TikTokやネットで話題の過去の名曲とその理由Vol.3:ガガ、テイラー、アヴィーチー等

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Lady Gaga. Photo: Kevin Mazur/WireImage

バイラルヒットとなって、チャートを制覇するというTikTokトレンドへの道は、もはや最新の楽曲だけに限ったことではない。昨今の音楽業界では、TikTokなどのソーシャルメディアやサウンドトラック、CMへの起用、そして時には偶然の賜物として、ポップカルチャーに再登場した過去の名曲への関心が高まっている。

しかし、昨年10月のフリートウッド・マックの「Dreams」を聴きながらロングボードでクルージングした男が現れた頃から、ルールはさらに変わり続けているのだ(*このTikTok動画が拡散したことで楽曲がリバイバルヒットとなった)。この記事では、今、再びトレンドになっている過去の名曲とその理由を紹介しよう。

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ラナ・デル・レイ「Doin’ Time」

2019年、米シンガーソングライターのラナ・デル・レイは、サブライムの1997年のヒット曲「Doin’ Time」のカヴァーを発表し、彼らにオマージュを捧げた。彼女の傑作アルバム『Norman Fu***ing Rockwell!』に収録されたこのカヴァーで、デル・レイはブラッドリー・ジェイムス・ノウェルのラップ・ヴォーカルに物憂げなひねりを加え、トラック全体を妖艶な雰囲気に仕立て上げた。

近年、同カヴァーはバイラルで再ヒットしており、ファンたちはTikTok上で美的な表現のサウンドトラックとして使用したり、彼女の過去のパフォーマンスをスローバックするなどして、この曲を称え続けているのだ。

レディー・ガガ feat. ビヨンセ「Telephone」

「Telephone」は、レディー・ガガとビヨンセという音楽界のビッグネームが夢のコラボレーションを実現させ、世界を席巻した1曲だ。2011年のグラミー賞にノミネートされ、レディー・ガガにとって最も売れたシングルの一つである同曲は、リリースと同時にイギリスを含む世界数カ国のチャートで首位を獲得した。

パートナーからの電話に出るよりもクラブのダンスフロアで酔いしれたいと歌うこの曲の歌詞にあわせて、ユーザーが口パクする動画がTikTokでの新たなトレンドとなっている。

テイラー・スウィフト「The Man」

現代のフェミニスト・アンセムである「The Man」は、テイラー・スウィフト自身や音楽業界にいる他の女性たちの経験を基に、女性が日常生活で直面する性差別的なダブルスタンダードに異議を唱えた1曲だ。

きらめくシンセサイザーにのせて、テイラー・スウィフトが「全力で走るのはもううんざりよ/もし私が男だったら、もっと早くそこに辿り着けるのかしら」と歌うこの曲は、TikTokのクリエイターたちによって新たな命を吹き込まれ、学校やファン・コミュニティ、テレビ番組などにおける男女のダブルスタンダードを表現した自作動画のサウンドトラックとして使用されている。

アヴィーチー「The Nights」

スウェーデン出身のDJ、アヴィーチーが2014年に発表した「The Nights」は、イギリスでダブル・プラチナを、アメリカでもプラチナ・セールスを記録した大ヒット曲だ。プログレッシブ・ハウスとフォーク・ロックを融合させた高揚感溢れるこのトラックは、今を精一杯生きるんだという父から息子への助言をテーマにしており、ヴォーカルのニック・ファーロングは、「ある日、父が僕に言った/息子よ、人生を無駄にしてはいけないよ/彼が僕を腕に抱き、こう言うのを聞いたんだ/お前が年をとったら若かりし日に戻りたいと思うだろう」と歌う。

近年、この曲はTikTok上のファンたちによるアコースティック・カヴァーやアヴィーチーへのトリビュートとして再びシェアされ、その美しさが再評価されている。

ビリー・ホリデイ「Solitude」

ビリー・ホリデイは、デューク・エリントンが作曲し、エディー・ディレンジとアーヴィン・ミルズが作詞した1934年のジャズ・スタンダード「(In My) Solitude」を、1952年に発表した彼女のアイコニックなデビュー・アルバム『Billy Holiday Sings』のためにカヴァーしている。

それから70年後、彼女の録音の断片が、インスタグラムのリール上でトレンドを生んでいる。ユーザーはこの曲を、本屋を覗いたり大きなカントリーハウスを訪れたりといった、充実したソロ活の様子を撮影した短い動画のサウンドトラックにしているのだ。

ドレイク「One Dance」

2016年4月にリリースされたドレイクの「One Dance」は、瞬く間に爆発的ヒットとなった。ダンスホールとアフロビートの要素を取り入れたこの曲は、世界15カ国のチャートで首位を獲得し、全米シングル・チャートでは10週首位をキープし、全英チャートでも史上2番目に長い15週連続1位を記録した。

史上最も売れたデジタル・シングルのひとつであるこの曲が、TikTokを含め、いまだに絶大な影響力を誇っているのは何ら不思議ではなく、クリエイターたちがこの曲のリミックスに合わせて短いダンスを披露する“One Dance”がトレンド入りしている。

ジム・ジェームス「Here In Spirit」

マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェームスは自身のソロ・シングル「Here In Spirit」について、 2016年のリリース当時、「たとえすべての集会や闘いに参加できなくても、声を上げ、人々の心の支えになろうとする」ことを歌ったものだと語っていた。

その不屈の精神は今、TikTok上でも支持されており、クリエイターたちはこの慈愛に満ちた曲を、何かをやり遂げたり、自分たちを追い込んだりする姿を映した動画のサウンドトラックに使用しているのだ。

キッド・カディ「Day ‘N’ Nite」

2008年発表のこのトラックは、キッド・カディをメインストリームへと押し上げるきっかけとなった優れた楽曲の一つで、彼のブレイク作であるミックステープ『A Kid Named Cudi』に収録され、その1年後に発売されたデビュー・アルバム『Man On The Moon: The End Of Day』のリード・シングルとなった。キッド・カディは叔父の家から追い出された後にこの曲を書いたことから、叔父がいなければ“キッド・カディ”は存在しなかっただろうと語っている。

ここ数ヶ月TikTokでは、ユーザーたちがこの曲のドロップ前にサングラスをかけ、その後同じサングラスをかけた友人たちの静止画を繋げた動画を投稿する“put these on and pose”がトレンド入りしている。

Written By uDiscover Team



 

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