?
ミイナ:あの曲を歌うのはすごく緊張しました。コードを弾いているとき、震えそうなくらいだったのを覚えています。「うまくやりたい、ちゃんと歌いたい」と思っていました。みなさんがよい反応をしてくれて、とてもうれしいです。
―― 日本語で歌うのは初めてでしたか?
ミイナ:「Every Second」の日本語バージョンも作りましたし、「Flashback」もそうだったと思います。だから、きちんとした場で日本語で歌うのは3回目くらいだったと思います。ギターを弾いたんですが、コードが普段使うものとは少し違っていたので、それがひとつの課題でした。それに、曲全体を日本語で歌うこともありました。でも、自分に挑戦するのが好きなので楽しかったです。
―― 日本ではサマーソニックに出演され、韓国ではソウル・ジャズ・フェスティバル、デンマークではロスキレ・フェスティバルなど、さまざまなフェスに出演されています。場所による違いはありますか?
ミイナ:全体的に、フェスのお客さんはいつも機嫌がよくて、楽しむために、誰かと一緒に過ごすために来ていると感じます。そういう意味では、どこも似ています。でも、デンマークのフェスに来る人たちは、たくさんお酒を飲んで、とてもにぎやかだと思います(笑)。日本やソウルでは、みなさんとても礼儀正しくて、熱心に聴いてくれます。デンマークのフェスで演奏していると、「誰も私の歌を聴いていないな」と思うこともあります(笑)。でも、みなさんが別の形で楽しんでいる様子を見るのも面白いです。日本ではまったく違う経験になります。みなさんが本当に私の演奏を聴いて、こちらを見てくれるんです。どちらも、それぞれによさがありますね。
―― デンマークのフェスは、ロックフェスに限らず、普通のポップスやチル系のフェスでもみんなお酒を飲むんですか?
ミイナ:そうです、そうです。間違いなく(笑)。
―― なるほど。日本でも何度かフェスに出ていますよね。Local Green Festivalや、大阪のTASOGARE in the PARKなど、いろいろなフェスに出ていますが、いちばん印象に残っているものはありますか?
ミイナ:サマーソニックに出られたのは、私にとって間違いなく大きな出来事でした。出演できて本当にうれしかったです。でも、TASOGAREは雰囲気がとてもいいですし、フェスを作っているみなさんが優しくて、クリエイティブなんです。本当に素晴らしかったです。Local Green Festivalは日本で初めて出演したフェスなので、それも特別な思い出です。それぞれに違ったよさがありますね。
新曲「It’s A New Day」
―― 新曲の「It’s A New Day」は、これまでのミイナさんのアコースティックでチルなスタイルに加えて、もう少し作り込まれた感じがあります。たとえばコーラスの後ろにあるバックコーラスも、すごく緻密に作られているように感じました。以前の2枚のアルバムと新曲には違いがあると思います。作曲の仕方はどう変わりましたか?
ミイナ:今回は、制作の進め方が確実に変わりました。制作を始める前から、メロディーを作ったり歌詞を書いたりするときに、もっと遊び心を持って取り組みたいと思っていたんです。以前は、シンガーソングライターとしてのやり方で曲を作っていました。ギターを手にして、最初から最後まで一気に曲を作るような感じです。今回はアレンジを加えたり、その場では変に感じるメロディーでも、ためらわずに歌ってみたりしています。そうやって自分に挑戦するのがすごく楽しいんです。
「It’s A New Day」を歌ったときは、ジョニ・ミッチェルのことを考えていました。彼女がさまざまな歌い回しで自分を表現するところが大好きなんです。それで、「彼女のことを考えながら歌ったら、どんな感じになるだろう」と思って試してみました。違うエネルギーを取り入れるような感じですね。それでも自分の音楽だと感じられますし、自分らしさもあります。ただ、音楽と一緒に成長して、変化しているように感じます。今の自分を映し出しているんだと思います。
―― 新曲の歌詞について伺います。もう少し自分に時間を与えて、少しずつ前に進もうというメッセージだと思いますが、誰に向けた曲ですか?
ミイナ:自分自身に向けた曲です。私の曲はいつも、自分の経験や考えについて書いています。気持ちが圧倒されてしまうような時期があって、よくない心の状態から抜け出そうとしていました。でも、なかなか抜け出せなかったんです。この曲は、自分にもう少し優しくしようとすることについて歌っています。だから、最後は希望を感じられるようにしました。曲自体はかなり悲しいので、自分に励ましの言葉を贈りたかったんです。曲と一緒にひとつの旅をするようなところがあって、それがこの曲の好きな部分のひとつです。
―― あのジャケット写真は誰が写っているんですか?
ミイナ:ミイナです(笑)。
―― どうしてアイスクリームを持っていて、それが溶けているんですか?
ミイナ:その質問をしてくれてうれしいです。親友とイタリアを旅行したんです。彼女とは長い付き合いで、私のビジュアル作品をいくつか撮ってくれています。旅行のあとすぐに「It’s A New Day」のジャケット写真を作らなければならなかったので、曲に合う写真が撮れたらいいねと話して、何枚か撮影しました。その写真を見たとき、この曲を完璧に表現していると思ったんです。
アイスクリームは甘くて、なんだか幸せな気分にしてくれるものですよね。でも、それが手の上で溶けている。そのコントラストが曲によく合っていると感じました。「It’s A New Day」のビジュアルはすべて同じ友達が撮ってくれています。彼女はニューヨークに住んでいて、会いに行ったときに街を歩き回りながら、音楽を表現できそうな写真や動画をたくさん撮りました。
―― ということは、リリックビデオを撮ったのも彼女ですか?
ミイナ:はい。編集は私が自分でやりました。撮影は彼女がしてくれました。でも、楽しかったです。この曲は遊び心があって、その瞬間の気持ちを大切にしたような曲なので、ビジュアルにもそれを表したかったんです。本当は誰か別の人に編集をお願いしたかったんですが、編集してくれる人が見つからなくて、結局自分でやりました(笑)。少し粗削りに見えるかもしれませんが、曲に合っていると思います。
―― ローファイな雰囲気がすごくマッチしていますね。
ミイナ:ありがとうございます、本当にうれしいです。撮影では雨が降っていて、撮影していたのも私たち2人だけだったので、かなりばたばたしていました。彼女が傘の下で撮影している間、私は荷物を全部入れたスーツケースを運んでいました。雨が降っていたんです。
―― その雨が、最後にエフェクトみたいになっていますよね。キラキラした感じで終わるところが、とても素敵でした。
ミイナ:よかったです、ありがとうございます(笑)。どうなるんだろうって思っていました。本当に。
―― 編集にはどれくらい時間がかかったんですか?
ミイナ:1週間くらいです。毎晩、朝の3時ごろまで起きていました。写真を整理して、プロモーション用の動画やリリックビデオを作って、ストーリー用、フィード用のものも用意して……。1週間くらい、スタジオから帰ってきて編集をして、朝3時に寝るという生活でした。忙しい週でしたが、楽しかったです! 楽しいと思えることなら、時間がかかっても苦にならないんです。
―― カバーアートもビデオもすべてが同じ色合いで、まさに「ミイナカラー」という感じがして、とても素敵だと思います。
ミイナ:ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしいです。
―― この曲は、今後リリースされるアルバムのリードシングルですが、アルバムはいつ頃発売予定で、どんなサウンドになりますか?
ミイナ:これまで、アルバムについて話すときに使ってきたキーワードは「遊び心」です。今回は、何も抑え込まないようにしています。以前は「これは自分のスタイルかな?」「若い頃の自分はこの音楽を好きだろうか?」と考えていました。でも今回は、そういう考えを手放して、「今の自分が楽しいと思うのは何だろう?」と考えました。何か変だなと感じるものでも、とりあえずやってみて、好きかどうかはあとで考えればいい。何もためらわないようにしています。今回のアルバムは、そういうテーマで作っています。
――:アルバムやライブで共演してみたい日本人アーティストはいますか?
ミイナ:ああ! どうしましょう、分からないです(笑)。Daichi Yamamotoと「Flashback」を一緒に歌っていて、テレビ番組のパフォーマンスで一度だけ共演したことがあるんですが、もう一度、彼とライヴで共演してみたいです。
ミイナと日本語
―― 日本語がすごく上手になっていますね。この1年半くらい、どうやって日本語を勉強したんですか?
ミイナ:あまり勉強していないんです(笑)。
―― え?
ミイナ:もっと勉強したいです。去年、東京に3か月住んでいました。それがすごく助けになったと思います。東京に1年間住んでみたいです。そうしたら、日本語がもっと上手になれると思います。いちばん楽しいのは、友達と日本語で話すことです。仕事で日本語を話すこともそうです。そうやって練習するのが私にはいちばん楽しいので、もっとしたいです。日本語学校にも行ってみたんですが、1回だけ行って、そのまま行かなくなってしまいました(笑)。
―― それは日本にある日本語学校ですか?
ミイナ:そうです。日本語学校で1回だけレッスンを受けました。無料体験で、とても楽しかったんですが、忙しすぎて、結局もう一度行けなかったんです。通ったほうがいいかもしれません。でも、いちばん楽しいのは友達やみなさんと話して、そうやって練習することだと思います。
―― 日本人には英語が苦手な人がかなり多くて、今は小学校から英語の授業がありますが、英語を話せない人がほとんどです。英語、デンマーク語、日本語のトリリンガルのミイナさんから、日本のファンに向けて、「こうすれば英語をもっと楽しく勉強できるし、話せるようになる」という方法を教えてもらえますか?
ミイナ:私の場合になりますが、人と話すのがいちばん楽しくて勉強になっています。だから日本に来るたびに、日本語が少し上達している気がします。スラングを聞いたり、みなさんがどうやって文をつなげているかを聞いたりすることも、とても役立っています。だから、英語を話せる人を見つけて、一緒に練習してみるのがいいかもしれません。
インドネシア出身の友達がいるんですが、彼女は長い間日本に住んでいて、英語を学びたい日本人の友達がいるんです。彼女は日本語を学びたいので、2人で会って、「1時間は日本語だけ、1時間は英語だけ」と決めて練習しているそうです。それはとても楽しそうだと思います。そういう人を見つけるのがいいかもしれません。
―― 最後に、最近聞いたスラングで「これ面白いな」と思ったものはありますか? ファニーなものでも、興味深いものでも。
ミイナ:最近、「ありえない」を使っています(笑)。
―― 「ありえない」!(笑)。
ミイナ:前から聞いたことはありましたが、どう使うのかよく分かっていませんでした。最近は、もう少し意味が分かってきたと思います。母と話しているときに、「ありえない」を使う場面があるんです(笑)。なかなかいい言葉だと思います。
―― 今回はありがとうございました!
Written By uDiscover Team
ミイナ・オカベ「It’s A New Day」
2026年10月23日発売
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