世界中のディズニー・ファンを感動させる「ハーモニアス」の音楽とは

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フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのテーマパークのひとつ、エプコット。ウォルト・ディズニー・ワールド50周年を記念して2021年10月1日から開始した夜のエンターテインメントショー「ハーモニアス」。7月15日からDisney+(ディズニープラス)で『ハーモニアス ライブ!』の配信も決定し、ナレーターはアウリィ・クラバーリョ(モアナ役)、ホストはイディナ・メンゼル(エルサ役)が務めることでも話題ですが、そんな「ハーモニアス」の音楽の魅力をライターのうきたひさこさんに解説いただきました。

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壮大なスケールで行われたプロジェクト

音楽の力で、世界中のディズニー・ファンを感動させた「ハーモニアス」をご存知だろうか。「ハーモニアス」は、フロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの50周年を記念してスタートしたナイトタイム・スペクタキュラー。リゾート内にある4大テーマパークのひとつ、エプコットで、2021年10月から公演されている。世界のディズニーパークには、それぞれ看板となる夜間ショーがあるけれど、「ハーモニアス」はそのなかでも史上最大級とされている。

言葉でサラッと説明されても、実際に見てみなきゃわからないよ〜と思うのは、ごもっとも。が、ここでお伝えしたいのは、そのショーのためにグローバルなスケールで行われた音楽プロジェクトの話。ミュージシャン/作曲家/編曲家/ボーカリストなど、世界各地から240名のアーティストが参加し、9ヵ国で110以上のセッションを行うという、とんでもないスケールで音楽が作られた。

「ハーモニアス」の魅力

いったいなぜ、そんな壮大な音楽を? それを紐解くには、まず「ハーモニアス」の背景を知る必要がある。エプコットのなかには、ワールド・ショーケースと呼ばれるエリアがあり、世界11ヵ国のパビリオンが、巨大なラグーン(湖)を取り囲むように建ち並んでいる。各パビリオンのなかにはアトラクションやレストランがあり、まるで世界を旅しているような感覚で、それぞれの国の伝統や文化に触れることができる。ちょっと万博のような雰囲気、といったら分かりやすいだろうか。

「ハーモニアス」が行われるのは、その中心に位置するラグーン。40エーカー(東京ドーム3個半ほど)の広大な湖に、5つの水上プラットフォームを設置して、LEDディスプレイやウォータースクリーンに映し出される映像と、噴水、ライト、レーザー、花火などの華やかな演出でショーが展開し、周囲のどこからでも楽しめる。だから音楽も、それ相応のダイナミックなものでなければならないのだ。

「ハーモニアス」では、世界の多様な文化が、ディズニーアニメーションの映像と音楽で描き出されていく。中東なら『アラジン』、中国なら『ムーラン』といった具合だが、音楽はすべて新録。各地のアーティストを起用し、その国の言葉や伝統楽器を取り入れて地域色を高めつつ、おなじみのディズニーソングを新たな解釈とアレンジで聴かせてくれる、それが最大の魅力だ。

アレンジは驚きの連続

「ハーモニアス」はアレンジがとにかく面白い。冒頭で聴こえてくるのは、『モアナと伝説の海』『リトル・マーメイド』『アナと雪の女王』『ライオン・キング』『ノートルダムの鐘』からの祈りのメロディ。それらが重なり合い、やがてひとつに溶け合って、独特な世界観を醸し出す。「ハーモニアス」とは何かを象徴する、とても美しいオープニング。

続いて、多国語で歌われる『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go」と、『ヘラクレス』の「Go the Distance」の意表を突いたマッシュアップ(個人的には、これを思いついた人に拍手を贈りたい)。『ジャングル・ブック』の「I Wanna Be like You(邦題:君のようになりたい)」は、まさかのボリウッド調アレンジに。物語の舞台はインドだが、原曲はジャズだったので、そうくるか!と驚かされた。もちろん意外性のあるアレンジばかりではなく、アフリカン・コーラスの魅力を前面に押し出した『ライオン・キング』のメドレーは、何度もリピート再生したくなるほど感動的だ。

聴き進めていくと、参加アーティストのなかに、「おや?」という名前が見受けられる。たとえば、「デスパシート」の世界的ヒットで知られるプエルトリコの国民的シンガー、ルイス・フォンシと、メキシコの人気ポップ・デュオ、ジェシー&ジョイのメンバーであるジョイ・ウェルタが、『リメンバー・ミー』のメドレーを歌っていたり。元ケルティック・ウーマンのメンバーだったアイルランド出身のマレード・ネズビットと、踊りながら演奏するスタイルで注目を浴びたアメリカのヴァイオリン奏者リンジー・スターリングが、『メリダとおそろしの森』の曲にのせて情熱的なフィドルの共演を繰り広げたり。

そして圧巻のボーカル・パフォーマンスが楽しめるのは、『プリンセスと魔法のキス』からのゴスペルナンバー「Dig a Little Deeper(邦題:もう一度考えて)」。ゴスペル界で絶大な人気を誇るカレン・クラーク・シェアードとキエラ・キキ・シェアードの母娘コンビが、パワフルな掛け合いを披露してくれる。

音楽の力を感じて

ショーのフィナーレを飾るのは「Someday」。映画『ノートルダムの鐘』からのナンバーで、「すべての人が平等に生きられる日が、いつか訪れますように」と歌う。フィナーレは派手にと考えがちだが、あえてメッセージ性の強いバラードを、しかも、あまり広く知られていないこの曲を選んだセンスがすばらしい。

なぜこれほど贅沢な音楽を作ることができたのか?といえば、やはりディズニーのショーだからに他ならない。同じエプコットで「ハーモニアス」の前に行われていたショー「イルミネーションズ:リフレクション・オブ・アース」は、1999年から2019年まで、20年間の長きにわたって、世界中から訪れるゲストを楽しませた。「ハーモニアス」もきっと相当の期間、公演され続けるに違いない。つまりこれは、10年か20年に一度の大プロジェクトなわけで、だからこそ、かかわったアーティストやスタッフの数も、彼らが傾けた情熱やエネルギーもケタ違いなのだろう。

つけ加えるなら、コロナ禍でリモートによる音楽制作が飛躍的に進化したことも、このプロジェクトを後押しする結果につながったと思う。9ヵ国で110以上のセッションを重ねたレコーディングも、おそらくリモート技術がなければ実現できなかったはずだ。

「ハーモニアス」が伝えるのは、言葉や文化を超えて人々をつなぐ音楽の力。世界のアーティストたちによって奏でられた壮大なハーモニーは、未来への明るい希望とともに幕を閉じる。アルバム全体の収録時間は23分ほどだが、ディズニーミュージックとワールドミュージックの楽しさが存分に味わえる1枚だ。このアルバムを通して、より多くの人にディズニーミュージックの奥深さを知ってもらえたら、と思う。

Written By うきたひさこ


© Disney

「ハーモニアス:グローバリー・インスパイアード・ミュージック・フロム・ザ・エプコット・ナイトタイム・スペクタキュラー」
2022年4月20日配信
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≪作品情報≫

『ハーモニアス ライブ!』
2022年7月15日よりディズニープラスで独占配信開始

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