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Classical Features

イヤホン×スマホで楽しむドルビーアトモスのすすめ:配信なのに生演奏に聴こえるライヴ感

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クラシック音楽、イヤホンでは聴きづらいと感じたことはありませんか。

昨今のイヤホンは高性能なノイズキャンセリング機能が搭載されていたり、ケーブルレスのタイプも販売されていますが、耳への圧迫感はどうしても感じてしまうもの……。それならスピーカーで聴けばいいじゃない?とも思うけれど、家族や近隣の方の迷惑を考えると日中以外は小さい音量でしか聴けないし、何より移動中に聴けないのが辛い!

イヤホンでも圧迫感を感じず、ストレスフリーにクラシック音楽を楽しむにはどうしたらいいか……と思っていたときに出会ったのが、Dolby Atmos®︎(ドルビーアトモス)と呼ばれる音響技術。そんなドルビーアトモスの楽しみ方を紐解いていくため、今回はユニバーサル ミュージック・スタジオグループ主任の山田忍さんにお話を伺いました。

また、記事の後半では実際にドルビーアトモスで配信されている楽曲の中から、オススメのクラシック作品をいくつかご紹介。僕と一緒にドルビーアトモスの音響を体感し、その楽しみ方を学んでいきましょう!ピアニスト・編集者・ライター門岡明弥さんによるインタビュー。


そもそも、ドルビーアトモスって?

――ドルビーアトモスはどのような技術なのか、伺いたいです。

今までの音楽の聴き方はミニコンポやスピーカーを自分の前に2つ置いたり、イヤホンやヘッドホンで左右の耳から音を聴くような、“ステレオ方式”が主流でした。そんな従来の平面の動きしかなかった音響から、上下の表現を可能にして3次元的な音響を生み出したのが、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)と呼ばれる立体音響技術です。

しかし、元々は映画館で使われていた音響技術だったんです。観客の方の周りと天井にもスピーカーを搭載することで、あたかも映像の中に入り込んでいるような没入感を生み出すために、用いられていました。たとえば登場人物が広い部屋にいたら、開放感のある聴こえ方がしたり、狭い部屋にいたら窮屈な聴こえ方がしたり……。

そんな技術が音楽制作にも応用できるようになり、昨今では主に配信の形(※日本ではApple Music、Amazon Musicが対応)でユーザーの皆さんに楽しんでいただけるようになりました。

――スタジオにもたくさんのスピーカーが設置されていますね! ドルビーアトモスを楽しむためにはスピーカーの配置も大切になってくるのでしょうか。

このスタジオには、壁についている黒い目玉のようなスピーカーが、9つ。低音専用のスピーカーが左右に2つ。それから天井にも、高さを表現するような音を出すためのスピーカーが4つついていて、それら全てのスピーカーはドルビーアトモスの規格に則って配置が決まっています。

ただ、さすがにスタジオや映画館のようなシステムをご自宅で再現するのは難しいので、ご自宅ではテレビの前に置くサウンドバーやイヤホン、ヘッドホンで楽しんでいただく方法が一般的です。

――スタジオや映画館を擬似的に再現すると。

そうですね。サウンドバーは天井に向けてスピーカーが搭載されているモデルもあって、音を壁や天井にたくさん反射させることで、あたかも自分の周りが音に包まれているかのような感覚を得られるんです。

イヤホンは従来のステレオ方式だと右と左の2箇所からしか音が聴こえなかったんですけど、ある意味で“耳の錯覚”を利用することで立体的な聴こえ方が実現されていて。

ステレオ方式だと頭の中でギュッと音が鳴っているように聴こえがちでしたが、ドルビーアトモスだと頭の周りを囲むように音が聴こえるため、イヤホンでも圧迫感を感じずに音楽を楽しめるのは強みだと感じます。

演奏者が目の前にいるようなライヴ

――先日イヤホンでドルビーアトモスの音源を聴いてみたのですが、まるでホールで生演奏を聴いているかのような感覚がありました。

Apple Musicの場合、特定のイヤホンとiPhone・iPadが連動することで頭の向きを判別する、ダイナミック・ヘッドトラッキング技術が用いられています。頭の向きに合わせて音の位置を逆算的に配置するため、イヤホンを着けていても目の前でプレイヤーが演奏しているかのように聴こえるんです。

分かりやすいところで言いますと、最初は左側でヴァイオリンの音が聴こえていたのに、頭が左を向いたらだんだん右側で聞こえるようになる……といった具合ですね。

――ドルビーアトモスは全てのイヤホン、スマートフォンで楽しめるのでしょうか。

ヘッドトラッキング機能は特定のApple純正イヤホン・ヘッドホンでないと対応していないんですけど、ドルビーアトモス自体はiPhoneの設定「ドルビーアトモス」をオンにしていただけたらOKです。イヤホンは純正でなくてもいいですし、有線・ワイヤレスに限らず楽しめますよ。

Androidは全ての機種がドルビーアトモスに対応しているわけではありませんが、一部の機種であれば聴くことができます。ヘッドトラッキング機能はあくまでAppleの端末と純正イヤホン・ヘッドホンとの組み合わせによって実現している技術のため、残念ながらAndroidには対応していない……というわけです。

ドルビーアトモスによって広がる音楽表現の幅

――このスタジオには多くのスピーカーが配置されていますよね。ひとつひとつのスピーカーに各パートの音を割り振り、空間的な音響を作る作業は簡単でないように感じます。

(写真左から)ユニバーサル ミュージック・スタジオグループ主任・山田忍さん、ドルビーアトモス音源の制作を手掛けるエンジニア・松本直行さん

確かに、日本ではドルビーアトモスの音源を制作できるエンジニアさんは多くありません。映画の世界では以前から取り入れられてはいましたが、まだまだ音楽の世界では新しい技術なので……。ただ、映画は当然元の映像があるので、その画の範囲内でしか音響を作れないんですよね。人が前で喋っているのに、喋り声が後ろから聴こえたらおかしいですから(笑)。

――映像ファーストなわけですね。

対して、音楽の場合は映像がないので、どのような音響を作り上げていくかはアーティストさん・エンジニアさん・プロデューサーさん、全員の想い次第。映像に合わせて音響を作り上げるのではなく、ひとつの楽曲作りにおいて徹底して音作りにこだわることができます。

今はまだ全てのアーティストさんが気軽にドルビーアトモスの音源をリリースできるような状況にはなっていませんが、少しずつドルビーアトモスに対応した楽曲も増えてきているこの頃です。

――クラシック以外のジャンルにおいても、ドルビーアトモスに対応した楽曲は制作されているのでしょうか。

ドルビーアトモスに興味を持っていただき、制作にチャレンジするアーティストさんも増えつつあります。従来のステレオ方式ですと2つのスピーカーの間に全ての音を入れなければならなかったため、表現できる範囲が限られていました。

しかし、ドルビーアトモスの場合はステレオ方式とは比べ物にならないスピーカー数で楽曲制作を行うため、空間を自由に使った音作りもできますし、逆におもちゃ箱みたいに「あっちこっちで音が飛び交って面白い!」みたいな音作りもできちゃうんです(笑)。

もしかしたら、今後は楽曲制作に限らず、オンラインライヴやVRの世界における活用法も次々出てくるかもしれません。新たな音楽表現の選択肢として、これからますます盛り上がっていくだろうと感じています。

まずは、聴いてほしい!

インタビュー終了後、エンジニア・松本直行さんに実際のシステムを用いてドルビーアトモス音源を流していただきました!スタジオで5曲聴かせていただきましたが、ステレオ音源のあとにドルビーアトモス版を聴いたらあまりの聴こえ方の違いに思わず声が出てしまうほど……(笑)。

目をつぶって聴くと、まるで演奏者の姿が実際に浮かんでくるとでも言いますか。

左耳はヴァイオリン、右耳には低音楽器、そして要所で空間を揺らす管楽器や打楽器。全ての楽器が単なる音の塊として飛んでくるのではなく、ミルフィーユのように折り重なった全ての音が、ホールの響きと混ざり合ってイヤホンという名の特等席に音が届くのです。

実際に演奏会を聴きに行っているかのような、ライブ感。これがドルビーアトモスの真骨頂。音しか聴こえないのにもはや何か見えてきそうな感覚にも、驚きを隠せません。今回はスタジオで視聴するという最高に贅沢な体験をさせていただきましたが、この感覚をイヤホンでも擬似的に味わえてしまうのが何よりすごいところ。

ここまで言ったら、読者の皆さんにも早く聴いていただきたい!ということで、現在Apple Musicで配信されている作品の中から、ドルビーアトモスに対応している曲を3つピックアップしてみましたよ。

◆P.I.チャイコフスキー:《くるみ割り人形》より〈花のワルツ〉

《くるみ割り人形》の中で最も有名な作品であり、チャイコフスキーのメロディ・メーカーとしての才能が遺憾なく発揮された名曲です。ハープの即興的独奏の後、ホルンにより主題が提示され、メリーゴーランドを彷彿とさせる絢爛豪華なワルツへ。ドルビーアトモスで楽しむ〈花のワルツ〉、各パートがより聴き分けやすくなったことで多幸感に満ちたメロディの存在感が際立ちます。

◆F.ショパン:《24の前奏曲》より第1曲

J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》に影響を受け、平均律における全ての調性を用いてショパンが書き上げた作品です。1曲1曲が極めて簡潔に書かれており、第1番は本作品のはじまりにふさわしい期待感とロマンに満ちています。ハ長調のアルペジオに乗って、短い曲でありながらもグラデーションのように移ろう色彩美。空間に溶ける響きを楽しんでみて。

◆J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043より 第3楽章(ヤーノシュカ・アンサンブルによる編曲)

“鍵盤の魔術師”と称されるピアニスト、フランティシェク・ヤーノシュカが率いるヤーノシュカ・アンサンブル。J.S.バッハの精神性やバロック音楽の構造美を尊重しつつも、その上にジャズの色彩を添えることで、J.S.バッハの名曲が変貌を遂げました。かつてこれほどの編曲があったでしょうか……、ヤーノシュカ・アンサンブルの手にかかれば、あの名曲もここまで痛快な作品に!

次回はプレイリストをご紹介

簡単に3曲紹介しましたが、他にもドルビーアトモスで聴いていただきたい作品は盛りだくさん……。次回の記事では、この企画のために選曲した “ドルビークラシック・プレイリスト”をご紹介します。

上記3曲はもちろん、さまざまな編成の作品を選曲してみたので、乞うご期待!

Interviewed & Written By 門岡明弥


※Dolby、ドルビー、Dolby AtmosおよびダブルD記号は、アメリカ合衆国とまたはその他の国におけるドルビーラボラトリーズの商標または登録商標です。



 

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