マライア・キャリー自身が語る、20周年のアルバム『MIMI』や代表曲のミュージックビデオ裏話
2025年10月28日にジーライオンアリーナ神戸、11月1日と11月2日にKアリーナ横浜にて7年ぶりの来日公演を行うマライア・キャリー(Mariah Carey)。
そんな彼女自身が今年20周年記念盤が発売となった『The Emancipation of Mimi』の収録曲をはじめ、代表曲など全14曲のミュージック・ビデオを裏話とともに語ります。
<関連記事>
・マライア・キャリーが復活を果たした「We Belong Together」を振り返る
・マライア・キャリー『MIMI』での大復活へと至る道
・マライア・キャリー『MIMI』20周年記念盤が発売。秋には来日も決定
『The Emancipation of Mimi』収録曲
1. It’s Like That
「It’s Like That」は、すごく凝った作りになっていて。あのドアを突き破って入るシーンね。まあ、本当に突き破ったかは分からないけど、ドアを通り抜けると両側に開いて、あれは本当に印象的な瞬間だった。あの時代への象徴的な入口みたいな感じだったよね。ビデオ制作の中でも、特に楽しかった時間の一つだよ。
2. We Belong Together
「We Belong Together」は、基本的に「It’s Like That」の続きになっていて。エリック・ロバーツが悪役の夫を演じてて、ウェントワース・ミラーが私が本当に一緒にいたかった若くてイケてる男性の役をやってくれたの。私が着てるヴェラ・ウォンのドレスは実は私が結婚式で着たものなんだ。ドレスの後ろを燃やしたかったの。象徴的にね。あのビデオ、大好きだよ。
3. Shake It Off
「Shake It Off」はすごく楽しいビデオ。本当に大好きだった。クリス・タッカーがサプライズでゲスト出演してくれたの。彼が電話してきて、「中華食べたい?中華料理食べに行かない?」って言うから、「うん、いいよ」って答えたの。そしたら突然セットに来てくれて。彼は本当に最高に面白い人なんだ。
4. Say Somethin (featuring Snoop Dogg)
「Say Something」は、『The Emancipation of Mimi』のビデオの中では間違いなく一番のお気に入り。パリとカリフォルニアで撮影したの。スヌープもいてくれたから、いつも楽しいよね。ファレルもいてね。パリのヴィトンの店舗でもいくつかのシーンを撮ったのよ。アンドレ・レオン・タリーがお店にいて、ビデオにカメオ出演してくれたの。彼は安らかに眠ってほしい。大好きだったよ。
5. Don’t Forget About Us
「Don’t Forget About Us」のシーンは全部、マリリン・モンローからインスピレーションを受けてるの。彼女がラグの上に寝そべってたり、「Something’s Got to Give」のプールにいたりするシーンとか、彼女がやったポーズと全く同じものをやろうとしたの。ベストは尽くしたよ。あの時代のビデオの中では、かなり出来のいい方だと思う。
代表楽曲MV
6. Dream Lover: 『Music Box』収録曲 (1993)
これには面白い話があって。熱気球に乗ったの。興奮するような画が欲しいって言われたからね。確保してくれてた場所に着陸する代わりに、間違って沼地みたいなところに着陸しちゃったの。だから沼地で降りなきゃいけなくて。私もアウトドア派になれるってことね。
7. Fantasy:『Daydream』収録曲 (1995)
次はO.D.B.をフィーチャーした「Fantasy」。監督は私。私が監督したことに深い理由はないんだけど、他の誰よりも私がこの曲に思い入れがあるって感じたの。O.D.B.とのこのレコードが大好きだったし、彼も彼のキャラクターも全部好きだった。彼があのウィッグをかぶりたいって言い出して、かぶってたの。だから私は「OK、それがいいなら、そうしよう」って感じだった。
8. Honey :『Butterfly』収録曲 (1997)
「Honey」のミュージックビデオは、間違いなく私の全ビデオの中で一番のお気に入り。プエルトリコが舞台で、男たちに追われるの。ドラマチックだよね。それでボートから飛び降りて、ジェットスキーに乗るんだ。誰も私がそんなトリックとかをやるとは思ってなかったみたい。でも、やったのよ。
私の人生やキャリア、それに当時起こっていたいろんなことが、このビデオに反映されてるような、そんな瞬間だったね。でも結局は、これはこれ自身のストーリー。私の人生の話ってわけじゃないんだけど、結果的にそう見えちゃったんだよね。スパイ・スリラーみたいな。ジェームズ・ボンド的な瞬間だね。
9. Breakdown:『Butterfly』収録曲 (1997)
この時代のビデオは大好き。初めて自分のやりたいことをやらせてもらえたから。だから「Breakdown」のビデオには、いくつか違うルックがあるのよ。これも、セルジュ・ノーマンとローラ・メルシエがヘアメイクを担当してくれたビデオの一つ。彼らが全部のルックを作ってくれたんだ。ビデオ全体がセットとルックで出来てる感じ。すごく気に入ってる。だって、青いアイシャドウでランウェイの床に寝そべったり、椅子を使ったライザ・ミネリ風のキャバレーみたいな雰囲気で踊ったり、色々なことをやったからね。ボーン・サグズン・ハーモニーも最高だった。彼らはすごく上手で、あのビデオを見るたびに笑顔になっちゃう。本当に大好きなんだ。
10. My All :『Butterfly』収録曲 (1997)
「My All」。あのビデオはハーブ・リッツが監督で、彼と仕事するのをずっと待ち望んでたんだ。ハーブがセットを全部作ってくれて、星月夜、黒い水、灯台って感じだったんだけど、誰もあれがセットだなんて気づかなかったと思う。だから、セットの上で色々な瞬間を過ごしたって感じかな。
11. Heartbreaker: 『Rainbow』収録曲 (1999)
「Heartbreaker」は、私のキャラクターの物語で、ジェリー・オコンネルがボーイフレンド役。で、彼が一緒にいる女の子も、実は私なんだ。自分自身の新しいキャラクターを作ったの。黒髪で、髪にポップコーンがついてるんだけど、それは私と友達が彼女にポップコーンを投げつけたから。それで結局ケンカになるんだけど、振り付けはジャッキー・チェンだったんだ。次の日はもう体が痛くて大変だった。お互いを床で引きずり合ったりして、本物のケンカに見えたと思う。相手はスタントウーマンだったし、私もたまにはケンカできるからね(笑)。
12. Touch My Body:『E=MC2』収録曲 (2008)
次は「Touch My Body」。みんなすごく面白いビデオだって言ってくれるのよ。私も楽しいと思う。IT担当の男の子を誘惑するんだけど、実際には何も起こらないっていうね。
13. Obsessed : 『Memoirs of an Imperfect Angel』収録曲 (2009)
「Obsessed」では、私が男装してるんだけど、特定の誰かってわけじゃない。みんな誰かネタ元があると思ってるみたいだけど、違うの。ただの普通の男の人。で、彼がストーカーなの。私たちは彼を「ストーカー」って呼んでた。私に接触しようとしたり、色々してくるのね。まさに「Obsessed」、執着してたんだね。追いかけっこみたいなのが繰り広げられるから、ぜひビデオを見てみて。私が話すより、ストーリーがよく分かるから。
14. #Beautiful : 『Me. I Am Mariah… The Elusive Chanteuse』収録曲 (2014)
このビデオではバイクの後ろに乗ってたんだけど、あれはプリンスのビデオにインスパイアされたの。ミゲルをフィーチャーした「#Beautiful」のことね。父の車にも乗ってたよ。実はミゲルが運転してたのが父の車で、私が父のために修理したものなんだ。父が亡くなった後、その車を修理したの。60年代くらいの赤いポルシェで、スピードスターっていうモデル。父が教えてくれたから知ってるだけなんだけどね。いいビデオになったし、またビデオ制作に戻れて嬉しかった。
Written by uDiscover Team
20周年記念盤発売中
マライア・キャリー『The Emancipation of Mimi: 20th Anniversary Edition』
2025年5月30日発売
CD/LP / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
マライア・キャリー7年ぶりの来日公演
神戸:10月28日(火) (ジーライオンアリーナ神戸)
横浜:11月1日(土) Kアリーナ横浜
横浜:11月2日(日) Kアリーナ横浜
公演詳細はこちら
- マライア・キャリー アーティスト・ページ
- レディー・ガガ新作アルバム『Mayhem』解説:内に抱えるカオスと安らぎの境地
- エルトン・ジョンとブランディによる新作舞台裏に迫る映像が初公開
- グレイシー・エイブラムスの軌跡:テイラーとの絆と「That’s So True」
- ボーイズⅡメン、大成功の始まりとなった記録的な全米1位曲「End Of The Road」