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ザ・ビートルズの初のUKシングル1位を獲得した曲と全米TOP5の独占

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問題。イギリスの公式ヒット・チャートで初めて1位になったザ・ビートルズのシングルはどれでしょう?   この問いには、きっと誰もが(かなりの)自信を持って答えを言うだろう。

デビュー・シングルの「Love Me Do」はチャートでそこそこのヒットを飛ばしたけれど、憧れの1位にまでは達していない。その事実はだいたいみんなが知っている。というわけで、みなさんの答えは……「Please Please Me」となるはず。この曲は1962年11月末に録音され、1963年1月11日にセカンド・シングルとして発売された。しかし実のところ、レコード・リテイラー誌のチャートによれば、「Please Please Me」は最高2位にしか達していない。とはいえ、この曲が1位になったという思う人がたくさんいるのも無理はない。なぜなら古き良きBBCが独自集計したチャートでは1位になっていたのだから(BBCのチャートは、ニュー・ミュージカル・エクスプレス(NME)やレコード・ミラーなどの音楽雑誌に掲載されたさまざまな全英チャートを平均するという集計方法を使っていた)。

1962年11月25日、日曜日の夜にリヴァプールのキャヴァーン・クラブでライヴを行ったビートルズは翌26日の月曜日にロンドンに移動し、「Please Please Me」とそのB面「Ask Me Why」を録音した。その次の日はロンドンのローワー・リージェント・ストリートにあるBBCのパリス・スタジオに赴き、全国で放送されるラジオ番組の収録を初めてこなした。翌年の1月11日に発売された「Please Please Me」は1週間ほどあとにチャートに入り、2月下旬に2位に到達。そこに2週間留まった。また3月16日には再び1週だけ2位に返り咲いている。

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一方、アメリカのキャピトル・レーベルはザ・ビートルズが出した最初のシングル2枚の発売を見送った。そのため、米国盤の配給契約はヴィージェイ・レーベルと結ばれた。ここはフォー・シーズンズの所属先として知られるレコード会社だった。やがて1964年初頭、ビートルズがもうすぐ“エド・サリヴァン・ショー”に出演するという時期に、ヴィージェイはシングル「Please Please Me」(B面は「From Me to You」)を再発している(1963年2月に発売された「Please Please Me」の米国オリジナル盤は、不発に終わっていた)。

1964年2月7日、ザ・ビートルズはニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に降り立った。それは、いわゆる‘ブリティッシュ・インヴェイジョン’の幕開けだった。その翌朝、体調不良のジョージを除くビートルズのメンバー3人はニューヨークのセントラル・パークで記者会見を行う。そして昼食後は「エド・サリヴァン・ショー」のリハーサルに参加した。そこでは不在のジョージの代役として、ロード・マネージャーのニール・アスピノールがテレビカメラの前に立っている。

その翌日、ザ・ビートルズはマンハッタンの西53番街のブロードウェイにあるスタジオ50で「エド・サリヴァン・ショー」のビデオ収録をこなした。そのときの演奏は、2月23日にこの番組への3度目の出演シーンとして放送された。ザ・ビートルズのDVD/ブルーレイ『1+』には、その「エド・サリヴァン・ショー」で放送された「Please Please Me」の映像が収められている。

午後にビデオ収録を済ませたあとの夜、ザ・ビートルズは「エド・サリヴァン・ショー」で生演奏を披露した。スタジオにいた観客の数は728人。しかしもっと重要なことに、この日曜日の夜、アメリカ全土の2,300万世帯では7,300万人もの視聴者が「エド・サリヴァン・ショー」を観ていた。この回の視聴率は、テレビ史上に残る高視聴率として記録に残っている。マネージャーのブライアン・エプスタインが番組側と結んだ契約では、ザ・ビートルズは3週間続けて日曜日に登場することになっていた。これは前代未聞の宣伝のチャンスだった。

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「エド・サリヴァン・ショー」で演奏したことが功を奏し、「Please Please Me」は1964年3月21日に全米シングル・チャートで3位に達した。その2週間後には5位に順位を下げていたが、これより上位の4曲はいずれもザ・ビートルズの曲。「I Want To Hold Your Hand(邦題:抱きしめたい)」が4位、「She Loves You」が3位、「Twist and Shout」が2位、そして1位は「Can’t Buy Me Love」だった。この1位から5位まで独占という大記録を達成したアーティストはその後現れていないし、これからも現れそうもない。

ザ・ビートルズの『1+』はそんな彼らの偉業を讃えるコンピレーションとなっている。そのDVD/ブルーレイ版のボーナスディスクには「Please Please Me」の映像も収められている。

Written By Richard Havers


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