“絶頂期の1枚”ザ・ローリング・ストーンズの『Let It Bleed』

December 5, 2018


“絶頂期の1枚”ザ・ローリング・ストーンズの『Let It Bleed』

1969年12月5日、この日は、次のアルバム『Sticky Fingers』のために、数トラックのレコーディングを終えたザ・ローリング・ストーンズがアラバマ州のマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオをあとにし、キース・リチャーズがタイトルを考案したアルバム『Let It Bleed』がイギリスでリリースされた日だ。同時に、ザ・ローリング・ストーンズがあの悪名高きオルタモントに出演するためにサン・フランシスコに向けて飛び立った日でもある。

Altamont

ザ・ローリング・ストーンズ2枚目のジミー・ミラーによるプロデュース作品となった本作『Let It Bleed』はアメリカでは、イギリスよりも1週間前にリリースされていた。レコーディング時期はブライアン・ジョーンズがバンドに在籍していた最後の数ヶ月間と重なるのだが、ギタリストとして加入したミック・テイラーをフィーチャーしたこのアルバムに彼の存在はほとんどどこにも感じられない。2ヶ月前にザ・ビートルズの『Abbey Road』が、そして数週間前にレッド・ツェッペリンのセカンド・アルバムがリリースされていたことから、ザ・ローリング・ストーンズのアルバムにとって1位を獲得するのは並大抵のことではなかった。

レコーディングについては、そのプロセスの大半が1969年2月から10月にかけてロンドンのオリンピック・スタジオとロサンゼルスのエレクトラ・スタジオで行われた。いずれも不朽の名作と言っていい「Gimmie Shelter」、「You Can't Always Get What You Want」、「Midnight Rambler」の3曲もこのレコーディングから誕生している。

佳境に差し掛かった『Let It Bleed』のレコーディングにミック・ジャガーとキース・リチャーズが取り組んでいた10月の終盤あたりの頃、午前1時という時間にR&B歌手メリー・クレイトンに「Gimmie Shelter」のバックアップ・ヴォーカルのレコーディングのお呼びがかかった。それによって押しも押されもせぬザ・ローリング・ストーンズ最強の楽曲のひとつが完成したのだった。

また別のとある夜、フィドル奏者のバイロン・バーラインはウィルシャー通りの路上でリムジンに寄りかかり、車のクラクションを演奏開始の合図がわりにしつつ、「Country Honk」のオーヴァーダビングをレコーディングをした。このアルバムのレコーディングに参加したミュージシャンは他にも、ピアノにイアン・スチュワート、ピアノとオルガンにニッキー・ホプキンス、マンドリンをプレイしたライ・クーダー、ギターに元トラフィックのデイヴ・メイソン、ピアノにレオン・ラッセル、サックスにボビー・キーズ、そしてバッキング・ヴォーカルのナネット・ワークマンとマデリーン・ベルなどが顔を並べている。

「Honky Tonk Women」も同じ時期にレコーディングされ、シングルとして発売されたが、アルバムに収録されることはなかった。しかしそのB面に収められていた「You Can't Always Get What You Want」はアルバムに収録され、ハイライトのひとつになっている。ロンドン・バッハ合唱団60名をフィーチャーしたこの曲はレッキング・クルーの一員でベテランのジャック・ニッチェのアレンジによるもので、演奏にはザ・ローリング・ストーンズの他にアル・クーパーがピアノ、オルガン、そしてフレンチ・ホルンで貢献している。

1969年、8月も終わろうとするころ、ロバート・ブラウンジョンがニュー・アルバムのカヴァー・ジャケット用の「Automatic Changer」という仮題のついたスケッチをキースに見せた。キース・リチャーズはこれを大いに気に入り、1,000ポンドという当時としては破格の巨額の予算を組み1週間後に撮影に取り掛かることになった。印象的なカヴァーのケーキを作ったのは、デリア・スミスという当時の若き料理研究家で後に著名なシェフとして知られるようになる女性で、彼女は次のように述べている。「当時の私は、コマーシャルや雑誌用に写真を撮るフォトグラファーと組んで料理研究家として仕事をしていました。頼まれたものはなんでも作りましたよ。ある時『ザ・ローリング・ストーンズのアルバムジャケット用にケーキを作ってくれないか』と頼まれたんです。その頃は単に仕事のひとつという認識でしたね。とにかくできるだけ派手なものがいいと言っていましたね」。

Let It Bleed poster

ケーキを大写ししたカヴァーは人気を集めたが、ローリング・ストーン誌は「アルバム『Flowers』以来の最もつまらないカヴァー・アート」と評した。グリール・マーカスが同じ号で「圧倒的な魅力のアルバムだ…ここまで凄いストーンを聞いたことがない。」と書いているのにもかかわらずだ。

Mick jagger

アルバムは全英チャートの1位を獲得したものの、全米チャートでは最高位3位に終わった。しかし時代が下るにつれて、ザ・ローリング・ストーンズ絶頂期の1枚という評価を得るに至っている。このアルバムは、バンドが音楽から受けた影響と音楽への愛情の様々な形を一つのものとして表現しきった、一気に聞いてしまわせる魅力を持った完璧な作品だ。そしてロバート・ジョンソン作「Love in Vain」のカヴァーは、ブルースへの永遠の愛の誓いである。

Written by Richard Havers



ザ・ローリング・ストーンズ『Let It Bleed』

The Stones Let It Bleed

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<Disc 1収録曲>
1. Sympathy For The Devil
2. No Expectations
3. Dear Doctor
4. Parachute Woman
5. Jigsaw Puzzle
6. Street Fighting Man
7. Prodigal Son
8. Stray Cat Blues
9. Factory Girl
10. Salt Of The Earth

<Disc 2収録曲>
01. Sympathy For The Devil (mono)
02. “ハロー!ミック・ジャガーです” 1968年4月17日ロンドン – 東京


① LP + 12” Single + ソノシート <直輸入盤仕様/完全限定盤>
②CD


『Chicago Plays the Stones』

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