(function(h,o,t,j,a,r){ h.hj=h.hj||function(){(h.hj.q=h.hj.q||[]).push(arguments)}; h._hjSettings={hjid:104204,hjsv:5}; a=o.getElementsByTagName('head')[0]; r=o.createElement('script');r.async=1; r.src=t+h._hjSettings.hjid+j+h._hjSettings.hjsv; a.appendChild(r); })(window,document,'//static.hotjar.com/c/hotjar-','.js?sv=');
Join us

Stories

【独占インタビュー】ヘンリー・ロリンズが明かすザ・ラッツ『The Crack』アートワーク捜索と奪還裏話

Published on

オルタネイティヴ・ロック界におけるアイコニックな人物といえば、ヘンリー・ロリンズがトップクラスに入るだろう。その精力的な活動で知られているヘンリー・ロリンズは、絶大な影響力を誇る2つのアメリカのパンクバンド、ブラック・フラッグとロリンズ・バンドのフロントマンを務めるばかりか、俳優、DJ、作家、ロサンゼルス・タイムズのコラムニストとしても活動し、口語体の詩でグラミー賞を受賞するなど幅広く絶賛されてきた。ただ、彼が成し遂げた最も偉大な功績の一つはザ・ラッツの『The Crack』ジャケット写真の原画を手に入れたことかもしれない。

 

“本能的に“The Crack”が重要な作品であることはわかっていた”

ひとりのアーティストとして、世代を超えて人々をインスパイアしてきたヘンリー・ロリンズは、それ以前に熱心な音楽ファンであり、類い稀な収集家である。「パンク・ロックは衝撃だった」と語る彼は、ワシントンD.C.に住んでいた10代の頃、セックス・ピストルズ、バズコックス、アドヴァーツ、そしてザ・ラッツといった70年代後半のパンク草分け的バンドに出会ってからというもの、夢中でヴァイナルを買い求めるようになった。

ある日、彼が彼の親友で、後にマイナー・スレットやフガジのフロントマンとなるイアン・マッケイとワシントンD.C.にあるYesterday & Today Recordsを訪れていた時、ザ・ラッツの1979年のファースト・シングル「In A Rut」を手に入れた。すぐに彼らの音楽の虜になった彼は、ザ・ラッツの唯一のフル・アルバム『The Crack』を買い求めた。この作品は、近年リマスターが施され、ヴァイナルで再発されているが、彼が無人島に持っていきたいレコードの一枚であり続けているそうだ。

『Crack』の試聴はこちら


 

ヘンリー・ロリンズはuDiscoverにこう語ってくれた。「ザ・ラッツはいろんな意味で別格だったんだ。子供ながらにして、本能的に“The Crack”が重要な作品であることはわかっていたし、大人になってからは、今作における重要な要素をさらに掘り下げることができるんだ。今ならセグスとラフィーが驚くべきリズム・セクションだったことや、ポール・フォックスがギタリストの中のギタリストだったことも完璧に理解できる。そして、そこには、あのマルコム・オーウェンの唯一無二のヴォーカルがあった」。

彼はこのアルバムを最初から愛していた一方で、『The Crack』のアートワークにも同じくらい惚れ込んでいた。まるでそれはバンク版のビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』かの如く、ジミ・ヘンドリックスやキース・リチャーズ、そしてBBCラジオ1DJであるジョン・ピールなど、多くの著名人たちが居合わせるパーティでザ・ラッツのメンバー4人がソファーに座っている様子を、画家のジョン・ハワードが描いたオリジナルの絵画がジャケット写真となっている。

 

“僕たちはその絵の中に描かれている人物を全員当てようと議論していた”

「イアン(・マッケイ)と僕はあのジャケットに魅了されたものさ」とヘンリー・ロリンズは熱っぽく語る。「僕たちは何年もの間、その絵の中に描かれている人物を全員当てようと議論していた。おっ、これはキース・ムーンだ。いや、違う、マルコム・マクダウェルだね、てな風に、延々とね。あの頃の僕たちはただの子供だったから、ヴァージン・レコードについてもリチャード・ブランソンについても何も知らなかった。とにかくそのジャケットに夢中で、それについてもっと知りたいと思ったんだ。でも同時に、おそらくこういった原画は、レコード会社のお偉いさんのオフィスの壁に飾ってあるだろうから、一生見れないだろうことも想像がついた」。

しかし、アルバム『The Crack』のアートワークの裏側には、その音楽と同じくらい驚くべきエピソードがあったことが明らかになった。ローランド・リンクスが執筆した『Love In Vain: The Story Of The Ruts & Ruts DC』という本の中でその詳細が記されているが、端的に言えば、画家のジョン・ハワードはその絵画を、アートワークを管理していたヴァージン・レコードのアート部門に届けたのだが、結果的に、作品自体はザ・ラッツへ返却されたということだ。

バンドはその絵画の所有権を画家と共有しているつもりだったが、ポール・フォックスがロンドンで両親が営むパブを継ぐためにバンドを脱退した時に、当時財政難だったジョン・ハワードがバンド側に何も言わずにアメリカ人のディーラーにその絵画を売ってしまったのだ。当然、メンバーにとっては不愉快な出来事となった。ヘンリー・ロリンズがその裏話を知ったのは、2007716日にザ・ラッツがロンドンのイズリントン・アカデミーで行った再結成ライヴにてマルコム・オーウェンの代役を務めたときだった。その夜は、ポール・フォックス、デイヴ・ラフィー、そしてジョン・“セグス”・ジェニングスが一緒に演奏した最後のライヴで、そのわずか2ヶ月後にポール・フォックスが癌で亡くなっている。

Ruts DC 2017 in Berlin L-R Dave Ruffy (drums), John 'Segs' Jennings (bassvocals), Leigh Heggarty (guitar) web optimised 740

左からデイヴ・ルフィ、ジョン・“セグス”・ジェニングス、リー・ヘガーティPhoto by Raven

「メンバーに会ったとき、バスケットから飛び出すコブラみたいに訊きたい質問が山ほどあって、その一つが“The Crack”のアートワークについてだった。セグスは、その4フィート(1.2m)四方の素晴らしい絵画のキャンバスをジョン・ハワードが巻き上げて、イギリスから持って行ってしまったこと、その後ニューヨークへ引っ越してから、アッパー・イースト・サイドのアート収集家に売ってしまったことを教えてくれたんだ」。

“僕は作品奪還のために送り出されたんだ”

それからジョン・“セグス”・ジェニングスは時々LAに住むヘンリー・ロリンズを訪れては、ザ・ラッツの貴重な思い出の品々を見せてくれたのだが、そんな中で“The Crack”の絵画のことが再び話題に持ち上がった。

「ある日セグスが僕に“ヘンリー、君はコレクターだから、あの絵画を持つべきだよ”と言ったのに対して、僕は果敢に“それは僕へのミッションかい?”って訊いたんだ。そしたら彼が、“よしロリンズ、獲物をいただきに行こう”と答えた。そうして僕は作品奪還のために送り出されたんだ」。

ヘンリー・ロリンズの探求は我慢と粘り強さを要した。インターネットで探しても、画家ジョン・ハワードの情報はなかなか見つけることができなかったが、それでもようやく彼の居場所を突きとめた。ジョン・ハワードはその絵画の持ち主を知ってはいたが、年老いたそのアート収集家はその作品を“パーティー”と呼んでおり、ザ・ラッツの音楽やアルバムのジャケットになったことについては何も知らなかったそうだ。そして、遂に交渉は成立した。 数ヶ月に渡るリップ・サービスの効いた何通もの長文メールが決め手となったのだが、ジョン・ハワードが連絡係だったことも手伝って、ヘンリー・ロリンズは最終的に“準備していた金額よりもずっと安く”その絵画を手に入れた。その絵画がLAの彼の元へ輸送され、初めて目にした日のことを彼は鮮明に覚えている。

「ほとんど息ができなかった」と彼は明かす。「長年僕の脳裏に焼き付いていた絵がそこにあったんだ。ソファーに座っている4人のザ・ラッツをずっと見つめていたよ。うわあ!ってね。この絵がイギリスからアメリカへ運ばれて、ニューヨークのアパートで30年過ごした後、LAの僕の元へとやってきた、その長い道のりに思いを馳せた。とにかく信じられなかった。僕が高校生の時に初めてこの絵に魅了されて、白髪になった今の僕は実物を目の前にしている。そんなことってないだろう!」

Henry Rollins On His Favourite Album: The Ruts' The Crack

Henry Rollins On His Favourite Album: The Ruts' The Crack

 

その後、十分な額装が施された『The Crack』の絵画は、今もその本来の輝きを微塵も失うことがないように温度と湿度が徹底管理されたカリフォルニアにあるヘンリー・ロリンズの自宅の壁に誇らしげに飾られている。

「この絵はラフィーとセグスの元にあるべきなのかもしれないが、今はとにかくここにある」とヘンリー・ロリンズはもの悲しげに語る。「この作品とザ・ラッツが大好きだった。僕が18歳の時からずっとこのアルバムを聴き続けているよ。今でもこのアルバムを聴かない週はないくらい、いっときの感情ではないんだ。僕のDNAに染み込んでいるのさ」。

Written by Tim Peacock



Share this story
Share
日本版uDiscoverSNSをフォローして最新情報をGET!!

uDiscover store

Click to comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Don't Miss