ジェシー・J、アリアナ、ニッキー・ミナージュによる最強のコラボ曲「Bang Bang」制作舞台裏

Published on

Photo: Kevin Winter/Getty Images

2014年7月28日、ジェシー・J、アリアナ・グランデ、そしてニッキー・ミナージュが手を組んでエネルギッシュな究極のアンセム「Bang Bang」がリリースされた。そして発売直後からファンや評論家たちは、この曲は特別なトラックであることに気付きヒット曲へとなった。

ポップ界のトップに立つ女性3人のコラボレーション・トラック「Bang Bang」は新しい世代にとっての「Lady Marmalade」と言えるだろう。ラベル(LaBelle)の1974年のヒット曲「Lady Marmalade」を映画『ムーラン・ルージュ』主題歌としてマイア、P!IN、クリスティーナ・アギレラ、そしてリル・キムが遊び心のあるウィットに飛んだ21世紀のアンセムに仕上げたのだ。「Bang Bang」ではディーバたちが華やかに歌い、ソウルたっぷりの雰囲気とくり返し唱えたくなる歌で、ポップ・カルチャーにしっかりと根付いた曲となった。

「ボーカルを乗せてみたら、すぐに特別でエキサイティングな曲になるって気付いた」

ジェシー・Jは、ローリング・ストーン誌とのインタビューでこのシングルの誕生について説明している。ヒットプロデューサーのマックス・マーティンが曲のデモをジェシー・Jに送り、彼女はすぐにそれを気に入った。ロンドンのメトロポリス・スタジオにて自分のパートをレコーディングしていた頃に歌詞を書き直したと彼女は思い出しながらこう振り返る。

「マックスからデモを受け取り、もっと自分らしくするために部分的に書き直したんです。ボーカルを乗せてみたら、すぐに特別でエキサイティングな曲になるって気付きました」

UK出身のジェシー・Jは、2013年のスタジオ・アルバム『Alive』のアメリカ・リイシュー版を出すにあたり、当初は新曲を幾つか収録する予定だったが「Bang Bang」を3作目のアルバム『Sweet Talker』用にとっておくことにした。レコーディング・セッションに立ち寄ったデヴィッド・ゲッタとエミリー・サンデーはジェシー・Jのボーカルを絶賛したが、それでも何かが足りなかった。

「アリアナにも参加して欲しい」

ジェシー・Jのパートを聴いたマックス・マーティンは、もう1人パワフルなボーカリストを迎えることを強く望んだ。「アリアナにも参加して欲しい」と彼はジェシーに伝えた。

実は「Bang Bang」は元々セカンド・アルバム『My Everything』完成間近だったアリアナ・グランデのために用意された曲だったが、残念ながらアリアナはオリジナルのレコーディングを気に入らずにボツにしたのだ。イギー・アゼリアをゲストに迎えたしたアリアナのヒット曲「Problem」のプロデュースも手掛けたマーティン、サヴァン・コテチャとイリア・ サルマンザデは非常にがっかりした。しかしマーティンは、古き良きガール・グループのシングルに宿るスピリットを捉えたアンセムをどうにかして制作することを考え続けていたのだ。

リパブリック・レコードの取締役副社長/代表であるウェンディ・ゴールドスタインもアリアナがこの曲にはぴったりだと思っていた。ジェシー・JはレーベルのCEOであるモンテ・リップマンにアリアナとのアポをとるよう説得してもらい、リップマンはアリアナにコラボ・バージョンを聴かせた。ジェシーのパートを聴いたグランデは「ウソでしょ」と驚いたそうだ。アリアナはもう一度「Bang Bang」にチャンスを与えることを決心し、後には『My Everything』のデラックス盤に収録することになる。

「圧倒された‥ありえない、と思った」

「Bang Bang」が他のコラボレーション曲と違うのは、ニッキー・ミナージュのパートのお陰だ。ジェシー・Jのレコーディング・セッションが終わった後、ニッキーはそれを一度聴いただけで「特別な曲」だとすぐに分かったそうだ。2014年の夏はラッパーであるミナージュにとって忙しい夏となった。3作目となる『The Pinkprint』のレコーディング、ビヨンセの「“***Flawless (Remix)」にゲスト参加、物議を醸すことになるシングル「Anaconda」のリリースに向けての準備などがあったのだ。

カーソン・デイリーとのインタビューでニッキーはジェシー・Jのボーカルについて「その実力はもっと評価されるべき」と話している。ジェシー・Jは「Bang Bang」のずっと前からニッキーのコラボレーションを望んでおり、2011年の「Do It Like A Dude」はミナージュをイメージしていたそうだ。「Bang Bang」を歌うニッキーを聴いたジェシー・Jは、これで曲はもう完成したと確信した。アリアナもニッキーのパートを聴いてノックアウトされた。「圧倒されました」とアリアナはRevolt TVに話している。「すごい驚いた。ありえない、と思いました」

「特に、若い女性に聴いて欲しい」

彼女たちの化学反応は、曲を超えてミュージックビデオにも浸透している。ビデオでの3人は、架空のニューヨークのストリートへと飛び出し、それぞれが順に輝いて特有の才能を披露する。ジェシー・Jはビデオの撮影で初めてアリアナとニッキーに直接会ったらしいが、その頃にはすでにシングルはiTunesで1位を獲得していた。

ロサンゼルスにて2日間に渡り撮影されたビデオはハンナ・ラックス・デービスが監督を務め、彼女は3人がそれぞれ同じ長さ画面に映るよう気を付けた。「3人とも全然見た目が違うけど、同じぐらい自信を持っている」とジェシー・Jは指摘している。ビデオの目的は、3人がライバルとして張り合うのではなく、パワフルな女性としてそれぞれの個性を大切にすることだった。ジェシー・Jはローリング・ストーン誌に話している。

「彼女たちの個性と張り合うのではなく、私は自分の個性を大切にする。だからこそ若い女性には、特に聴いて欲しいんです」

ビデオのお陰もあり「Bang Bang」はメインストリームで大ヒットとなった。デビューと同時に全米シングルチャートで6位にランクインし、すぐに3位にランキングが昇ると、その年の最もヒットとしたサマー・アンセムとなった。イギリスでもデビューと同時に1位を獲得し、アリアナにとって2つ目のトップ10シングル及びその年にデビューと同時に1位を飾った2つ目のリリースとなった。

Written By Da’Shan Smith




Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了