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リトル・スティーヴ・ヴァン・ザント『Soulfire』

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スティーヴ・ヴァン・ザントは自分をジェームス・ブラウンと比べることを好まないが、芸能界で最もよく働く人の一人であることは確かである。長期に渡りブルース・スプリングスティーンのサイドマンを務めてきたヴァン・ザントは、40年間の大半を(断続的に)Eストリート・バンドと共に演奏、レコーディング、そしてツアーを行って過ごしてきた。それまで演技の経験はなかったが、高い評価を受けたHBOの番組『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』(1999年〜2007年)とスピンオフのネットフリックス・シリーズ『リリハマー』の両方で好感の持てるマフィアを演じ役者としても成功を果たしている。

その間、作曲家としてのキャリアも成功させ、『リリハマー』の音楽をすべて担当し、全国ネットのシリウスXMラジオとLittle Steven’s Underground Garageを立ち上げ、2002年以降リスナーたちにガレージロックを広めてきた。長い間ヴァン・ザントの音楽と演技をする姿を見てきた我々からすると、彼がソロ・アルバムを最後に発売してから20年近くが経っていることは信じがたい。

生涯ロックンロールの生徒であり続け、そしてロックというジャンルの最も熱い伝道者であるヴァン・ザントの最新の作品『Soulfire』(5月19日発売)は、彼の音楽への献身を象徴している。ブルース、ドゥーワップ、ジャズ、そしてロックを寄せ集め、ベテランDJとミュージック・プロデューサーであるヴァン・ザントの百科事典的な知識や経験からこのような作品が生まれることは自然なことなのだろう。12トラックを収録したアルバムは、彼のプロデューサー、アレンジャー、そして作曲家としてのダイナミックなキャリアを象徴しており、他のアーチストたちのために書いた曲が収集されている。

再び舵を取ることになった作品『Soulfire』でのリトル・スティーヴンはパワー全開であり、彼が結成したバンドのサウスサイド・ジョニー & ジ・アズベリー・ジュークスが最初に出した3作品で形作られた”ソウル・ホーンとロックンロール・ギター”のサウンドがこの作品にも再び注ぎ込まれている。18年という年月が経っているものの、最新のソロ作品を作ることになったのは自然な流れで、Eストリートとのツアー中にヴァン・ザントが友人から頼み事を受けたことがきっかけとなった。

「正直言うとそれは思いがけないことだった」と、リトル・スティーヴンは話す。「要するに、イギリスで一人のプロモーターと会ったんだけど、彼からブルース・フェスティバルに出演するためにバンドを結成するように頼まれたんだ。俺はその場で(実際には思い付きで)それを引き受けた。なぜならパフォーマンスを久しくやっていなかったから。そこで20曲を集めて、俺たち(リトル・スティーヴン & ディサイプルス・オブ・ソウル)は2016年にロンドンで行われたブルースフェストに出演した。曲の仕上がりが良かったことと、その時点ですでにサウンドがユニークだったことに自分自身で驚いていた。その”ロックとソウル”なサウンドは、年月をかけて一つの独立したジャンルになっていた。そのことにかなり驚き、これで一枚のアルバムが完成した!って思ったんだ。」

ライヴを成功させたヴァン・ザントは、ソロとして結成したバンド、ディサイプルス・オブ・ソウルを15ピースのバンドとして復活させ、ニューヨーク市にある自己所有するレネゲード・スタジオにてレコーディングを開始した。アレンジとプロデュースを手掛けたヴァン・ザントは、共同プロデューサーとしてグラミー賞受賞者のジェフ・サーノフとマーク・リブラ―を迎え、6週間でアルバムを完成させた。

「想像よりも良い作品に仕上がった」と、ヴァン・ザントは言う。「非常に速いペースですべてが行われ、着想もレコーディングもすぐだった。成り行きで始まったことだったけど、非常に素晴らしいコンセプト・アルバムになった。」

アルバム全体を、大規模な一つのジャンルを表現したものと捉えることもできるが、ヴァン・ザントは彼自身を全体的なテーマにし、『Soulfire』をコンセプト・アルバムとして提供している。

「新しい観客たちに自分を新たに紹介する良い機会だと思った」と彼は熱く語る。「ブルースやドゥーワップの曲、ジャズやカヴァーなどを取り入れた自分の作品を今まで作ったことがなかった。これまでの作品と違って、俺が受けてきた影響がはっきりと聴き取るができるんだ。」

『Soulfire』はヴァン・ザントが初めてカヴァー曲をレコーディングした作品であるが、これまでに彼はダーレン・ラヴ、ゲイリー・U.S.ボンズ、サウスサイド・ジョニー、そしてヴァン・ザントのレーベル、ウィキッド・クールのアーチストなど多くのミュージシャンにヒット曲を書いてきた。それらの多くは今作に含まれている。ゼロから始めるのではなく、ヴァン・ザントは自分をカヴァーすることを思い付き、自分にとって個人的な意味を持つ曲を選んだ。その一つは、ドリフターズへのトリビュートとして初めて作曲したトラック「I Don’t Want To Go Home」で、初のソロ・アルバム『Men Without Women』に収録されるために書かれた曲である。

「当時は、ロックを時系列で表現しようと考えていた」とヴァン・ザントは説明する。「もちろん(すべてのロックの起源である)ドゥーワップから始めるつもりだった。だけどコンセプトが政治へと変わってしまい、結局それから5作はそのテーマでアルバムを作り続けた(笑)。だから未完成のままになっていた曲を何年も経った今になって今回のアルバムのために完成させた。」

バック・ヴォーカルなしでソウルいっぱいのドゥーワップを作ることはできない。60年代に高く評価されたアカペラ・グループ、ザ・パースエイジョンズが素晴らしいバック・ボーカルを提供している。ヴァン・ザントは、1976年のアルバムに収録されていたアズベリー・ジュークスの「First Night」で少しだけドゥーワップを取り入れていたが、「The City Weeps Tonight」など、『Soulfire』では少しの躊躇いもなく感傷的にドゥーワップを歌っている。過去の作品に再び戻り、不滅のロック・ソングに命を吹き込んで蘇らせている。その一つがスプリングスティーンと共作した「Love On The Wrong Side Of Town」で、バックのオーケストラが華やかさを加えている。アルバムが形作られていく中で、『Soulfire』で一番気に入っている曲を制作する時にインスピレーションを与えた予期せぬ出来事が起こった。

「レコーディングしたいと思う曲を幾つも書いたんだけど、ゲイリー・U.S.ボンズのために書いた曲でもう一つ目立たないトラックがあったんだ」と、思い出しながら話す。「当時あまり注目されなかったんだけど、「Standing In The Line Of Fire」はずっと俺の頭の片隅に存在していた。レコーディングするためにスタジオへ向かう途中、ゲイリーのヴァージョンがラジオで流れて、あまりにもその仕上がりが良くて、”これはカヴァーしない方がいい、きっと越えられない!”って思ったんだ。それでひとつ考えが思い浮かんだ。ウェスタンっぽいタイトルだから、元々リリハマー用に書いたエンニオ・モリコーネ風の曲に、ゲイリー・ボンズの曲を重ねてみようと思い付いた。結果としてこのトラックはアルバムの中で最も大きな驚きとなった。」

良いカヴァーとはどういうものかと慎重にヴァン・ザントは考えた。本人曰く、それについて「セミナーを開催したり、ラジオ番組でそのテーマを取り上げた」。最近名誉学位を受けて”博士”となったリトル・スティーヴンは、きちんとした教授のようにロックの教義を細かく分析した。

「その曲には何が含まれているのかを分析することから始めるんだけど、それは最初にしなければならない重要なことなんだ。テンポを変えたりなど、色んな意味でカヴァー曲を自分のものにしていく。例えば、ジョニー・キャッシュのナイン・インチ・ネイルズのカヴァーを手掛けたリック・ルービンは全く違うジャンルに仕上げたという例もあり、他ではアレンジを変えるだけの場合もある」と、エタ・ジェイムズの「Blues Is My Business」の熱いカヴァーを挙げている。ブルースよりの部分も見せたヴァン・ザントだが、1973年の映画『ブラック・シーザー』のサウンドトラックに収録されているジェームス・ブラウンの「Down And Out In New York City」のカヴァーではジャズ、R&B、そしてブラックスプロイテーションを一つにまとめた曲を披露している。ワウワウ音を奏でるギター、ホーン、そしてストリングスをたっぷりと使用し、そのジャンルを十分に表現している。熱いサウンドが発せられて蒸気が見えてきそうだ。

アルバムのタイトルもタイミングも完ぺきだった。最初から最後まで、そのブルー・アイド・ソウルの演奏に注ぎ込まれた情熱と喜びを聞き取ることができる。タイトル・トラックに関してヴァン・ザントは、アルバム・タイトルにぴったりだと思っただけではなく、自身の人生を要約していると感じた。同時に、過去の楽曲を発見しながら自分のものに変えつつ、探し続ける未知の要因を反映している。

「俺は現代世界に自分を合わせようと努力はあまりしない。なぜならちゃんとは理解できないし、俺と感覚が違うから。色々な曲を聞き返すことによって気付いたことは、その中に激しさが詰め込められているということだ。そうやって昔は曲が書かれ、今ではあまり聴くことのない方法で演奏されていた。俺たちは、商業的であると同時に最高の音楽が作られていたルネサンス時代に育つことができて運が良かったと思ってる。」

Little Steven – Soulfire (Audio)

Little Steven - Soulfire (Audio)

 

音楽に純粋で忠実であるヴァン・ザントは、今でもロックンロールの伝統を伝え続けるバンドが存在すると信じ、ラジオ番組内で「Coolest Song In The World This Week」(今週の世界で最もクールな曲)という特集で紹介している。

ロックンロール殿堂入りを果たしヴァン・ザントは、現在の栄光に満足している訳ではない。海外ツアーを行いながら、ラジオ番組にも取り掛かり、これからも曲作りを続けながら、現在はブロードウェイにも目をつけている。

「何よりも好きなことは、生演奏をプロデュースすることなんだ。これまでにやってきたことの中で一つ気に入ってるのが、数年前にやったブロードウェイの舞台(『The Rascals: Once Upon A Dream』)。ラスカルズのエディ・ブリガッティと一緒にライヴのプロデュースを手掛けたんだけど、ミュージカルをぜひやってみたくなった。振付から脚本、そして音楽まで、全体をやってみたい。」

ヴァン・ザントは、バート・バーンズの物語をブロードウェイ舞台にしようとしていることをほのめかした。ライナー・ノーツに興味がなければ殆どの人が知ることのないバート・バーンズは、60年代のヒット曲「Twist and Shout」や「Hang On Sloopy」を作曲した人で、最近制作されヴァン・ザントがナレーションを担当したドキュメンタリー『Bang! The Bert Berns Story』の主人公でもある。マフィアとの繋がりがあった作曲家のバーンズの物語は、どちらの世界をも知るヴァン・ザントにはぴったりである。

リトル・スティーヴンがソロ活動を再開させた今、今後はまた違う何かを彼から期待できることは間違いない。毎年夏にディサイプルズとスプリングスティーンと交互にツアーを行ったり、今後も新曲を発表するかも知れないと本人は話している。

「できればツアーを続け、冬にはテレビ番組に出演したい」と彼は考えを巡らせる。「それが理想だけど、計画通りにはなかなかいかないからね。できないことの方が多いくらいだ。」だけどきっと彼なら方法をみつけるだろう。

『Soulfire』

By Laura Stavropoulos


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