ジェントル・ジャイアント『Giant For A Day!』:プログレの美学を避けソフト・ロックへ移行した作品

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サイケデリック・ポップ・グループのサイモン・デュプリー&ザ・ビッグ・サウンドの残存から生まれたジェントル・ジャイアントは、70年代の最も崇拝されたプログレッシブ・バンドの一つとしての地位を確立し、何枚もの傑作アルバムを発売した。

英国音楽シーンを風靡したパンクによって不安定な状況に置かれたバンドは、1977年の『The Missing Piece』でより主流なロック・スタイルへと移行した。その急激な方向性の転換に対して母国では様々な反応があったが、アメリカでは快く受け入れられ、海外のファン層に向けて残りのキャリアを行っていくことがベストだと説得されたメンバーたちは1978年に『Giant For A Day!』を発売した。

1978年9月11日に発売されたジェントル・ジャイアントの10作目『Giant For A Day!』は、『The Missing Piece』によって始まったバンドの遷移過程を完了した。複雑なテンポの変化、古い楽器、そして幾層ものハーモニーが特徴的なサウンドはすっかりなくなり、彼らはUSフレンドリーなソフト・ロック・スタイルへ移行するためにプログレッシブという美学のあらゆる面を避けた。お面を切り取ってファンたちにライヴで付けてもらうことが目的だった切り取り式のイラストが付いた青いジャケットは、長年に渡り必要以上に不当に批判されてしまった。

 

大げさでキャッチーなロックのオープニング・トラック「Words From The Wise」はシングルとしてリリースされたが、もっと上手くマーケティングされていればヒットとなったに違いない。「Take Me」は印象的な元気なブギー調のAORで、「Giant For A Day!」はバンドの新しい波動を象徴している。「Friends」では、ポール・マッカートニー調のフォーク・ミュージックを試し、「Spooky Boogie」は粋な遊び心のあるクリエイティブなトラックで、他にも「Little Brown Bag」と「Rock Climber」のようなストレートな余計な飾りのないソフト・ロックも含まれている。

アメリカでの成功を熱心に目指してみたものの、『Giant For A Day!』はUSチャートに登場することはなかった。ジェントル・ジャイアントは1978年の冬と1979年にアメリカでツアーを行い、その後に1年間長期休暇をとり、それぞれその後の選択肢について考えた。そして1980年にはAOR寄りの『Civilian』を発売したが、その1年後にバンドは解散している。

Written By Paul Bowler



ジェントル・ジャイアント『Giant For A Day!』

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